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2023年5月29日 弁理士試験 代々木塾 特許法184条の12

2023-05-29 06:22:36 | Weblog
2023年5月29日 弁理士試験 代々木塾 特許法184条の12

(補正の特例)第百八十四条の十二
1 日本語特許出願については第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、外国語特許出願については第百八十四条の四第一項又は第四項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後であつて国内処理基準時を経過した後でなければ、第十七条第一項本文の規定にかかわらず、手続の補正(第百八十四条の七第二項及び第百八十四条の八第二項に規定する補正を除く。)をすることができない。
2 外国語特許出願に係る明細書、特許請求の範囲又は図面について補正ができる範囲については、第十七条の二第二項中「第三十六条の二第二項の外国語書面出願」とあるのは「第百八十四条の四第一項の外国語特許出願」と、同条第三項中「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第八項の規定により明細書、特許請求の範囲及び図面とみなされた同条第二項に規定する外国語書面の翻訳文(誤訳訂正書を提出して明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をした場合にあつては、翻訳文又は当該補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)。第三十四条の二第一項及び第三十四条の三第一項において同じ。)」とあるのは「第百八十四条の四第一項の国際出願日(以下この項において「国際出願日」という。)における第百八十四条の三第二項の国際特許出願(以下この項において「国際特許出願」という。)の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の第百八十四条の四第一項の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の同項の翻訳文(同条第二項又は第六項の規定により千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第十九条(1)の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合にあつては、当該翻訳文)又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下この項において「翻訳文等」という。)(誤訳訂正書を提出して明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をした場合にあつては、翻訳文等又は当該補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)」とする。

〔解説〕

<規定の趣旨>
 国際出願日が認められた国際出願であって指定国に日本国を含むものは、国際出願日にされた特許出願とみなされる(184条の3第1項)。
 17条1項によれば、国際特許出願については、国際出願日から特許庁に係属することとなるので、国際出願日から補正をすることができることとなる。
 しかし、国際特許出願について日本国において有効に係属することが確定するのは、国内移行手続をした後である。日本語特許出願については、所定の手続を所定の期間内にしないときは、特許庁長官による補正命令の対象となり、補正命令に応じないときは、日本語特許出願を却下することができる。外国語特許出願については、所定の期間内に所定の翻訳文を提出しないときは、外国語特許出願は取り下げられたものとみなされる。
 そこで、国際特許出願について国内段階の補正をすることができるのは、所定の国内移行手続をとった後でなければならないこととした。

・184条の12第1項(補正の時期的制限)
 日本語特許出願について手続の補正をすることができるのは、国内書面を提出し、国内手数料を納付した後である。
 外国語特許出願について手続の補正をすることができるのは、所定の翻訳文を提出し、国内書面を提出し、国内手数料を納付し、かつ、国内処理基準時を経過した後である。

 外国語特許出願について国内処理基準時の経過を要件としているのは、かつて、翻訳文の出し直しができた時代があり、国内処理基準時までは翻訳文の内容が確定しなかったので、国内処理基準時の経過を要件としていたものである。
 現在(2022年9月)は、翻訳文の出し直しができないので、国内処理基準時の経過を要件とする実質的な根拠は、ないと考えられる。しかし、文理上、国内処理基準時の経過は、外国語特許出願については補正をすることができるための要件となる。

 184条の7第2項の補正(PCT19条補正)、184条の8第2項の補正(PCT34条補正)は、国内移行手続とは関係なく、国際段階の手続として認められるものであるので、184条の12第1項の適用の対象から除外することとしている。

・184条の12第2項(外国語特許出願に係る明細書等の補正ができる範囲)

<17条の2第2項>
 外国語特許出願については、外国語書面出願と同様に、誤訳訂正書による補正をすることができる。

<17条の2第3項>
 外国語特許出願について手続補正書により明細書等について補正をするときは、外国語書面出願の場合と同様に、所定の翻訳文に記載した事項の範囲内で補正をすることができることとした。
 17条の2第3項の読み替えにおいて「第34条の2第1項及び第34条の3第1項において同じ。」の部分が除かれているので、外国語特許出願について仮専用実施権又は仮通常実施権を設定することができる範囲が不明確となっている。
 しかし、外国語特許出願については外国語書面出願と同様に扱うという趣旨に基づけば、仮専用実施権又は仮通常実施権を設定することができる範囲は、外国語書面出願の場合と同様に、所定の翻訳文に記載した事項の範囲内であると解釈することができる。
 外国語特許出願についてPCT19条補正後の請求の範囲の翻訳文を提出したときは、国際出願日における請求の範囲の翻訳文は、補正をすることができる基準から除かれる。



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