堤卓の弁理士試験情報

弁理士試験に関する情報を提供します。

20/12/30 PCT規則48.3(a)の改正

2008-12-30 06:26:54 | Weblog
PCT規則48.3(a)が改正されました。

 国際公開言語として、新たに韓国語とポルトガル語が追加され、2009年1月1日以降の国際出願に適用されます。
 これにより、日本語、アラビア語、中国語、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語と合わせ、10言語が国際公開言語となります。

20/12/27 東京地裁平成15年1月31日判決

2008-12-27 08:32:43 | Weblog
東京地裁平成15年1月31日判決
減速機付きモーター

4 争点(4)(5)について
(1)本件登録意匠に係る物品と被告製品の物品とを対比すると,本件登録意匠に係る物品は減速機であるのに対し,被告製品は,減速機部分にモーター部分を連結して一個の物品となした減速機付きモーター(ギヤードモーター)であるから,両者は物品が異なり,被告製品の意匠は本件登録意匠と同一又は類似であるということはできない。
 また,原告が主張するように,利用関係による意匠権の侵害が認められるとしても,前記認定に係る本件登録意匠の要部は,前記3認定の事実からすると,被告製品の意匠においては,外部から認識できないから,このような場合には,利用関係が存すると認めることはできず,したがって,利用関係による意匠権の侵害も認められない。
(2)この点,原告は,本件登録意匠との類否判断の対象となるべき製品は,被告製品の減速機部分であると主張するが,前記認定のとおり,減速機部分は,ねじでモーター部分と固定されており,減速機部分は減速機付きモーターの一構成部分にすぎないというべきであるから,被告製品の減速機部分のみを切り離して本件登録意匠との類否判断の対象とすることはできないというべきである(もっとも,利用関係の判断に当たっては,減速機部分のみを類否判断の対象にすることがあり得るが,利用関係も成立しないことは前述のとおりである。)。
 また,原告は,意匠法は意匠の持つ「形態価値」を保護するものであり,「形態価値」を保護するためには保護されるべき意匠が物品の流通過程で見えるかどうかは問題ではなく,モーターと減速機を結合させる「組み立て場面」と,減速機付きモーターとして「使用される場面」に注目しなければならないと主張するが,意匠法において意匠とは,物品の形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合であって,視覚を通じて美観を起こさせるものをいい(意匠法2条1項),また,意匠保護の根拠は,流通過程における混同防止にあると解されるから,意匠法の保護の対象となるのはあくまで物品の外観であって,外観に現れず,視覚を通じて認識することがない物品の隠れた形状は,意匠権侵害の判断に当たっては考慮することはできないというべきであり,この点は,利用関係の判断に当たっても変わらないというべきである。原告が主張するように,モーターと減速機を結合させる「組み立て場面」や,減速機付きモーターとして「使用される場面」に注目したとしても,減速機付きモーターにおいて登録意匠の要部が外観に現れなければ,意匠権侵害といえないことは,前述のとおりであって,これらに注目したところで結論が変わるものではない。

※コメント
 本件登録意匠に係る物品は、「減速機」という部品です。
 被告製品は、減速機を組み込んだ「減速機付きモーター」という完成品です。
 この東京地裁判決は、流通過程に置かれた物が対象製品であるとして、本件登録意匠と被告意匠とを対比して、部品と完成品とでは、意匠は非類似であると認定しました。
 すなわち、意匠法23条の類否判断においては、被告製品である「減速機付きモーター」から「減速機」のみを取り出して類否判断をすることはできないということです。流通過程に置かれた「減速機付きモーター」の全体が被告製品であると認定することになります。意匠法2条1項の意匠の定義から導き出される考え方です。
 原告は、「モーターと減速機を結合させる「組み立て場面」と,減速機付きモーターとして「使用される場面」に注目しなければならない」と主張しましたが、東京地裁判決は、「組み立て場合」も「使用される場合」は、いずれも流通過程に置かれた状態ではないので、侵害の成否にあたっては、考慮できないと認定しました。
 したがって、被告が本件登録意匠と同一又は類似する意匠に係る減速機を用いて減速機付きモーターを製造しているとしても、流通過程に置かれた物が減速機付きモーターであるときは、意匠法2条3項の「使用」する行為にも該当しないということです。
 この東京地裁判決では、「利用関係による意匠権の侵害」という表現を使用しています。
 これは、登録意匠と実施意匠とが同一又は類似していなければ、意匠法23条の侵害は成立しないところ、登録意匠と同一又は類似する意匠をそっくりそのまま利用しているときは、意匠法26条による侵害に該当する、という考え方です。

20/12/27 最高裁平成11年7月16日判決

2008-12-27 08:08:49 | Weblog
最高裁平成11年7月16日判決
被検物質のカリクレイン生成阻害能測定法

3 本件方法は本件発明の技術的範囲に属するのであるから、上告人が上告人医薬品の製造工程において本件方法を使用することは、本件特許権を侵害する行為に当たる。
 したがって、被上告人は、上告人に対し、特許法100条1項により、本件方法の使用の差止めを請求することができる。
 しかし、本件発明は物を生産する方法の発明ではないから、上告人が、上告人医薬品の製造工程において、本件方法を使用して品質規格の検定のための確認試験をしているとしても、その製造及びその後の販売を、本件特許権を侵害する行為に当たるということはできない。
 したがって、被上告人が、上告人に対し、上告人医薬品の製造等の差止めを求める前記(1)の請求はすべて認容することができないものである(なお、本件訴訟の経過に徴すれば、右(1)の請求を、本件方法の使用の差止めを求める趣旨を含むものと解することもできない。)。

※コメント
 本件特許発明は、測定法という方法の発明です。
 本件特許発明は、物を生産する方法の発明ではありません。
 そうすると、本件特許権の効力が及ぶのは、特許法2条3項2号の「使用」する行為のみとなります。
 すなわち、特許法2条3項1号の「その物の生産」等や、特許法2条3項3号の「その方法により生産した物の使用」等には、本件特許権の効力が及ばないこととなります。
 ところが、本件特許発明は、本件特許発明に係る測定法を使用すると、必ず医薬品が製造されるものという特徴があります。
 1審被告は、本件特許発明に係る測定法を使用していましたので、方法の使用の差止めは認容されています。
 しかし、医薬品の製造の差止めは、この最高裁判決で棄却されました。方法の使用が同時に医薬品の製造になったとしても、本件特許権の効力は、方法を使用する行為にのみ及び、方法を使用して医薬品を製造する行為には及ばないとしたものです。
 すなわち、発明の実施行為としては、方法の使用と医薬品の製造とは同一視することができないということです。
 なお、前記のとおり、本件特許発明に係る方法を使用すると必ず医薬品が製造されますが、この場合でも、本件特許権の効力は、医薬品を製造する行為には及ばないこととなります。


20/12/26 特許法施行令等の一部を改正する政令

2008-12-26 19:15:50 | Weblog
平成20年12月26日 特許庁HP

特許法施行令等の一部を改正する政令
(平成20年12月26日政令第404号)

1.政令の概要 
 平成20年4月16日に公布された「特許法等の一部を改正する法律」(平成20年法律第16号)により導入された通常実施権等の登録情報の一部を非開示とする制度及び仮通常実施権等の登録制度について、非開示とする情報等及び仮通常実施権に関する登録の手続等を定める。

(1)通常実施権等の登録情報の一部を非開示とする制度について[特許法施行令及び実用新案法施行令]
 通常実施権等に係る情報の一部を非開示とする制度について、非開示とする情報を通常実施権者及び仮通常実施権者の氏名(名称)並びに通常実施権及び仮通常実施権の範囲とし、例外として開示を認める場合を特許権者、専用実施権者及び通常実施権者等が通常実施権等の情報について証明等を請求する場合と定める(特許法施行令第18条及び第19条[新設])。また、特許権者等が通常実施権等の情報について証明等の請求をする場合における手数料を定める(特許法等関係手数料令第1条第1項の表、第2条第1項の表及び第5条第1項の表[改正])。
(2)仮専用実施権及び仮通常実施権の登録制度の創設について [特許登録令]
 改正法において新たに仮専用実施権及び仮通常実施権(以下「仮通常実施権等」という。)の登録制度が創設されたことに伴い、必要な手続等を定める。
 ① 仮通常実施権等の登録をする原簿として新たに「特許仮実施権原簿」を創設する(特許登録令第9条及び第10条[改正])。
 ② 仮通常実施権等の登録等の申請について、申請書に記載すべき事項を定める(特許登録令第28条[改正]、第45条の2及び第45条の3[新設])。
 ③ 仮通常実施権等の登録申請について、申請を却下する場合を定める(第38条[改正])。
 ④ 仮通常実施権等の登録制度の創設に伴う職権登録に関する事項について定める(特許登録令第16条[改正])。
 ⑤ その他、関連する事項について所要の改正を行う。 

(3)通常実施権等の対価に関する事項の申請書記載事項からの除外について[特許登録令、実用新案登録令、意匠登録令及び商標登録令]
 専用実施権及び通常実施権の登録事項のうち、対価に関する事項を登録しないこととするため、専用実施権及び通常実施権の登録に係る申請書記載事項のうち、対価に関する事項を削除する(第44条第1項及び第45条第1項[改正])。

2.今後の予定
 公布 平成20年12月26日(金)
 施行 平成21年4月1日(水)

20/12/26 特許法施行規則等の一部を改正する省令

2008-12-26 19:07:23 | Weblog
平成20年12月26日 特許庁HP

特許法施行規則等の一部を改正する省令
(平成20年12月26日経済産業省令第90号)

1.改正の概要
 日米欧の三極特許庁間で合意した、三極いずれの特許庁にも出願することができる共通の明細書等の様式(以下、「共通出願様式」という。)の導入に当たり、必要な様式を整備するため、特許法施行規則等について、所要の改正を行う。
 また、国際出願における追加手数料異議の申立ての審理について、国際段階における限られた期間の中で効率的に業務を行うため、特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律施行規則について、所要の改正を行う。

2.施行期日
 平成21年1月1日から施行する。

裁判例特別ゼミのお知らせ

2008-12-26 17:18:47 | Weblog
 飯田橋代々木塾では、下記の特別ゼミを開催します。

★裁判例特別ゼミ
 12月28日(日) 9:30~16:20
 (50分の講義を6時限)

 最近1年間(平成20年1月1日~12月)の最高裁・高裁・地裁の判決のうち、重要なものをリストアップして資料を作成し、資料に基づいて解説します。

 参加希望の方はお知らせください。

 通信も受け付けます。

 

20/12/26 意匠法23条と意匠法26条との関係

2008-12-26 07:13:17 | Weblog
 意匠法23条と意匠法26条との関係

 原告の登録意匠と、被告の実施意匠とが、同一又は類似であるときは、意匠法23条の専有する権利の侵害となります。
 この場合は、利用関係を論ずるまでもありません。

 しかし、原告の登録意匠と、被告の実施意匠が、同一又は類似でないときは、意匠法23条の専有する権利の侵害となりません。

 この場合でも、被告の実施意匠が、原告の登録意匠又は類似する意匠を利用するときは、意匠法26条の利用に該当し、意匠法26条を根拠とする侵害に該当します。
 すなわち、意匠法23条では侵害とならない場合であっても、意匠法26条に該当するときは、侵害に該当することとなります。

 例えば、原告の登録意匠が自転車用ハンドルの意匠である場合に、被告の実施意匠が自転車であるときは、自転車用ハンドルと自転車とは、用途及び機能が異なる非類似の物品となりますので、意匠法23条の侵害は成立しません。
 しかし、被告の自転車の意匠が原告の自転車用ハンドルの意匠又は類似する意匠を利用するものであるときは、意匠法26条の侵害が成立することになります。

20/12/25 特許法29条の2

2008-12-25 07:38:50 | Weblog
特許法第二十九条の二

 特許出願に係る発明が
  ※審査官がまさに審査をしている特許出願の特許請求の範囲に記載された発明を意味します。

 当該特許出願の日前の他の特許出願又は実用新案登録出願であつて
  ※当該特許出願とは、審査官が審査をしている特許出願を意味します。
   日前とは、同日は含まず、その日よりも前の日を意味します。
   他の特許出願又は実用新案登録出願とは、引用例となる先願を意味します。

 当該特許出願後に
  ※審査対象である特許出願の後という意味です。

 第六十六条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報(以下「特許掲載公報」という。)の発行
  ※他の特許出願について、出願公開される前に、特許権の設定の登録がされ、その後に特許掲載公報が発行されたことを意味します。

 若しくは出願公開
  ※他の特許出願については、通常は、出願公開が行われます。

 又は実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第十四条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報(以下「実用新案掲載公報」という。)の発行
  ※他の実用新案登録出願については、実用新案掲載公報が発行されることが条件となります。実用新案法では、出願公開制度はありません。

 がされたものの願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された発明又は考案
  ※出願公開等がされたときは、願書に最初に添付した明細書等に記載した発明又は考案と同一発明の後願は、拒絶されることになります。公報に掲載された発明等ではなくて、願書に最初に添付した明細書等に記載した発明等が後願を排除することができます。すなわち、公報に掲載されていなくても、願書に最初に添付した明細書等に記載されている発明等であれば、後願を排除することができます。
  ※先願が外国語書面出願の場合は、外国語書面に記載された発明が後願を排除することができます。

 (その発明又は考案をした者が当該特許出願に係る発明の発明者と同一の者である場合におけるその発明又は考案を除く。)
  ※後願の発明者が先願の発明者等と同一のときは、引用例から除外されます。

 と同一であるときは、
  ※後願に係る発明が、先願の出願当初の明細書等に記載された発明又は考案と同一であるときに、引用例となります。

 その発明については、前条第一項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。
  ※後願に係る発明が、産業上利用することができる発明であって、新規性であり、進歩性があるとしても、拒絶理由又は無効理由となることを意味します。

 ただし、当該特許出願の時にその出願人と当該他の特許出願又は実用新案登録出願の出願人とが同一の者であるときは、この限りでない。 
  ※後願の出願時に、後願の出願人と先願の出願人とが同一の場合にも、引用例から除外します。

20/12/24 代々木塾の講座案内

2008-12-24 15:29:40 | Weblog
弁理士専攻 代々木塾では、1月から下記の講座を開講します。
現在、申込を受付中です。
詳細は、代々木塾HPを参照してください。
「代々木塾」で検索するとヒットします。

論文式答練会 1月6日(火曜)スタート
 通学の会場と開催日は下記のとおりです。
 東京(火曜・土曜・日曜)
 横浜(火曜)
 名古屋(火曜・水曜・日曜)
 大阪(火曜・土曜・日曜)
 通信もあります。

論文過去問講座 1月5日(月曜)スタート
 通学は、東京のみです。
 通信もあります。

短答過去問講座 1月7日(水曜)スタート
 通学は、東京のみです。
 通信もあります。

短答演習講座 1月9日(金曜)スタート
 通学は、東京のみです。
 通信もあります。

20/12/24 商標法13条2項の解説

2008-12-24 08:51:48 | Weblog
★商標法13条2項
 特許法第33条第1項から第3項まで及び第34条第4項から第7項まで(特許を受ける権利)の規定は、商標登録出願により生じた権利に準用する。

※特許法33条1項~3項を準用しています。
 読み替えると、下記のとおりとなります。
1 商標登録出願により生じた権利は、移転することができる。
2 商標登録出願により生じた権利は、質権の目的とすることができない。
3 商標登録出願により生じた権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡することができない。

※特許法33条4項は準用していません。
 特許法33条4項は、「特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、仮専用実施権を設定し、又は他人に仮通常実施権を許諾することができない。」と規定しています。
 商標法においては、仮通常実施権及び仮専用実施権に関する制度を設けていないからです。

※特許法34条4項~7項を準用しています。
 読み替えると、下記のとおりとなります。
4 商標登録出願後における商標登録出願により生じた権利の承継は、相続その他の一般承継の場合を除き、特許庁長官に届け出なければ、その効力を生じない。
5 商標登録出願により生じた権利の相続その他の一般承継があつたときは、承継人は、遅滞なく、その旨を特許庁長官に届け出なければならない。
6 同一の者から承継した同一の商標登録出願により生じた権利の承継について同日に二以上の届出があつたときは、届出をした者の協議により定めた者以外の者の届出は、その効力を生じない。
7 特許法第39条第7項及び第8項の規定は、第2項、第3項及び前項の場合に準用する。

※特許法34条1項~3項は準用していません。
 特許法34条1項~3項は、下記のとおりです。
1 特許出願前における特許を受ける権利の承継は、その承継人が特許出願をしなければ、第三者に対抗することができない。
2 同一の者から承継した同一の特許を受ける権利について同日に二以上の特許出願があつたときは、特許出願人の協議により定めた者以外の者の承継は、第三者に対抗することができない。
3 同一の者から承継した同一の発明及び考案についての特許を受ける権利及び実用新案登録を受ける権利について同日に特許出願及び実用新案登録出願があつたときも、前項と同様とする。

※特許法34条1項~3項は、特許出願前における特許を受ける権利について規定しています。
 商標法では、商標登録出願前において「商標登録を受ける権利」は、発生しません。商標は創作物として保護されるものではないからです。すなわち、商標を採択したからといって、その時に商標登録を受ける権利は発生しません。
 商標法では、商標登録出願をして初めて商標登録出願により生じた権利が発生します。
 したがって、特許法34条1項~3項の規定を商標法において準用する余地がありません。