堤卓の弁理士試験情報

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特許法108条(18.4.29)

2006-04-29 09:11:53 | Weblog
(特許料の納付期限)
第108条

第1項
 本項は、特許権の設定のための特許料の納付期間を規定しています。
 第1年から第3年までの各年分の特許料は、特許をすべき旨の査定又は審決の謄本の送達があった日から30日以内に一時に納付しなければなりません。
 特許をすべき旨の査定とは、特許出願の審査において審査官が特許査定をした場合を意味します。
 特許をすべき旨の審決とは、出願人が拒絶査定不服審判を請求して争ったところ、当該審判の審判官が特許審決をした場合を意味します。
 30日の納付期間は、3項により延長の対象となります。
 出願人が遠隔又は交通不便の地にある場合には、4条により延長の対象となります。
 一時に納付しなければなりません。数回に分けて分割して納付することはできません。

第2項
 本項は、第4年以後の各年分の特許料の納付期限と、延長期間の特許料の納付期限を規定しています。

・本文
 第4年以後の各年分の特許料は、前年以前に納付しなければなりません。
 前年以前とは、当該年に突入する前にという意味です。
 第4年分は、第3年の末日までに納付することが必要となります。
 なお、特許料の納付年は、特許権の設定の登録の日を基準として計算します。特許権の存続期間は特許出願の日を基準として計算するのと異なります。
 特許権の設定の登録の日が平成15年4月29日であったとすれば、第4年分は、平成18年4月29日までに納付しなければならないことになります。ただし、平成18年4月29日は土曜日で祝日ですので、実際の納付期限は、月曜日の平成18年5月1日となります。

・ただし書
 特許権の存続期間の延長登録査定又は審決の謄本の送達があった場合は、次のとおりとなります。
 特許出願の日が平成15年4月4日、特許権の設定の登録の日が平成19年8月8日であるとして説明します。
 謄本送達日がその延長登録がないとした場合における特許権の存続期間の満了の日(平成35年4月4日)の属する年の末日(平成35年8月8日)から起算して前30日目に当たる日(平成35年7月10日)以後であるときは、その年(存続期間の満了の日が属する年)の次の年から謄本送達日の属する年(特許料の納付年)までの各年分の特許料は、謄本送達日から30日以内に一時に納付しなければなりません。
 また、謄本送達日から謄本送達日の属する年の末日までの日数が30日に満たないときは、謄本送達日の属する年の次の年までの各年分の特許料は、謄本送達日から30日以内に一時に納付しなければなりません。
 要するに、謄本送達日が延長期間に入っているときは、謄本送達日が属する年までの各年分の特許料を謄本送達日から30日以内に一時に納付することが必要となります。そして、次年分の納付期間が30日未満であるときは、次年分も納付することが必要となります。

第3項
 本項は、特許権の設定の登録のための特許料の納付期間の30日については、30日以内に限って、延長の対象となる旨を規定しています。
 本項の延長は、その理由は問わず、請求があれば認められるものです。

特許法46条の2(18.4.29)

2006-04-29 08:06:46 | Weblog
(実用新案登録に基づく特許出願)
第46条の2
 本条は、実用新案権の設定の登録後において、所定の期間内に限り、実用新案登録を基礎として特許出願をすることができ、新規事項が追加されない限り、出願時が基礎とした実用新案登録に係る実用新案登録出願の時に遡及する旨を規定しています。当初は実用新案権の取得を希望していたところ、その後、信頼性の高い特許権の取得を希望する場合や、存続期間の長い特許権の取得を希望する場合のあることを考慮して、平成16年の一部改正において新設された制度である。

★1項
 本項は、出願人の要件、時期的要件、手続的要件を規定しています。

・出願人
 特許出願の出願人は、基礎とした実用新案登録に係る実用新案権者と一致していることが必要とされます。本項柱書には、「実用新案権者は」、「自己の実用新案登録に基づいて特許出願をすることができる。」とあるからです。
 出願人同一の要件は、特許出願の時において判断されると解されます。特許出願の時に出願人が不一致の場合には、分割や変更の場合と同様に、不適法な特許出願であってその補正をすることができないものであるとして特許出願が却下されるものと解されます(18条の2)。

・経済産業省令で定めるところにより
 経済産業省令とは、施行規則27条の8を意味します。この規則には、実用新案権者は、実用新案登録に基づく特許出願をする際に、その実用新案権の放棄による登録の抹消を申請しなければならない旨が規定されています。この申請は、特許出願と同時にしなければならないことになります。

・実用新案権の放棄
 1項柱書第2文には、実用新案権を放棄しなければならない旨が規定されています。具体的には、前記規則に規定されています。
 実用新案権の放棄をしない場合には、特許出願が却下されます(18条の2、方式審査便覧15.20)。
 実用新案権が消滅した後に特許出願をした場合にも、特許出願は却下されます(18条の2、方式審査便覧15.20)。

・特許出願をすることができる時期
 実用新案権が存続していること、1号~4号のいずれにも該当しないことが必要となります。

・1号
 その実用新案登録に係る実用新案登録出願の日から3年を経過したときは、特許出願をすることができません。最長でも実用新案登録出願の日から3年が限度です。

・2号
 本人が実用新案技術評価の請求をしたときは、特許出願をすることができません。評価書の作成と特許出願の審査をすることは同一の技術について二重の審査をすることになりますので、これを防止するためです。

・3号
 他人が実用新案技術評価の請求をした場合には実用新案法13条2項の規定によりその旨が本人に通知されますが、その最初の通知を受けた日から30日を経過したときは、特許出願をすることができません。
 他人による実用新案技術評価の請求は複数回行われることがありますが、そのうち最初の通知を受けた日から30日に期間が限定されています。

・4号
 実用新案登録無効審判が請求されたときは実用新案権者には答弁書の提出の機会が付与されますが(実39条1項)、その最初に指定された答弁書提出期間を経過したときは、特許出願をすることができません。
 同一の実用新案権について無効審判の請求が複数回行われることがありますが、そのうち最初の答弁書提出期間を経過していないことが必要とされます。

★2項
 本項は、出願時が遡及するための要件と、遡及しない場合について規定しています。

・出願時の遡及要件
 特許出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が当該特許出願の基礎とされた実用新案登録の願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内にある場合に限り、当該特許出願はその実用新案登録に係る実用新案登録出願の時にしたものとみなされます。
 この要件は、請求の範囲の減縮を目的とする訂正を行う場合の基準と同じ考え方です。つまり、すでに実用新案権が発生していますので、特許出願ができるとしても、実用新案権の設定の登録時の明細書等に記載した事項を超えてはならないことを明記したものです。したがって、出願当初の明細書等に記載した発明であっても、実用新案権之設定の登録時の明細書等に含まれないこととなった発明については、特許出願をすることができないこととなります。
 特許出願の明細書等に記載した事項が実用新案権の設定の登録時の明細書等に記載した事項の範囲内であるかどうかは、特許出願の査定時において判断します。したがって、特許出願の出願当初の明細書等には新規事項が追加されていたとしても、特許出願の査定時までに当該新規事項を削除する補正をすれば、出願時遡及の要件は満たすこととなります。
 なお、分割や変更と同様に、基礎とした実用新案登録出願の出願当初の明細書等に記載した事項を超えてはならないことは、出願時が遡及するという制度趣旨から導き出される要件です。したがって、実用新案登録出願後の補正により新たに追加した発明がある場合に、この発明が実用新案権の設定の登録時の明細書等に記載されているからといって特許出願をすることはできません。かりにこの発明について特許出願をした場合には、特許出願の出願時は遡及しないこととなります。

・ただし書の例外
 本項のただし書は、出願時が遡及しない場合を明記しています。
・特許法29条の2又は実用新案法3条の2に規定する他の特許出願に該当する場合には、出願日は遡及しません。本条の特許出願をする際に、出願当初に新規事項を追加する場合を否定することはできず、そのような場合にも出願当初に記載された範囲内で後願排除効を認めるのは先願主義に反するからです。
 なお、基礎とした実用新案登録出願については実用新案掲載公報が発行されていますので、当該実用新案登録出願が他の出願として引用例となります。
・特許法30条4項の適用においては、出願と同時に提出する書面と出願日から30日以内に提出する証明書面の提出時期については、出願時が遡及しません。
 なお、この規定は、基礎とした実用新案登録出願において準用する特許法30条4項の手続をしている場合に適用されるものです。
・特許法36条の2第2項の適用においては、外国語書面の翻訳文の提出期間の2月については出願日が遡及しません。本条の特許出願を外国語書面出願でした場合を規定しています。
・特許法41条4項の適用においては、出願と同時に提出する書面の提出時期については出願時が遡及しません。基礎とした実用新案登録出願において国内優先権の主張をしている場合にこれを引き継ぐことができるようにしたものです。
・特許法43条1項(特許法43条の2第3項で準用する場合を含む)の適用においては、出願と同時に提出する書面の提出時期については出願時が遡及しません。基礎とした実用新案登録出願においてパリ条約の優先権又はパリ条約の例による優先権の主張を伴っている場合にこれを引き継ぐことができるようにしたものです。
 なお、特許法43条2項については、本条5項において準用する特許法44条3項及び4項が適用されます。
・特許法48条の3第2項の適用においては、出願審査の請求の期間である特許出願の日から30日の期間については出願日は遡及しません。

★3項
 本項は、1項3号の「30日」については、実用新案権者の不責事由による追完を認める旨を規定しています。
 実用新案権者の不責事由により「30日」以内に特許出願をすることができなかったときは、その理由がなくなった日から14日(在外者にあっては、2月)以内でその期間の経過後6月以内にその特許出願をすることができます。
 6月の計算は、「30日」の期間の経過後6月以内となります。
 なお、実用新案権者が遠隔又は交通不便の地にある場合には、「30日」の期間は、特許法4条により延長の対象となります。

★4項
 本項は、1項の特許出願をする場合には、一定の者の承諾を要する旨を規定しています。この承諾は、実用新案権の放棄の承諾とは別の承諾であって、特許出願をすることについての承諾です。
 承諾を要する者は次のとおりです。
・専用実施権者
・質権者
・職務考案についての通常実施権者
・専用実施権についての許諾通常実施権者
・実用新案権についての許諾通常実施権者
 先使用権者等のように実用新案権者とまったく無関係の者の承諾は必要とされません。

★5項
 本項は、特許法44条3項及び4項を準用する旨を規定しています。
 特許法44条3項により、特許法43条2項の優先権証明書の提出時期は「最先の日から1年4月又は新たな特許出願の日から3月のいずれか遅い日まで」と読み替えて適用されることになります。
 特許法44条4項により、30条4項、41条4項、43条1項及び2項(43条の2第3項で準用する場合を含む)の規定により提出しなければならない書面については、基礎とした実用新案登録出願において提出している場合には、本条1項の特許出願と同時に提出されたものとみなされることになります。その結果、願書には書面の援用の旨を記載する必要がないことになります。

PCT第44規則の2 国際調査機関による特許性に関する国際予備報告(18.4.28)

2006-04-28 19:12:29 | Weblog
PCT第44規則の2 国際調査機関による特許性に関する国際予備報告

・44の2.1 報告の作成、出願人への送付
⒜ 国際予備審査報告が作成された場合又は作成される予定の場合を除き(※国際予備審査報告が作成されているかこれから作成される場合には、この規則に規定する「国際予備報告」は作成する意味がありません。国際予備審査報告を作成することで足りるからです。)、国際事務局は、国際調査機関に代わって、43の2.1⒜に規定する事項(※国際調査機関が作成した書面による見解に示された事項を意味します。)についての報告(第44規則の2において「報告」という。)を作成します。
 報告は、43の2.1の規定に基づき作成された書面による見解(※国際調査機関が作成した書面による見解を意味します。)と同一の内容とします。
 要するに、国際調査機関が作成した書面による見解の内容は変更せずに、書式のみを変更して、国際事務局が報告書を作成します。

⒝ 報告には「特許性に関する国際予備報告(特許協力条約第1章)」という表題及び第44規則の2の規定(※国際予備報告を作成するというこの規則を意味します。)に基づき国際調査機関に代わって国際事務局により作成された旨の表示を付します。
 国際調査機関が作成したものは、「書面による見解」ですが、国際事務局が作成したものは、「国際予備報告(特許協力条約第1章)」という表題がついたものになります。

⒞ 国際事務局は、⒜に基づいて作成する報告を1通、速やかに出願人に送付します。
 出願人は、すでに国際調査機関から書面による見解の送付を受けていますので(44.1)、同一内容の国際予備報告の送付を国際事務局から受ける必要はないように思いますが、国際事務局が作成した国際予備報告が正式なものとなりますので、国際事務局が出願人に送付することにしています。

・44の2.2 指定官庁への送達
⒜ 国際事務局は、44の2.1の規定に基づき報告(※国際事務局が作成した国際予備報告を意味します。)が作成された場合には、93の2.1の規定(※国際事務局から指定官庁又は選択官庁に対して行う送達、通知又は送付は、関係する官庁による請求によってのみ、かつ、官庁が特定する時に行われることが規定されています。)に従い報告を各指定官庁に送達します。
 国際事務局が作成した国際予備報告は、指定官庁が請求した場合に限り、当該指定官庁に送達することになります。指定官庁によっては、実体審査をしないで特許する場合がありますので、そのような指定官庁においては国際予備報告は不要となる場合があります。
 国際事務局が国際予備報告を指定官庁に送達する時期は、優先日から30月を経過した後になります。出願人の国内移行手続期間が優先日から30月であって(22条)、この期間内は指定官庁は国際出願の処理及び審査をすることができませんので(23条⑴)、これに合わせています。

⒝ 国際事務局は、出願人が第23条⑵の規定に基づき指定官庁に明示の請求を行った場合には(※この場合は、指定官庁は、国際出願の処理及び審査を開始することができます。)、当該指定官庁又は出願人の請求により(※出願人の請求により国際出願の処理及び審査が早期に開始されることになりますので、当該指定官庁又は出願人は、国際出願の処理及び審査のために国際調査機関が作成した書面による見解を早く送付するように請求することができます。)、速やかに、43の2.1の規定に基づき国際調査機関が作成した書面による見解の写しを当該指定官庁に送達します。
 出願人の明示の請求が早く行われた場合には、国際事務局が国際予備報告を作成していない場合もありますので、国際調査機関が作成した書面による見解の写しを送達することにしています。

・44の2.3 指定官庁のための翻訳
⒜ 指定国は、自国の国内官庁の公用語以外の言語によって、44の2.1の規定に基づく報告(※国際事務局が作成する国際予備報告のことです。)が作成された場合には、英語による報告の翻訳文を要求することができます。
 国際事務局が作成する国際予備報告は、国際調査機関が作成した書面による見解と同一の内容のものですので、言語も同一であることになります。そうすると、指定国によっては自国の公用語以外の言語で国際予備報告が作成される場合があります。その場合には、英語による国際予備報告の翻訳文を要求することができます。
 この要求は、国際事務局に通知するものとし、国際事務局は、その要求を速やかに公報に掲載します。

⒝ ⒜の規定により翻訳文が要求された場合には、当該翻訳文は、国際事務局の責任において作成します。
 英語による国際予備報告の翻訳文は、国際事務局が作成することになります。もっとも、「国際事務局の責任において」とありますので、他の者に翻訳を依頼することはできます。

⒞ 国際事務局は、翻訳文の写しを、関係指定官庁及び出願人に指定官庁に報告を送達するのと同時に送付します。
 国際事務局の責任において作成した国際予備報告の英語による翻訳文の写しは、国際事務局により、国際予備報告の送達と同時に、翻訳文を要求した指定官庁に送付されます。この場合、翻訳文の写しは、出願人にも同時に送付されます。

⒟ 44の2.2⒝に規定する場合(※出願人が明示の請求を行った場合には速やかに書面による見解を指定官庁に送達します。)には、43の2.1の規定に基づき作成された書面による見解(※国際調査機関が作成した書面による見解のことです。)は、当該指定官庁の請求により(※指定官庁は早期に審査を開始するために書面による見解の早期入手を希望する場合があります。)、国際事務局により又はその責任において英語に翻訳されます。
 出願人が23条⑵の規定に基づいて国際出願の処理及び審査について明示の請求をした場合には、国際事務局によって国際予備報告が作成されていない場合があります。この場合は、国際調査機関が作成した書面による見解の写しを指定官庁に送達しますが(44の2.2⒝)、指定官庁が書面による見解の英語の翻訳文を請求した場合には、国際事務局が英語の翻訳文を作成することになります。
 国際事務局は、翻訳の請求を受理した日から2月以内に、翻訳文の写しを当該指定官庁に送達し、同時に出願人に送付します。
 英語の翻訳文の送付期間は、指定官庁が英語による翻訳文の請求を受理した日から2月以内とされています。英語による翻訳文の写しは、出願人にも同時に送付されます。

・44の2.4 翻訳に関する意見
 出願人は、44の2.3⒝(※国際事務局が作成した国際予備報告の英語による翻訳文を意味します。)又は⒟(※国際調査機関が作成した書面による見解の英語による翻訳文を意味します。)に規定する翻訳文の正確性に関して書面による意見を作成することができ、その意見の写しを各関係指定官庁及び国際事務局に各一通送付します。
 国際事務局が作成する英語による翻訳文にもミスがないわけではありませんので、出願人は書面により意見を述べることができます。この意見の写しは、出願人が、関係指定官庁と国際事務局に送付することになります。

PCT第44規則 国際調査報告、書面による見解の送付等(18.4.28)

2006-04-28 18:10:31 | Weblog
PCT第44規則 国際調査報告、書面による見解の送付等

・44.1 報告又は宣言及び書面による見解の写し
 国際調査機関は、国際調査報告又は第17条⑵⒜の宣言、及び43の2.1の規定に基づき作成された書面による見解を国際事務局及び出願人に各一通同一の日に送付します。
 国際調査報告が作成された場合には、国際調査報告と書面による見解が、国際調査機関から国際事務局と出願人に送付されます。同一の日に送付することになっています。国際調査機関による送付漏れを防止するためです。
 国際調査報告を作成しない場合には、第17条⑵⒜の宣言と書面による見解が、国際調査機関から国際事務局と出願人に送付されます。この場合の書面による見解は、70.2⒟の規定により、国際予備審査の対象とならない旨が表示されることになります。

・44.2 発明の名称及び要約
 国際調査報告には、国際調査機関が出願人の提出した発明の名称若しくは要約を承認する旨を表示し(出願人が作成した「発明の名称」と「要約」に不備がない場合です。)又は第37規則若しくは第38規則の規定に従って国際調査機関が作成した(出願人が作成したものに不備がある場合です。)発明の名称若しくは要約の本文を添付します。

・44.3 列記された文献の写し
⒜ 20条⑶の請求は、当該国際調査報告に係る国際出願の国際出願日から7年の期間いつでも行うことができる。
 条約20条⑶の請求とは、指定官庁又は出願人が、国際調査機関に対して、国際調査報告に列記された文献の写しの送付を請求することを意味します。
 7年の計算は、優先日ではなくて、国際出願日を基準とします。

⒝ 国際調査機関は、⒜の請求を行った当事者(出願人又は指定官庁)に対し、写しの作成及び郵便に係る費用を支払うことを要求することができます。
 写しの作成に係る費用は、当該国際調査機関と国際事務局との間に締結される16条⑶⒝に規定する取決めで定めます。

⒞ 現在は削除されています。

⒟ 国際調査機関は、自己に対して責任を負う他の機関を通じて⒜及び⒝に定める任務を遂行することができます。
 日本の特許庁が国際調査機関になる場合には、特例法36条に規定する登録調査機関にこの任務を遂行させることができます。

PCT第43規則の2 国際調査機関の書面による見解(18.4.28)

2006-04-28 17:52:09 | Weblog
PCT第43規則の2 国際調査機関の書面による見解

43の2.1 書面による見解

⒜ 国際調査機関は、国際調査報告又は第17条⑵⒜の宣言の作成と同時に、次の事由について、書面による見解を作成します。
 つまり、国際調査機関は、原則として、国際調査報告の作成と同時に書面による見解を作成することになります。
 ただし、 69.1(bの2)の規定に従うことを条件としてとありますので、国際予備審査が請求されている場合において、国際調査と国際予備審査を同時に開始する場合あって、条約第34条⑵⒞()~()のすべての条件が満たされていると認めるときには、国際調査機関として書面による見解を作成しなくてもよいとされています。
 書面による見解の対象となる事由は、次のとおりです。
() 請求の範囲に記載されている発明が新規性を有するもの、進歩性を有するもの(自明のものではないもの)及び産業上の利用可能性を有するものと認められるかどうか。
 すなわち、国際調査機関は、国際予備審査におけると同様に新規性等の判断をすることになります。
() 国際出願が、当該国際調査機関の点検した範囲内で条約及びこの規則に定める要件を満たしているかどうか。
 点検した範囲内でとありますので、これは義務的ではありません。受理官庁が看過していることに気がついた場合には、という意味になります。

⒝ 書面による見解の作成に当たっては、国際予備審査に関する条約及び規則を準用しています。準用している規定は次のとおりです。
・第33条⑵から⑹→国際予備審査における新規性等の判断基準
・第35条⑵及び⑶→書面による見解の性格
・43.4→書面による見解の言語
・第64規則→国際予備審査における先行技術
・第65規則→進歩性の判断基準
・66.1⒠→国際調査報告が作成されない発明の取り扱い
・66.7→優先権主張の先の出願の写し及び翻訳文
・第67規則→国際予備審査の対象から除外できる対象
・70.2⒝及び⒟→報告の基礎
・70.3→表示
・70.4()→日付
・70.5⒜→分類
・70.6から70.10→条約35条⑵の記述等
・70.12→欠陥等の表示
・70.14→権限のある職員
・70.15⒜→様式

⒞ 書面による見解には、国際予備審査の請求が行われた場合には、当該見解は、66.1の2⒝の規定(国際調査機関と国際予備審査機関が異なる場合には、国際予備審査機関は国際調査機関が作成した書面による見解を国際予備審査機関にけおる書面による見解とみなさなくてもよいとされています。)に従うことを条件として、66.1の2⒜の規定により(⒝の例外が適用されない場合には、国際調査機関が作成した書面による見解は国際予備審査機関における書面による見解とみなされます。)、66.2⒜の規定(国際予備審査機関における書面による見解の通知)の適用上国際予備審査機関の書面による見解とみなされる旨、並びにこの場合には、54の2.1⒜に規定する期間(国際予備審査の請求をするための期間で、出願人への国際調査報告等の送付の日から3月又は優先日から22月のいずれか遅く満了する期間)の満了前に当該機関に対し答弁書及び、適当な場合には、補正書を提出することを出願人に求める旨の通知を含めることとしています。

特許法16条の解説(18.4.28)

2006-04-28 08:54:04 | Weblog
特許法16条の解説

(手続をする能力がない場合の追認)
第16条

 本条は、特許法7条違反の手続をした場合の救済として追認について規定しています。

第1項
〔未成年者がした手続の追認〕
 手続能力がない未成年者がした手続は、法定代理人が追認することができます。もっとも、追認する時に、未成年者が手続能力を取得しているときは、未成年者のみが追認することができます。
 つまり、追認する時に、未成年者が手続能力を相変わらず取得していないときは法定代理人が追認することができ、未成年者が手続能力を取得しているときは、未成年者が追認することができることになります。
 なお、未成年者が成年に達したときは、法定代理権も消滅し、未成年者のみが追認することができます。

〔成年被後見人がした手続の追認〕
 成年被後見人がした手続は、法定代理人が追認することができます。
 追認する時に後見開始の審判が取り消されている場合には(民法10条)、本人が手続能力を取得していることになりますので、本人が追認することができます。

〔追認の効果〕
 民事訴訟法34条2項と同様に、追認したときは、瑕疵ある手続がされた時に遡及して有効として扱われることになります。将来効ではなくて遡及効です。
 追認は、自発的にすることもできますし、補正命令を受けた場合には指定期間内に追認することもできます。 
 追認は、過去の手続を一体としてしなければなりません。一部の行為のみを追認して他の行為は追認しないという選択はすることができません。

第2項
 代理権がない者(無権代理人)がした手続は、手続をする能力がある本人又は法定代理人が追認することができます。
 手続能力がない未成年者には法定代理人がいますが、法定代理人は、自己の名において復代理人を選任し、又は未成年者の名において任意代理人を選任することができます(方式審査便覧02.20)。この場合は、復代理人または任意代理人が未成年者に代わって手続の代理をすることになります。ところが、復代理人または任意代理人であると称して手続をした者が実は代理権の委任を受けていなかったとすると、無権代理人が手続をしたことになります。この場合は、本項の規定により、法定代理人が追認することができます。
 なお、未成年者が法定代理人の同意を得て任意代理人を選任してその代理人が手続をするということはできません(方式便覧02.20)。

第3項
 被保佐人が保佐人の同意を得ないでした手続は、被保佐人が保佐人の同意を得て追認することができます。
 保佐人は、同意権はありますが、代理権は有しません。したがって、追認するのはあくまでも被保佐人となります。

第4項
 後見監督人がある場合において法定代理人がその同意を得ないでした手続は、後見監督人の同意を得た法定代理人又は手続をする能力を取得した本人が追認することができます。
 後見監督人は、同意権はありますが、代理権を有しませんので、追認できるのは、法定代理人であるか手続能力を取得した本人となります。

特許法7条の解説(18.4.28)

2006-04-28 07:41:40 | Weblog
 特許法7条の解説

(未成年者、成年被後見人等の手続をする能力)
第7条

 本条は、民事訴訟法31条及び32条と同様に、未成年者等の手続能力を制限する旨を規定しています。

第1項
〔未成年者〕
 未成年者が手続(例えば特許出願)をするときは、原則として(ただし書に例外あり)、法定代理人によりすることが必要となります。つまり、法定代理人によらずに、未成年者が自ら手続をすることはできないことを意味します。
 ただし、未成年者であっても、独立して法律行為をすることができるときは、法定代理人によらず、自ら手続をすることができます。
 例えば未成年者が婚姻をしたときは、成年に達したものとみなされますので(民法753条)、法定代理人によらずに自ら手続をすることができます。その後、離婚したとしても成年とみなす効果は排除されることはありません。
 また、法定代理人から営業を許可された未成年者は、その営業に関して、成年者と同一の行為能力が認められています(民法6条)。この場合は、許可した営業の範囲において法定代理権が消滅し、法定代理人は代理することはできません。

〔成年被後見人〕
 成年被後見人が手続(例えば特許出願)をするときは、法定代理人によりすることが必要となります。
 成年被後見人とは、後見開始の審判を受けた者をいいます(民法8条)。後見開始の審判の要件として、その者が、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者であることが必要です。およそ7歳未満の未成年者の能力と同程度の能力しかない者を意味します。家庭裁判所は、職権で、成年後見人を選任します(民法843条1項)。

〔違反の効果〕
 本項の規定に違反して未成年者や成年被後見人が自ら手続をした場合には、補正命令の対象となります(17条3項1号、133条2項1号)。審判以外の手続については特許庁長官の権限で補正命令をします(17条3項1号)。審判の手続については審判長の権限で補正命令をします。補正命令に従わないときは、当該手続は却下されることになります(18条1項、133条3項)。
 なお、本項違反の手続は、補正命令の対象とならなかったとしても、無効となります。ただし、特許法16条の規定により追認された場合には、手続の当初に遡及して有効となります。

第2項
 被保佐人が手続(例えば特許出願)をするときは、保佐人の同意を得ることが必要となります。つまり、被保佐人は自ら手続をすることはできますが、その際、保佐人の同意が必要であるということです。未成年者や成年被後見人は自ら手続をすることができませんが、被保佐人は自ら手続をすることはできます。
 被保佐人とは、保佐開始の審判を受けた者をいいます(民法12条)。保佐開始の審判の要件として、その者が、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者であることが必要です。
 本項違反の効果は、1項違反の場合と同様です。

第3項
 法定代理人が手続をする場合において、後見監督人があるときは、その同意を得なければなりません。
 後見監督人は、後見人の事務を監督すること、後見人と被後見人との利益が相反する行為について被後見人を代表すること等がその職務となっています(民法851条)。つまり、法定代理人が未成年者や成年被後見人の利益を害する行為をしないように監督するのが職務となります。
 未成年後見監督人は、遺言で指定される場合(民法848条)、家庭裁判所が選任する場合(民法849条)。
 成年後見監督人は、成年被後見人等の請求又は職権により、家庭裁判所が、選任することができます(民法849条の2)。
 本項違反の効果は、1項違反の場合と同様です。

第4項
 被保佐人又は法定代理人が、相手方が請求した審判又は再審について手続をするときは、2項及び3項の規定は、適用しないこととしています。
 2項により、被保佐人は保佐人の同意を得て手続をしなければなりませんが、被保佐人が特許権者であって第三者から特許無効審判の請求を受けたような場合には、本項により、被保佐人は保佐人の同意を得ないで答弁書を提出することができます。無効審判請求人からすると、保佐人の同意がないから答弁書の提出ができないとなると、審判の審理が進行せず、請求人の利益が害されることになるからです。
 3項は、法定代理人が手続をする場合には、後見監督人があるときは、その同意を得ることが必要となりますが、未成年者又は成年被後見人が特許権者であって第三者から特許無効審判の請求を受けたような場合には、本項により、法定代理人は後見監督人の同意を得ないで答弁書を提出することができます。
 本項は、被保佐人や法定代理人が他人の特許権について審判を請求する場合には適用されません。この場合は、2項及び3項がそのまま適用されることになります。
 本項は、2項及び3項の例外であって、1項の例外ではありません。未成年者や成年被後見人が相手方が請求した審判について自ら手続をすることができるわけではありません。

TRIPS協定59条・60条(18.4.27)

2006-04-27 15:29:52 | Weblog
 第59条 救済措置

 本条は、権限のある当局は、侵害物品の廃棄又は処分を命ずる権限のある旨を規定しています。

 本条第2文は、不正商標商品については、単なる積戻しを認めることはできない旨が規定されています。積戻しを認めることは、侵害商品の他国への再流入となるからです。


 第60条 少量の輸入

 本条は、旅行者の手荷物に含まれるか又は小型貨物で送られる少量の非商業的な性質の物品については、上述の規定の適用から除外することができる旨が規定されています。

 本条の適用を受けるためには、物品が少量であること、物品が非商業的な性質であることが必要とされます。

TRIPS協定57条・58条(18.4.27)

2006-04-27 15:27:49 | Weblog
 第57条 点検及び情報に関する権利

 本条は、権利者の保護のために、税関に留置された物品を権利者が点検するための十分な機会を確保する義務を規定しています。

 「秘密の情報の保護を害することなく」とありますので、例えば営業秘密が含まれている場合には、この規定は適用されないことになります。

 まず、権利者が、点検するために十分な機会を得ることができます。

 次に、本条第2文により、輸入者にも、点検するために十分な機会を与えることを義務づけています。

 本条第3文は、本案について肯定的な決定が行われた場合には、当該物品の荷送人、輸入者及び荷受人の名称及び住所と当該物品の数量を権利者に通報することができる旨を規定しています。


 第58条 職権による行為

 本条は、職権で通関停止を行う場合の手続について規定しています。

 職権で通関停止を行う場合には、⒜権限のある当局は情報の提供を権利者に求めることができるます。
 ⒝輸入者及び権利者は、速やかにその停止の通知を受けることができます。輸入者が権限のある当局に対し当該停止に関して異議を申し立てた場合には、当該停止については、第55条に定める条件を準用します。
 ⒞加盟国は、措置が誠実にとられ又はとることが意図された場合に限り、公の機関及び公務員の双方の適当な救済措置に対する責任を免除します。

TRIPS協定56条(18.4.27)

2006-04-27 15:25:30 | Weblog
 第56条 物品の輸入者及び所有者に対する賠償

 本条は、物品の不法な留置又は55条の規定に基づいて解放された物品の留置によって生じた損害の賠償を求めることができる旨を規定しています。

 損害賠償の請求をすることができる者は、留置された物品の輸入者、荷受人、所有者です。

 損害賠償の請求がされる者は、物品の解放の停止を申し立てた申立人です。
 申立人の過失については何も言及していませんので、各国の国内法に従うことになります。わが国では、民法709条に過失責任主義が規定されているので、申立人に過失がなかった場合には、損害賠償責任は生じないこととなります。

 関係当局とは、わが国では裁判所になります。