堤卓の弁理士試験情報

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2024年3月14日 弁理士試験 代々木塾 特許無効審判

2024-03-14 22:05:51 | Weblog
2024年3月14日 弁理士試験 代々木塾 特許無効審判


問題


 次の記載は、適切であるといえるか。


 特許法第38条(共同出願)の規定に違反した出願に係る特許権について、特許法第74条第1項(特許権の移転の特例)の規定による請求に基づく特許権の移転の登録がなされることにより、特許を受ける権利の共有者全員が当該特許権を共有することとなったときには、共同出願違反の無効理由には該当しない。


解答


 特許法123条1項2号は「その特許が第二十五条、第二十九条、第二十九条の二、第三十二条、第三十八条又は第三十九条第一項から第四項までの規定に違反してされたとき(その特許が第三十八条の規定に違反してされた場合にあつては、第七十四条第一項の規定による請求に基づき、その特許に係る特許権の移転の登録があつたときを除く。)。」と規定している。


 特許法123条1項2号かっこ書により、特許法74条1項の請求により、特許権の移転の登録があったときは、特許法38条違反は、無効理由から除外される。


 よって、本問の記載は、適切である。





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2024年3月14日 弁理士試験 代々木塾 特許無効審判

2024-03-14 08:49:51 | Weblog
2024年3月14日 弁理士試験 代々木塾 特許無効審判


問題


 次の記載は、適切であるといえるか。


 1つの特許権に対して2つの特許無効審判が請求され、その審理の併合をせず別々に審理を行った場合において、その2つの特許無効審判のうち一方の特許無効審判においてのみ特許法第134条の2第1項の訂正の請求がなされたとき、他方の特許無効審判について審理を中止して、当該訂正の請求がなされた特許無効審判の審理を優先することができる。


解答


 特許法168条1項は「審判において必要があると認めるときは、特許異議の申立てについての決定若しくは他の審判の審決が確定し、又は訴訟手続が完結するまでその手続を中止することができる。」と規定している。


 同一の特許権について2つの特許無効審判が請求された場合において、1つの特許無効審判において訂正の請求がされたときは、裁量により、他の特許無効審判の審理を中止し、当該1つの特許無効審判の審理を優先することができる。


 審判便覧51―22.1 複数の無効審判事件の同時係属
1.複数の無効審判事件が同時係属した場合の審理
 同一権利について、複数の無効審判が「同時期に審理に係属」した場合(一方の審理をしようとしたとき他方も審理できる状態になっているとき又は一方の審理中に他方が審理できる状態になったとき)の審理は、以下のように行う。
(1)併合審理(→51―09の5.)
 複数の無効審判事件が「同時期に係属」したときには、併合審理の可能性を検討し、併合審理によって効率的な審理をすることができる事件については、審理を併合する(特§154①)。
(2)事実上の併合審理
 同時係属する複数の無効審判事件について併合審理をするのが適当でない事情がある場合であって、複数の無効審判事件を同時並行的に審理しても円滑な手続の進行を妨げないときは、併合審理をすることなく複数事件を同時並行的に審理し、できるだけ同時期に審決をする。
 答弁指令・弁駁指令、無効理由通知、口頭審理等の時期を両事件で、同期させることにより、権利者に対する攻撃の内容と時期をできるだけ同じものとし、権利者の防御方法が複数の事件で共通のものになるように審理を進める。
(3)優先順位をつけた審理
 特定の事件を優先して審理することが紛争の迅速な解決に資するときは、優先順位を付けた審理をすることとし、優先して審理することが最も適切な無効審判事件(一又は二以上)を選択して、その無効審判事件を残りの無効審判事件よりも先に審理する。
 ア 優先して審理しない無効審判事件において主張された理由・証拠等を、優先して審理する無効審判事件における職権審理の対象として考慮する。
 イ 優先して審理しない無効審判事件については、原則として、特§168①(実§40①、意§52、商§56①、商§68④)に基づく中止の通知をする。当事者から中止解除を求める上申書等が出された場合は、当該事件で提示された理由・証拠を、優先審理する事件において既に考慮していることを踏まえても、なお紛争の迅速な解決に役立つと考えられるとき等に限って中止の解除を行う。
 ウ 後続審理の事件の取扱いは、優先審理した事件の結論(権利無効か権利維持か)に応じて決める。
(ア)優先審理した事件の結論が権利無効のときは、原則として審決が確定するまで後続審理を中止する。
(イ)優先審理した事件の結論が権利維持のときは、原則としてその後速やかに後続審理の事件の審理を開始する。ただし、請求理由が同一の要旨を含む場合には、先の審決が確定するまで審理を中止することが望ましい(その同一の要旨の請求理由について、後続審理した事件の結論が優先審理した事件の訴訟の結果と異なると、いずれの事件の審決も審決取消訴訟において取消されるおそれがある。また、同一の請求理由について重複して審理をすることは、非効率である。)。優先審理した事件と同一の要旨である請求理由については、合議体は、先の審決と矛盾した判断を行わないよう、一事不再理とすべきとまでは言えない場合であっても、先の審理結果を踏まえて審理を行う(→30―02の9.)。
 なお、特許において、優先審理した無効審判事件が出訴されて、当該優先審理した無効審判事件における訂正が確定していない場合、特許権者が優先審理した事件で認容した訂正請求と異なる訂正請求をしたときは、当該訂正に基づいて審理を進めるが、その後優先審理した事件の訂正が先に確定したとき、後の無効審判における訂正の基準明細書等が変わることとなる点、及び後の無効審判における訂正を認容して、それが先に確定したとき、優先審理した事件の権利維持審決がほぼ自動的に取り消されることになる点に留意が必要である。
 また、特許において、後の無効審判で提示されている理由・証拠等が、優先審理した事件における理由・証拠等に比べて、強力に特許性を否定するものではなく、これらを考慮しても、優先審理した事件における特許請求の範囲について権利維持の結論が得られると考えられるときには、先の事件で認容した訂正請求(ただし訂正未確定)と同じ訂正請求の機会を与えた後に(通常は)権利維持審決をする。


 よって、本問の記載は、適切である。





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2024年3月14日 弁理士試験 代々木塾 特許無効審判

2024-03-14 07:08:02 | Weblog
2024年3月14日 弁理士試験 代々木塾 特許無効審判


問題


 次の記載は、適切であるといえるか。




 審判長は、特許無効審判において、当初の請求書に記載した理由以外の新たな無効理由を追加する補正がなされた場合、当該補正が審理を不当に遅延させるおそれがないことが明らかであると認められ、かつ、特許法第134条の2第1項の訂正の請求により請求の理由を補正する必要が生じたと認められるときは、その補正を許可しなければならない。


解答


 特許法131条の2第2項は「審判長は、特許無効審判を請求する場合における前条第一項第三号に掲げる請求の理由の補正がその要旨を変更するものである場合において、当該補正が審理を不当に遅延させるおそれがないことが明らかなものであり、かつ、次の各号のいずれかに該当する事由があると認めるときは、決定をもつて、当該補正を許可することができる。
一 当該特許無効審判において第百三十四条の二第一項の訂正の請求があり、その訂正の請求により請求の理由を補正する必要が生じたこと。
二 前号に掲げるもののほか当該補正に係る請求の理由を審判請求時の請求書に記載しなかつたことにつき合理的な理由があり、被請求人が当該補正に同意したこと。」と規定している。


 特許法131条の2第2項は「…当該補正を許可することができる」と規定しているので、審判長の裁量規定である。


 問題文のように「…その補正を許可しなければならない」とは、いえない。


 よって、本問の記載は、不適切である。





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