堤卓の弁理士試験情報

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2024年3月9日 弁理士試験 代々木塾 特許法39条

2024-03-09 22:21:18 | Weblog
2024年3月9日 弁理士試験 代々木塾 特許法39条


問題


 次の記載は、適切であるといえるか。


 甲は、特許請求の範囲に発明イが記載された特許出願Aを出願し、乙は、特許請求の範囲に発明イが記載された特許出願Bを出願Aと同日に出願した。
 出願Aは出願審査の請求がされたが、出願Bは出願審査の請求をすることができる期間内に出願審査の請求がされず、取り下げたものとみなされた。
 この場合、甲と乙とは協議をすることができないから、出願Aは出願Bと同日の特許出願であることを理由として拒絶をすべき旨の査定がされる。
 ただし、乙には、出願Bについて出願審査の請求をすることができなかったことについて正当な理由はないものとする。


解答


 特許法39条5項は「特許出願若しくは実用新案登録出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されたとき、又は特許出願について拒絶をすべき旨の査定若しくは審決が確定したときは、その特許出願又は実用新案登録出願は、第一項から前項までの規定の適用については、初めからなかつたものとみなす。ただし、その特許出願について第二項後段又は前項後段の規定に該当することにより拒絶をすべき旨の査定又は審決が確定したときは、この限りでない。」と規定している。


 乙の特許出願Bは、所定の期間内に出願審査の請求がされないことにより取り下げられたものとみなされているので、特許法39条5項本文が適用され、先願の地位が消滅する。
 甲の特許出願Aについて、乙の特許出願Bを引用して特許法39条2項の拒絶理由に該当することはない。


 よって、本問の記載は、不適切である。





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2024年3月9日 弁理士試験 代々木塾 特許法29条の2

2024-03-09 10:16:53 | Weblog
2024年3月9日 弁理士試験 代々木塾 特許法29条の2


問題


 次の記載は、適切であるといえるか。


 甲は、発明イについて特許出願Aをした後、出願Aを基礎とする特許法第41条第1項の規定による優先権の主張を伴う発明イ及び発明ロについての特許出願Bをした。
 出願Aは、特許法第42条第1項の規定により取り下げられたものとみなされ、出願公開されることはなかった。
 乙は、出願Bの出願の日からその出願公開の日までの間に、発明ロについて特許出願Cをした。
 出願Cは、出願Bがいわゆる拡大された範囲の先願であることを理由として拒絶されることはない。


解答


 特許法第二十九条の二
 特許出願に係る発明が当該特許出願の日前の他の特許出願又は実用新案登録出願であつて当該特許出願後に第六十六条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報(以下「特許掲載公報」という。)の発行若しくは出願公開又は実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第十四条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報(以下「実用新案掲載公報」という。)の発行がされたものの願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された発明又は考案(その発明又は考案をした者が当該特許出願に係る発明の発明者と同一の者である場合におけるその発明又は考案を除く。)と同一であるときは、その発明については、前条第一項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。ただし、当該特許出願の時にその出願人と当該他の特許出願又は実用新案登録出願の出願人とが同一の者であるときは、この限りでない。


 乙の特許出願Cは、甲の特許出願Bの日後にされているので、後願である。
 乙の特許出願Cの日後に、甲の特許出願Bについて先の特許出願Aの日から1年6月後に 出願公開(特64条1項)がされる。
 乙の特許出願Cに係る発明ロは、甲の特許出願Bの当初の明細書等に記載された発明ロと同一である。
 発明者が甲と乙で異なる。
 出願人が甲と乙で異なる。
 甲の特許出願Bが甲の特許出願Aに基づく優先権の主張を伴っているかどうかに関係なく、乙の特許出願Cは、甲の特許出願Bを引用して特許法29条の2により拒絶される。


 よって、本問の記載は、不適切である。





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2024年3月9日 弁理士試験 代々木塾 特許法29条の2

2024-03-09 10:07:26 | Weblog
2024年3月9日 弁理士試験 代々木塾 特許法29条の2


問題


 次の記載は、適切であるといえるか。


 甲は、特許請求の範囲に発明イが記載された特許出願Aを出願したが、出願Aの明細書には、発明イに加えて、乙から直接知得した発明ロが従来の技術の説明として記載されるとともに、発明ロの発明者は乙である旨、記載されていた。
 その後、出願Aは出願公開された。
 一方、乙は、出願Aの出願の日からその出願公開の日までの間に、発明ロについて特許出願Bをした。
 この場合、出願Bは、出願Aに発明ロが記載されていることを理由に、出願Aをいわゆる拡大された範囲の先願として拒絶されることはない。


解答


 特許法第二十九条の二
 特許出願に係る発明が当該特許出願の日前の他の特許出願又は実用新案登録出願であつて当該特許出願後に第六十六条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報(以下「特許掲載公報」という。)の発行若しくは出願公開又は実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第十四条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報(以下「実用新案掲載公報」という。)の発行がされたものの願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された発明又は考案(その発明又は考案をした者が当該特許出願に係る発明の発明者と同一の者である場合におけるその発明又は考案を除く。)と同一であるときは、その発明については、前条第一項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。ただし、当該特許出願の時にその出願人と当該他の特許出願又は実用新案登録出願の出願人とが同一の者であるときは、この限りでない。


 特許法29条の2において、「…に記載された発明又は考案(その発明又は考案をした者が当該特許出願に係る発明の発明者と同一の者である場合におけるその発明又は考案を除く。)…」と規定している。


 特許出願Bに係る発明ロの発明者は乙であり、先願の特許出願Aの明細書に記載された発明ロの発明者は乙であり、発明者が同一である。
 この場合は、特許法29条の2かっこ書が適用され、特許法29条の2は拒絶理由から除外される。


 よって、本問の記載は、適切である。





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2024年3月9日 弁理士試験 代々木塾 特許法39条

2024-03-09 06:17:04 | Weblog
2024年3月9日 弁理士試験 代々木塾 特許法39条


問題


 次の記載は、適切であるといえるか。


 甲は、特許請求の範囲に発明イが記載された特許出願Aを出願し、乙は、特許請求の範囲に発明イが記載された特許出願Bを出願Aと同日に出願した。
 甲と乙の協議が成立しない場合、特許庁長官が行う公正な方法によるくじにより定めた一の特許出願人のみが特許を受けることができる。


解答


 特許法39条2項は「同一の発明について同日に二以上の特許出願があつたときは、特許出願人の協議により定めた一の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる。協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、いずれも、その発明について特許を受けることができない。」と規定している。


 特許法39条6項は「特許庁長官は、第二項又は第四項の場合は、相当の期間を指定して、第二項又は第四項の協議をしてその結果を届け出るべき旨を出願人に命じなければならない。」と規定している。


 特許法39条7項は「特許庁長官は、前項の規定により指定した期間内に同項の規定による届出がないときは、第二項又は第四項の協議が成立しなかつたものとみなすことができる。」と規定している。


 特許法では、商標法と異なり、特許庁長官が行う公正な方法によるくじにより一の出願人を定めることはない。


 よって、本問の記載は、不適切である。





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2024年3月9日 弁理士試験 代々木塾 特許出願についての拒絶査定不服審判

2024-03-09 06:07:37 | Weblog
2024年3月9日 弁理士試験 代々木塾 特許出願についての拒絶査定不服審判


問題


 次の記載は、適切であるといえるか。


 特許出願についての拒絶査定不服審判は、原則として書面審理によるものであるが、審判長は、当事者の申立てにより又は職権で、口頭審理によるものとすることができる。


解答


 特許法145条1項は「特許無効審判及び延長登録無効審判は、口頭審理による。ただし、審判長は、当事者若しくは参加人の申立てにより又は職権で、書面審理によるものとすることができる。」と規定している。


 特許法145条2項は「前項に規定する審判以外の審判は、書面審理による。ただし、審判長は、当事者の申立により又は職権で、口頭審理によるものとすることができる。」と規定している。


 よって、本問の記載は、適切である。





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2024年3月9日 弁理士試験 代々木塾 特許出願についての拒絶査定不服審判

2024-03-09 05:53:32 | Weblog
2024年3月9日 弁理士試験 代々木塾 特許出願についての拒絶査定不服審判


問題


 次の記載は、適切であるといえるか。


 拒絶査定不服審判の請求と同時にその請求に係る特許出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正があった場合において、当該補正が特許法第17条の2第3項(いわゆる新規事項の追加)の規定に違反しているときは、審判請求人に対して意見書を提出する機会が与えられることなく、その補正が却下され、審判の請求は成り立たない旨の審決がされる場合がある。


解答


 拒絶査定不服審判の請求と同時にした補正が特許法17条の2第3項違反である場合において、当該補正前の特許出願について特許査定ができないときは、前置審査官は、当該補正を決定をもって却下することができず(特164条2項)、前置審査の結果が特許庁長官に報告される(特164条3項)。


 拒絶査定不服審判の審理においては、補正が特許法17条の2第3項違反であるので、審判官の合議体は、特許法159条1項で準用する特許法53条1項により、補正の却下の決定をし、当該補正前の内容で拒絶をすべきときは、拒絶審決をすることとなる。
 この場合は、審判請求人に意見書の提出の機会を与える必要はない。


 よって、本問の記載は、適切である。





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