堤卓の弁理士試験情報

弁理士試験に関する情報を提供します。

19.1.31 審査基準 特許法39条7項

2007-01-31 15:26:04 | Weblog
審査基準 特許法39条7項

2.7 第39条第7項

2.7.1 協議
(1)各出願が特許庁に係属している場合

 ① 出願人が異なる場合

()各出願が審査請求されている場合
 各出願人に長官名で協議を指令する。

(a)指定期間内に協議の結果の届出があった場合には、協議により定めた出願人の出願について、他に拒絶理由がなければ特許査定する。他の出願が取下げ又は放棄されていなければ、その出願について第39条第2項又は第4項の規定に基づく拒絶理由を通知する。

(b)指定期間内に協議の結果の届出がなかった場合には、協議が成立しなかったものとみなし(第39条第8項)、各出願人に第39条第2項又は第4項の規定に基づく拒絶理由を通知する。

()一部の出願が審査請求されている場合
 協議を指令することができないので、審査請求されている出願の出願人に、他の出願について審査請求がされていないので審査を進めることができない旨を通知する。
 その通知後は、他の出願について審査請求がされ協議を指令することができるようになるまで、又は他の出願について取下げ(審査請求期間の経過を含む)若しくは放棄がされるまで、審査を進めないこととする。

 ② 出願人が同一である場合
 出願人が同一であるときも、出願人が異なる場合に準じて第39条第2項又は第4項の規定を適用して①()のように取り扱う。

()ただし、①()の取扱いをするときは、長官名の協議の指令と拒絶理由の通知を同時に行うこととする。

(説明)
 第39条第2項の規定は、一の発明に一の権利を設ける趣旨であるので、出願人が同一であるときもこの規定が適用される。
 また、出願人が同一であるときは、協議のための時間は必要でないので、上記のように取り扱うこととする。

(2)一の出願が特許又は実用新案登録されている場合
 一の出願が特許又は実用新案登録されている場合には、特許出願人と特許権者又は実用新案権者が異なる場合に限り、特許出願人に特許法第39条第2項又は第4項の規定に基づく拒絶理由を通知する際に、特許権者又は実用新案権者にその事実を通知する。
 なお、特許出願人と特許権者又は実用新案権者が同一である場合には、拒絶理由の通知を受けた段階で適切に対応することが可能であることから、上記のような取扱いはしない。

(説明)
 一の出願が特許又は実用新案登録されている場合には、協議をすることはできない(2.2.2及び2.4.1参照)が、特許出願人と特許権者又は実用新案権者との間で実質的な協議の機会を持つことは、拒絶理由又は無効理由を回避し適切な保護を得るために有用と考えられるので、上記のように取り扱う。
 以下、先願又は同日の他の出願が特許出願の場合について説明するが、先願又は同日の他の出願が実用新案登録出願である場合も同様である。


19.1.31 弁理士試験願書のインターネット請求

2007-01-31 15:20:59 | Weblog
弁理士試験願書のインターネット請求

平成19年度弁理士試験の受験願書は、特許庁、日本弁理士会及び各経済産業局特許室(内閣府沖縄総合事務局特許室を含む)での交付、特許庁への郵送による請求のほか、インターネットから請求することができます。
詳細は特許庁HPでご確認ください。  

受付期間は下記のとおりです。
明日から受付が開始します。
平成19年2月1日(木)9時00分~平成19年3月29日(木)24時00分

19.1.27 審査基準 特許法39条2項~6項

2007-01-27 13:36:48 | Weblog
審査基準 特許法39条

2.2 第39条第2項

2.2.1 特許出願人の協議により定めた一の出願人
 同一の発明について同日に二以上の特許出願があった場合には、各出願の出願人に長官名で協議を指令する。
 出願人が同一であるときも、出願人が異なる場合に準じて協議を指令する。
 なお、協議の詳細については2.7.1参照。

2.2.2 協議が成立せず、又は協議をすることができないとき
 同一の発明について同日に二以上の特許出願があった場合であって、協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、いずれも、その発明について特許を受けることができない。
 協議をすることができないときとは、相手が協議に応じない等の理由で協議をすることができない場合、いずれかの出願が既に放棄され、拒絶査定が確定し、又は特許されている場合である。
 いずれかの出願が既に放棄され、拒絶査定が確定し、又は特許されており、協議をすることができなくなっている場合には協議は指令せず、それ以外の出願に第39条第2 項の規定に基づく拒絶理由を通知
する。

(注)平成11年1月1日以降の出願において、いずれかの出願が放棄され、又は拒絶をすべき旨の査定若しくは審決が確定したときは、その出願は初めからなかったものとみなされるため協議の対象とはならない。

 なお、いずれかの出願が特許されていて、特許出願人が特許権者と異なる場合の取扱いについては2.7.1参照。

2.3 第39条第3項

2.3.1 特許出願に係る発明と実用新案登録出願に係る考案とが同一
 考案は発明と同様に自然法則を利用した技術的思想の創作であるので、特許出願に係る発明と実用新案登録出願に係る考案が同一であるか否かの判断は、発明どうしが同一であるか否かの判断と同様に行う。

2.4 第39条第4項

2.4.1 協議が成立せず、又は協議をすることができないとき
 特許出願に係る発明と実用新案登録出願に係る考案とが同一(実用新案登録に基づく特許出願に係る発明とその実用新案登録に係る考案とが同一である場合を除く。)であり、その特許出願及び実用新案登録出願が同日にされたものである場合であって、協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、特許出願人は、その発明について特許を受けることができない。
 協議をすることができないときとは、相手が協議に応じない等の理由で協議をすることができない場合、実用新案登録出願が既に放棄され、又は実用新案登録されている場合である。
 実用新案登録出願が既に放棄され、又は実用新案登録されており、協議をすることができなくなっている場合には協議は指令せず、特許出願に特許法第39条第4 項の規定に基づく拒絶理由を通知する。

(注)平成11年1月1日以降の出願において、いずれかの出願が放棄され、又は拒絶をすべき旨の査定若しくは審決が確定したときは、その出願は初めからなかったものとみなされるため協議の対象とはならない。

 なお、実用新案登録出願が実用新案登録されていて、特許出願人と実用新案権者が異なる場合の取扱いについては2.7.1参照。

2.5 第39条第5項

2.5.1 特許出願又は実用新案登録出願が取り下げられ、又は却下にされたとき
 特許出願又は実用新案登録出願が取り下げられ、又は却下にされたときは、その特許出願又は実用新案登録出願は、第39条第1項から第4項までの規定の適用については、初めからなかったものとみなされる。
 なお、拒絶査定が確定した出願、又は放棄された出願については、第39条第6項に該当する場合を除いて、第39条第1項から第4項までの規定が適用される。

(注)平成11年1月1日以降の出願については、特許出願若しくは実用新案登録出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されたとき、又は特許出願について拒絶をすべき旨の査定若しくは審決が確定したときは、その特許出願又は実用新案登録出願は、初めからなかつたものとみなされる。
 ただし、その特許出願について第39条第2項後段又は第4項後段の規定に該当することにより拒絶をすべき旨の査定又は審決が確定したときは、この限りでない。

2.6 第39条第6項

2.6.1  発明者又は考案者でない者であって特許を受ける権利又は実用新案登録を受ける権利を承継しないもの
 いわゆる冒認の特許出願又は実用新案登録出願は、第39条第1項から第4項までの規定の適用については特許出願又は実用新案登録出願でないものとみなされる。

19.1.25 審査基準 特39条1項

2007-01-25 09:38:52 | Weblog
審査基準 特許法39条

2.1 第39条第1項

2.1.1 第39条の判断の対象
(1)第39条により発明が同一か否かの判断の対象となる発明は「請求項に係る発明」である。
 第2条によれば、発明は、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものとされているから、発明が同一であるか否かの判断は技術的思想の同一性を判断することにより行う。
 たとえ実施の態様が一部重複しうるとしても、技術的思想が異なれば同一の発明とはしない。

(2)特許請求の範囲に二以上の請求項がある場合は、請求項ごとに第39条の要件の判断をする。

2.1.2 異なった日の特許出願、最先の特許出願
 異なった日の出願であるのか、同日の出願であるのかの判断、又は最先の出願であるかの判断は、以下のように行う。

(1)優先権主張を伴わない出願については、その出願日(注)により行う。
 (注)出願が国際出願である場合には、出願日は国際出願日と読み替える。

(2)パリ条約による優先権の主張を伴う出願において、優先権主張の基礎とされた出願の出願書類の全体(明細書、特許請求の範囲及び図面)に記載された発明については、同盟国に最初に出願した日(複数の優先権を主張している場合には、優先権主張の基礎となる出願のうち、判断の対象となる請求項に係る発明が記載されている出願の出願日)により行う。

(3)国内優先権の主張を伴う出願において、国内優先権の主張の基礎とされた先の出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明については、先の出願の出願日(複数の優先権を主張している場合には、優先権主張の基礎となる出願のうち、判断の対象となる請求項に係る発明が記載されている出願の出願日)により行う。

19.1.18 平成19年度弁理士試験の期日

2007-01-18 13:17:27 | Weblog
弁理士試験の期日が発表されました。

2 試験の期日  
(1)短答式筆記試験
 平成19年5月20日(日)  
(2)論文式筆記試験
 平成19年7月1日(日)に必須科目を、平成19年7月22日(日)に選択科目を、短答式筆記試験に合格した者について行う。  
(3)口述試験
 平成19年10月12日(金)から平成19年10月19日(金)までの期間、論文式筆記試験に合格した者について行う。  
 

19.1.17 審査基準(案) 特50条の2 その3

2007-01-17 18:16:52 | Weblog
審査基準(案)特許法50条の2 その3

4.2 第50条の2の通知が併せてなされた拒絶理由通知に対して補正がされた場合の審査

4.2.1 拒絶理由通知が「最初の拒絶理由通知」の場合

 第50条の2の通知が併せてなされた「最初の拒絶理由通知」に対して補正がされたときは、第50条の2の通知を行うことが適当であったか否かは、意見書等における出願人の主張を勘案して再検討する(注)。

(注)第50条の2の通知において、本願の複数の拒絶の理由について、他の特許出願の拒絶理由通知に係る拒絶の理由と同一である旨を指摘していた場合には、その指摘のうちいずれか一つでも適当な指摘があれば、第50条の2の通知を行うことが適当であったと判断する。

(1)第50条の2の通知を行うことが適当であった場合
 第50条の2の通知を行うことが適当であった場合は、第50条の2の通知が併せてなされた拒絶理由通知に対してされた補正が、第17条の2第3項から第6項の規定に違反していないか否かについて検討し、違反していると認められた場合には、決定をもって当該補正を却下しなければならない(第53条)。 

(留意事項) 
 第50条の2の通知を行った時点で第50条の2の通知を行うことが適当であった場合には、その後の補正により本願が分割の実体的要件を満たさなくなり、本願と他の特許出願とが同時にされたこととはならなくなったとしても、本願についての当該補正は第17条の2第3項から第6項の規定を満たしている必要がある。

 本願に対して第50条の2の通知を行った後に、他の特許出願が補正され、他の特許出願が分割の実体的要件を満たさなくなった結果、本願と他の特許出願とが同時にされたこととはならなくなった場合も、同様である。

★コメント
 50条の2の通知が適切である場合には、通知をした後に、分割の要件を満たさなくなった等の事由により、50条の2の要件を満たさなくなったとしても、50条の2の通知は有効であるとするようです。


 補正の検討、補正を却下する場合の出願の取扱い、及び補正を却下せずに受け入れた場合の出願の取扱いについては、「最後の拒絶理由通知」を「第50条の2の通知が併せてなされた最初の拒絶理由通知」と読み替えた上で、それぞれ「第Ⅸ部 審査の進め方」の「第2節 各論 6.2 補正の検討」、「第2節 各論 6.3 補正を却下する場合の出願の取扱い」、「第2節 各論 6.4 補正を却下せず受け入れた場合」に従う。

 なお、「第Ⅸ部 第2節 各論」の6.3(3)及び6.4(3)に従って改めて拒絶の理由を通知する場合には、「4.1 第50条の2の通知を行う際の審査」に示したところに照らして、第50条の2の通知を併せて通知するか否かを検討する。


(2)第50条の2の通知を行うことが不適当であった場合 
 第50条の2の通知を行うことが不適当であった場合には、第53条を適用することができない。したがって、補正の却下の決定を行うことなく、補正を受け入れることとなる。
 そして、補正後の出願に対し、先に通知した拒絶の理由が解消していない場合であっても、ただちに拒絶査定を行うことなく、再度「最初の拒絶理由通知」を行う。
 また、補正によって通知することが必要となった拒絶の理由のみを通知する場合であっても、「最後の拒絶理由通知」とせずに、再度「最初の拒絶理由通知」とする。
 さらに、他の出願の拒絶理由通知に係る拒絶の理由と同一の拒絶の理由を通知する場合であっても第50条の2の通知は行わない。

★コメント
 ここの取扱いはちょっと分かりにくいようです。
 50条の2の通知が誤っていた場合には、補正後の出願について、拒絶理由の通知をやり直すようです。その場合は、最後の拒絶理由とするのではなくて、最初の拒絶理由とするようです。


(留意事項) 
 ただし、他の特許出願の拒絶の理由と同一ではない等、第50条の2の通知を行うべきでなかったことを出願人が主張し、それを前提に補正をしていると認められるものについては、第50条の2の通知は行わなかったものとして取り扱う。
 すなわち、拒絶の理由が解消していない場合には、拒絶査定を行い、当該補正によって通知することが必要となった拒絶の理由のみを通知する場合には、「最後の拒絶理由通知」とする。
 また、他の出願の拒絶理由通知に係る拒絶の理由と同一の拒絶の理由を通知する場合には併せて第50条の2の通知を行う。


4.2.2 拒絶理由通知が「最後の拒絶理由通知」の場合 

 第50条の2の通知が併せてなされた「最後の拒絶理由通知」に対して補正がされたときは、第50条の2の通知を行うこと及び「最後の拒絶理由通知」とすることが適当であったか否かを、意見書等における出願人の主張を勘案して再検討する(4.2.1の(注)参照)。 

 第50条の2の通知を行うことが適当であったか否かの判断については、「4.2.1 拒絶理由通知が「最初の拒絶理由通知」の場合」に従う。 

「最後の拒絶理由通知」とすることが適当であったか否かの判断については、第Ⅸ部 審査の進め方」の「第2節 4.3.3.1 「最後の拒絶理由通知」とすべき場合」に従う。

(1)第50条の2の通知を行うこと及び「最後の拒絶理由通知」とすることの少なくともいずれか一方が適当であった場合 
 第50条の2の通知を行うこと及び「最後の拒絶理由通知」とすることの少なくともいずれか一方が適当であった場合には、第17条の2第3項から第6項の規定に基づいて、補正が適法になされているか否かを検討する。
 補正が適法になされていない場合は補正を却下する(第53条)。 

 第50条の2の通知を行ったこと又は「最後の拒絶理由通知」としたことの少なくともいずれか一方が適当であった場合の補正の検討、補正を却下する場合の出願の取扱い、補正を却下せず受け入れた場合の出願の取扱いについては、「最後の拒絶理由通知」を「第50条の2の通知が併せてなされた最後の拒絶理由通知」と読み替えた上で、それぞれ「第Ⅸ部 審査の進め方」の「第2節 各論 6.2 補正の検討」、「第2節 各論 6.3 補正を却下する場合の出願の取扱い」、「第2節 各論 6.4 補正を却下せず受け入れた場合」に従う。

 なお、「第Ⅸ部 第2節 各論」の6.3(3)及び6.4(3)に従って改めて拒絶の理由を通知する場合には、「最後の拒絶理由通知」とするか否かを検討するとともに、「4.1 第50条の2の通知を行う際の審査」に示したところに照らして、第50条の2の通知を併せて通知するか否かについても検討する。 

(2)第50条の2の通知を行うこと及び「最後の拒絶理由通知」とすることのいずれも不適当であった場合
 第50条の2の通知を行うこと及び「最後の拒絶理由通知」とすることのいずれも不適当であった場合には、第53条を適用することができない。
 したがって、補正の却下の決定を行うことなく、補正を受け入れることとなる。
 そして、補正後の出願に対し、先に通知した拒絶の理由が解消していない場合であっても、ただちに拒絶査定を行うことなく、再度「最初の拒絶理由通知」を行う。
 また、補正によって通知することが必要となった拒絶の理由のみを通知する場合であっても、「最後の拒絶理由通知」とせずに、再度「最初の拒絶理由通知」とする。
 さらに、他の出願の拒絶理由通知に係る拒絶の理由と同一の拒絶の理由を通知する場合であっても第50条の2の通知は行わない。 

(留意事項) 
 ただし、他の特許出願の拒絶の理由と同一でない等、第50条の2の通知を行うべきでなかったこと及び「最初の拒絶理由通知」とすべきであったことの双方を出願人が主張し、それを前提に補正をしていると認められるものについては、第50条の2の通知は行っておらず、かつ、「最初の拒絶理由通知」を通知したものとして取り扱う。
 すなわち、拒絶の理由が解消していない場合には、拒絶査定を行い、当該補正によって通知することが必要となった拒絶の理由のみを通知する場合には、「最後の拒絶理由通知」とする。
 また、他の出願の拒絶理由通知に係る拒絶の理由と同一の拒絶の理由を通知する場合には第50条の2の通知を行う。

19.1.16 審査基準(案) 50条の2 その2

2007-01-16 17:48:31 | Weblog
審査基準(案)50条の2の通知 その2

2.3 「出願審査の請求前に当該特許出願の出願人がその内容を知り得る状態になかつたもの」

 本願の出願審査の請求前に出願人が知り得る状態になかった拒絶理由通知とは、本願の出願審査の請求前に、出願人のもとに到達しておらず、かつ、出願人が閲覧することもできなかった拒絶理由通知である。

★コメント
 閲覧可能なものは、知り得る状態にあると解釈するようです。


 本願の出願人と他の特許出願の出願人が異なっている場合には、他の特許出願についての拒絶理由通知は本願の出願人に対して発送されるものではないが、このような場合であっても、本願の出願審査の請求前に他の特許出願が出願公開されていれば、本願の出願人は他の特許出願の拒絶理由通知を閲覧することができるため、当該拒絶理由通知は本願の出願審査の請求前に本願の出願人が知り得る状態にあったものである。

★コメント
 出願人が異なる場合にも、50条の2の通知がされるようです。


 他の特許出願の拒絶理由通知の到達日と、本願の出願審査の請求日とが同日の場合や、他の特許出願の閲覧が可能となった日と本願の出願審査の請求日とが同日の場合には、他の特許出願の拒絶の理由の通知が到達した時や、他の特許出願の閲覧可能となった時が本願の出願審査の請求のなされた時より前であることが明らかな場合のほかは、当該拒絶理由通知は出願審査の請求前に知り得る状態になかったものとする。


3.拒絶理由通知と併せて第50条の2の通知が行われた場合の補正
 拒絶理由通知と併せて第50条の2の通知が行われた特許出願について補正をするときは、第17条の2第3項から第6項に規定された要件を満たす必要があり、当該要件を満たしていない場合には、補正却下の対象となりうる。

 第17条の2第3項から第6項の具体的運用に関しては、「第Ⅲ部 明細書、特許請求の範囲又は図面の補正」を参照。


4.審査の進め方 

4.1 第50条の2の通知を行う際の審査 

4.1.1 第50条の2の通知を行うか否かの判断 

 審査官は、本願が分割出願又は分割出願の原出願である場合には、本願と他の特許出願について以下の①~③をすべて満たしているか否かを判断する。

① 本願と他の特許出願とが第44条第2項の規定により同時にされたこととなっていること(本願と他の特許出願のうちの、分割出願であるものが、分割の実体的要件を満たしていること)(注1)

★コメント
 ということは、50条の2の通知をしようとするときは、必ず分割の要件を満たすかどうかについて判断することになります。


② 本願の拒絶の理由が、他の特許出願の拒絶理由通知に係る拒絶の理由と同一であること(注2)

③ 当該他の特許出願の拒絶理由通知が、本願についての出願審査の請求前に本願の出願人が知り得る状態にあったものであること

 上記①~③のすべてを満たしている場合には、本願について拒絶理由通知と併せて第50条の2の通知を行う(注3)。

 一方、上記①~③の少なくとも一つを満たしていない場合には、本願について第50条の2の通知は行わない。

(注1)本願と他の特許出願とが第44条第2項の規定により同時にされたこととなっているか否かの判断は、本願について拒絶の理由を通知する時点での本願及び他の特許出願の明細書等の記載に基づいて行う。

★コメント
 分割の要件を満たすかどうかは、補正の有無によっても変動します。したがって、50条の2の通知をしようとする時点における出願内容に基づいて分割の要件の判断をするようです。


(注2)本願に複数の拒絶の理由が存在し、他の特許出願の拒絶理由通知にも複数の拒絶の理由が含まれている場合等において、本願の一の拒絶の理由が他の特許出願の拒絶理由通知に係る一の拒絶の理由と同一である場合には、本願の拒絶の理由は他の特許出願の拒絶理由通知に係る拒絶の理由と同一であると判断する。

★コメント
 複数の拒絶理由がある場合には、一つの拒絶理由が同一であれば、50条の2の通知の対象とするようです。


(注3)誤記等の記載上の軽微な不備に基づく拒絶の理由等については、第50条の2の規定を必要以上に形式的に運用することがないようにする。


4.1.2 第50条の2の通知を行う際の留意事項 

 第50条の2の通知を行う際は、審査官は、その通知中において、拒絶の理由が同一であると判断した他の特許出願の出願番号及び拒絶理由通知の起案日を記載する。
 他の特許出願の拒絶理由通知に拒絶の理由が複数含まれている場合には、出願番号、起案日の記載に加え本願の拒絶の理由と同一であると判断した拒絶の理由を特定できる情報(拒絶の理由の番号等)を記載する。

(留意事項) 
 第50条の2の通知が併せてなされた本願の拒絶理由通知の記載については、拒絶の理由を、出願人がその趣旨を明確に理解できるように具体的に指摘しなければならず(「第Ⅸ部 審査の進め方」の「第2節 各論 4.2 拒絶理由通知を行う際の留意事項」参照)、他の特許出願の拒絶理由通知を引用することによって拒絶の理由の具体的な内容を省略してはならない。

19.1.15 審査基準(案) 50条の2

2007-01-15 17:59:11 | Weblog
審査基準(案) 第50条の2の通知

特許法第50条の2
 審査官は、前条の規定により特許出願について拒絶の理由を通知しようとする場合において、当該拒絶の理由が、他の特許出願(当該特許出願と当該他の特許出願の少なくともいずれか一方に第四十四条第二項の規定が適用されたことにより当該特許出願と同時にされたこととなつているものに限る。)についての前条(第百五十九条第二項(第百七十四条第一項において準用する場合を含む。)及び第百六十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による通知(当該特許出願についての出願審査の請求前に当該特許出願の出願人がその内容を知り得る状態になかつたものを除く。)に係る拒絶の理由と同一であるときは、その旨を併せて通知しなければならない。

★コメント
 かっこ書に、「当該特許出願と当該他の特許出願の少なくともいずれか一方」とあるので、「当該特許出願」が、分割出願である場合もあれば、もとの出願である場合もあることになります。。

特許法第17条の2第5項 
 前二項に規定するもののほか、第一項第一号、第三号及び第四号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶理由通知と併せて第五十条の二の規定による通知を受けた場合に限る。)において特許請求の範囲についてする補正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
(第一号から第四号 省略。) 

 特許出願について、拒絶理由通知と併せて第50条の2の規定に基づく通知(以下、第50条の2の通知という)がなされた場合において補正するときは、最後の拒絶理由通知後に補正する場合と同様、特許法第17条の2第3項から第6項に規定された要件を満たす必要があり、当該要件を満たしていない場合には、補正却下の対象となりうる(第53条、第159条第1項、第163条第1項)。

1.第50条の2の規定の趣旨 
 原出願において既に拒絶の理由が通知されている発明について再度審査を受けるために出願を分割する等といった行為は、分割出願制度の本来の趣旨(「第1節 出願の分割」の「1. 出願の分割の規定の趣旨」参照)と合致せず、分割出願制度の濫用といえるものである。第50条の2(及び第17条の2第5項)の規定の趣旨は、出願人に対し原出願の審査において通知された拒絶の理由を十分に精査することを促すことにより、このような分割出願制度の濫用を抑止することにある。

2. 第50条の2の通知 

2.1 「他の特許出願(当該特許出願と当該他の特許出願の少なくともいずれか一方に第四十四条第二項の規定が適用されたことにより当該特許出願と同時にされたこととなつているものに限る。)」

 拒絶の理由を通知しようとする特許出願(以下、本願という)と他の特許出願が以下の①~③のいずれか一の関係を満たす場合に、他の特許出願は「当該特許出願と当該他の特許出願の少なくともいずれか一方に第44条第2項の規定が適用されたことにより当該特許出願と同時にされたこととなっているもの」に該当する。

① 他の特許出願が、本願に基づく分割出願群(注)の一である場合 

② 本願が、他の特許出願に基づく分割出願群の一である場合 

③ 本願及び他の特許出願が、いずれも同じ特許出願に基づく分割出願群の一である場合

(注)特許出願に基づく分割出願群とは、当該特許出願を原出願とした分割出願や、当該分割出願(子出願)を原出願とする分割出願(孫出願)等の同じ特許出願に由来する一連の分割出願を意味する。

(留意事項) 
 分割出願として出願された特許出願であっても、出願の分割の実体的要件を満たさない場合には特許法第44条第2項の規定が適用されない。
 したがって、本願と他の特許出願が上記①~③のいずれか一の関係を満たすか否かを判断する際は、本願及び他の特許出願のうち分割出願として出願されたものが、出願の分割の実体的要件を満たしているか否かについて確認する必要がある。

★コメント
 ということは、審査官は、分割の要件を判断しないと、50条の2の通知はすることができないということになります。
 分割の要件を判断するということは、審査官の審査負担が増えるような気もします。

 出願の分割の実体的要件については、「第1節 出願の分割の要件」の「2.2 実体的要件」参照。 

2.2 「前条(第百五十九条第二項(第百七十四条第一項において準用する場合を含む。)及び第百六十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による通知に係る拒絶の理由と同一」 

(1)「前条の規定による通知」には、審査において通知された拒絶理由通知だけでなく、拒絶査定不服審判、再審及び前置審査における拒絶理由通知も含まれる。 

(留意事項) 
 拒絶査定、補正の却下の決定などは「前条の規定による通知」(拒絶理由通知)ではない。したがって、本願の拒絶の理由が、他の特許出願の拒絶理由通知ではないもののみに記載されている内容と同一であっても、本願の拒絶の理由と他の特許出願の拒絶理由通知に係る拒絶の理由は同一であることにはならない。

(2)本願の拒絶の理由が、他の特許出願の拒絶理由通知に係る拒絶の理由と同一とは、本願の拒絶の理由の根拠となる条文(第29条第1項第3号、第29条第2項、第36条第4項第1号、第36条第6項第1号等)が、他の特許出願の拒絶理由通知に係る拒絶の理由の根拠となる条文と同一であるのみならず、本願の拒絶の理由の具体的な内容が、他の特許出願の拒絶理由通知に係る拒絶の理由の具体的な内容と実質的に同一であることをいう。

★コメント
 拒絶理由が同一であるとは、拒絶の理由となる条文が同一であって、かつ、拒絶の根拠となる事実も同一であることを意味するようです。

(3)本願の拒絶の理由が、他の特許出願の拒絶理由通知に係る拒絶の理由と同一であるか否かの判断は、本願の明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、明細書等という)を、他の特許出願の拒絶理由通知に対する補正後の明細書等であると仮定した場合に、本願の明細書等が他の特許出願の拒絶理由通知に係る拒絶の理由を解消していないかどうかにより行う。 
 この結果、本願の明細書等が他の特許出願の拒絶理由通知に係る拒絶の理由を解消していないと判断される場合に、本願についてこのような判断の下に通知しようとする同旨の拒絶の理由は、他の特許出願の拒絶理由通知に係る拒絶の理由と同一である。

例1:
 本願に係る発明を、他の特許出願の進歩性欠如の拒絶の理由を含む拒絶理由通知に対する補正後の発明であると仮定した場合において、本願に係る発明が他の特許出願に周知・慣用技術を付加したものであって、新たな効果を奏するものではないため、当該進歩性欠如の拒絶の理由を解消していないと判断される場合には、本願についてこのような判断の下に通知しようとする同一の引用文献に基づく同旨の進歩性欠如の拒絶の理由は、当該他の特許出願の拒絶理由通知に係る拒絶の理由と同一である。

★コメント
 もとの出願Aの請求項1に記載した発明イ(発明特定事項がABCからなる)が刊行物X(発明特定事項ABが記載)と刊行物Y(発明特定事項Cが記載)とを引用して進歩性がないとする拒絶理由の通知を受けた後に、出願Aの明細書に記載されている発明ロ(発明特定事項がABCDからなり、Dは周知慣用技術)を分割して新たな特許出願Bをした場合には、同じ引用例(刊行物XとY)を引用して発明ロの進歩性を否定できるときは、拒絶理由が同じであるとして、50条の2の通知をすることになります。

 一方、本願に係る発明を、他の特許出願の進歩性欠如の拒絶理由通知に対する補正後の発明であると仮定した場合において、本願に係る発明が他の特許出願に係る発明に周知・慣用技術とはいえない事項を付加したものであり、他の特許出願について新たな引用文献を追加して進歩性欠如の拒絶の理由を再度通知することが必要となる場合には、本願の進歩性欠如の拒絶の理由と当該他の特許出願の拒絶理由通知に係る進歩性欠如の拒絶の理由は同一とはいえない。 

例2:
 本願明細書を、他の特許出願の、実施例1及び2に関する実施可能要件違反の拒絶の理由を含む拒絶理由通知に対する補正後の明細書であると仮定した場合において、本願の明細書が、実施例2を含んでいるため、依然として当該実施可能要件違反の拒絶の理由を解消していないと判断される場合には、本願についてこのような判断の下に通知しようとする同旨の実施可能要件違反の拒絶の理由は、当該他の特許出願の拒絶理由通知に係る拒絶の理由と同一である。

19.1.12 審査基準(案) 分割

2007-01-12 12:42:19 | Weblog
審査基準(案) 分割

3.その他の留意事項 

3.1 分割出願に係る発明と分割後の原出願に係る発明が同一である場合の取扱い 

 分割出願が適法であり、分割出願に係る発明と分割後の原出願に係る発明が同一である場合には、第39条第2項の規定が適用される。
 第39条第2項の規定の適用は、「第Ⅱ部第4章特許法第39条」に従って行う。 

(説明)
 分割出願に係る発明と分割後の原出願に係る発明が同一である場合、両発明を特許することは一発明一特許の原則に反する。したがって上記のように取り扱う。 

3.2 分割出願の補正 

 分割出願の明細書、特許請求の範囲又は図面について補正がなされた場合には、まず、補正が適法であるか否かを判断し、補正が適法なものである場合には、当該補正された明細書、特許請求の範囲又は図面が分割時に願書に添付されていたものとして、当該分割出願の分割要件を判断する。 

3.3 分割出願を原出願とする分割出願 

 原出願(以下、親出願という)から分割出願(以下、子出願という)をし、さらに子出願を原出願として分割出願(以下、孫出願という)をした場合には、子出願が親出願に対し分割要件のすべてを満たし、孫出願が子出願に対し分割要件のすべてを満たし、かつ孫出願が親出願に対し分割要件のうちの実体的要件のすべてを満たすときは、孫出願を親出願の時にしたものとみなす。 

(説明) 
 分割出願(子出願)を原出願として、さらに分割出願(孫出願)をすることは、法文上特に禁止されておらず、実態として出願人がつぎつぎと分割手続を採らざるを得ない場合(分割時期の制限のため親出願から出願の分割をすることはできないが、子出願から出願の分割が可能である場合等)もあるので、子出願、孫出願ともに所定の要件を満たす場合に限り、孫出願を親出願の時にしたものとみなすこととする。 

3.4 分割出願の出願変更 

 分割出願である特許出願が適法に実用新案登録出願に出願変更されたときには、変更後の実用新案登録出願を分割出願であるとして、分割要件を判断する。 

4. 第44条第2項ただし書の規定について 

 分割出願が原出願と同時になされたとすることによって生じる不都合をなくすために、第44条第2項ただし書の規定が設けられている。したがって以下の場合には、分割出願の出願時点は現実に出願手続をした時である。

① 分割出願が特許法第29条の2に規定する「他の特許出願」又は実用新案法第3条の2に規定する「特許出願」に該当する場合 

② 分割出願に係る発明について第30条第1項又は第3項の規定の適用を受けようとする者が、その旨を記載した書面を特許庁長官に提出する場合、並びに分割出願に係る発明が同条第1項又は第3項に規定する発明であることを証明する書面を特許庁長官に提出する場合 

③ 分割出願について国内優先権を主張しようとする者が、その旨及び先の出願の表示を記載した書面を特許庁長官に提出する場合 

④ 分割出願についてパリ条約による優先権を主張しようとする者が、優先権を主張する旨及び最初に出願したパリ条約の同盟国の国名等を記載した書面を特許庁長官に提出する場合、並びにその同盟国の認証のある出願の年月日を記載した書面、発明の明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲及び図面の謄本又はこれらと同様な内容を有する公報若しくは証明書であって、その同盟国の政府が発行したものを特許庁長官に提出する場合 

(注)平成19年3月31日までにした外国語書面出願を外国語書面によって分割した分割出願に関し、外国語書面及び外国語要約書面の翻訳文を提出する場合も、当該分割出願の出願時点は現実に出願手続をした時である。 

19.1.11 審査基準(案) 分割 その2

2007-01-11 21:00:47 | Weblog
審査基準(案) 分割 その2

2.2 実体的要件
 分割出願が原出願の時にしたものとみなされるためには、2.1の形式的要件に加えて、補正をすることができる期間内に出願の分割がなされたか否かに応じて、以下の実体的要件のすべてを満たしていなければならない。 

(1)出願の分割が補正をすることができる期間内になされた場合(第44条第1項第1号)

()原出願の分割直前の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明の全部を分割出願に係る発明としたものでないこと

()分割出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項が、原出願の出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内であること 

(2)出願の分割が、補正をすることができない期間である、特許査定後、又は拒絶査定後であって拒絶査定不服審判請求前になされた場合(第44条第1項第2号、第3号) 

()原出願の分割直前の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明の全部を分割出願に係る発明としたものでないこと 

()分割出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項が、原出願の出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内であること 

()分割出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項が、原出願の分割直前の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内であること 

 分割出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項が、「原出願の分割直前の明細書、特許請求の範囲又は図面」又は「原出願の出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面」に記載された事項の範囲内であるか否かの判断は、新規事項の判断と同様に行う。(新規事項の判断については、「第Ⅲ部第Ⅰ節 新規事項」を参照。) 

 なお、(1)、(2)いずれの場合においても、通常、明細書、特許請求の範囲又は図面には二以上の発明が記載されており、原出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された二以上の発明のすべての発明を分割出願に係る発明としたと考えられるごく例外的な場合を除き、()は満たされている。

(説明)
 第44条第1項の規定によれば、分割出願が原出願の時にしたものとみなされるためには、
① 原出願の分割直前の明細書、特許請求の範囲又は図面に二以上の発明が記載されていること
② 原出願の分割直前の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明の一部を分割出願に係る発明としていること 
の二要件を満たす必要がある。 

②の要件は、
②-1 分割出願に係る発明が原出願の分割直前の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明であること 
②-2 原出願の分割直前の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明の全部を分割出願に係る発明としたものでないこと 
の二つに分けることができる。 

 ここで、分割出願の明細書又は図面に記載された事項は、分割後の補正により分割出願の特許請求の範囲に記載して分割出願に係る発明とすることができる。このことを考慮すると、分割出願に係る発明のみならず、分割出願の明細書又は図面に記載された事項に関しても、原出願の分割直前の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内に制限される。この点と要件②-1を合わせると次の要件②-3となる。 

②-3 分割出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項が、原出願の分割直前の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内であること 

 そして、分割出願が原出願の時にしたものとみなされるという第44条第2項の出願の分割の効果を考慮すると、原出願について補正のできる範囲で分割出願をすることができるとすべきである。
 したがって、
③ 分割出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項が、原出願の出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内であること 
も要件となる。 

 上記のとおり、出願の分割の実体的要件に関しては、要件①、要件②-2、要件②-3、要件③の四要件について判断する必要があるが、次のとおり、要件②-2が満たされれば、要件①は満たされる。

 要件①について
 原出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に発明が一つしか記載されていない場合に分割出願を出願しようとすれば、必ず原出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明の全部を出願することになる。
 したがって、原出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明の一部を分割出願としたものであれば、原出願の明細書、特許請求の範囲又は図面には二以上の発明が記載されていたことになる。すなわち、要件②-2が満たされれば、要件①は満たされる。

 また、原出願について補正をすることができる期間内の分割の場合には、次のとおり、要件③が満たされれば要件②-3も満たされることとする。 

 要件②-3について
 原出願について補正をすることができる期間内であれば、原出願の分割直前の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていない事項であっても、原出願の出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項については、補正により原出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した上で、出願の分割を行うことができる。 

 このため、原出願について補正をすることができる期間内に出願が分割された場合には、出願を分割する際に原出願について上記のような補正を行うことが可能であることを勘案し、分割出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項が、原出願の出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内であれば(すなわち、要件③が満たされれば)、要件②-3についても満たされることとする。 

 したがって、出願の分割の実体的要件に関しては、(1)出願の分割が補正をすることができる期間内になされた場合(第44条第1項第1号)には、要件②-2及び要件③の二要件について判断を行えばよいこととなり、(2)出願の分割が補正をすることができない期間になされた場合(第44条第1項第2号、同第3号)には、要件②-2、要件②-3及び要件③の三要件について判断を行えばよいこととなる。