敏腕Pの日々のつぶやき

テアトルシアター代表。担当舞台作品について他、演劇やスポーツ等々の雑感を気の向くままに。

隣の中学が攻めてくる。

2012年04月13日 | 身辺雑記
普段廊下を、肩で風を切るように、
或いは周りを睨め回しながら
歩いている《不良》が、
時代劇の岡っ引きよろしく
「てぇへんだ、てぇへんだ」と
《番長》の教室に飛び込んで
ひそひそと耳打ちをする。

と、授業中にも関わらず
各組の《ワル達》が姿を消し
体育館裏に集結して、
次の休み時間には岡っ引きが
二年と一年にも現れて・・・
「出てはいけません」の
貼紙を無視して、屋上に
学校中の《ワル》が顔を揃える。

そこへ、生徒指導の先生が
「こら~ッ何してるゥ!!」と
竹刀片手に飛び込む!

ここで場面は教室に切り替わる。
「鶴中が攻めてくるらしいぜ」
「えっ、あすこにはヤクザが
頭下げる位のが居るんだろ」
「うちには去年、双子の新井兄弟
居たけど二人とも少年院だしな」
もう噂話は広がっている。
繁華街で肩がぶつかっただの、
相手校の《スケ番》をナンパした
だの、きっかけはどーでもいい
「事件」だと相場は決まっている。

昭和という時代の、中学の、
近隣校同士のいざこざの図。

つまり今や死語だろう《不良》の
話なんだが。
関係のない一般生徒も、
少々びびりながらも同時に
台風が嬉しいような心持ちで。
ざわざわした空気が一日中
校庭の欅並木を揺するのだ。

校長以下、学年主任ら一部教員は
緊急会議で職員室へ。
自習になったクラスは、
ワイドショーのスタジオさながら。
「くだらない」と塾の参考書を
開く《ガリベン》だって、
その実、どこかウキウキしてた筈。

でも結局。盛り上がったわりに
他校の襲来はなく、
拍子抜けに終わることも多い。

      

此度の某国からの飛来物騒動の
一連の流れを見て、
ふとそんな情景を思い浮かべたのは
僕だけじゃないと思う。

《番長》は対応の仕方で
リーダーシップを問われるし、
下級生は、屋上での態度が
来年のポジション取りに影響する。

竹刀の先生は先生で
「へえ、2Bの箱崎もワル一派に
加わったのか……。あれ?
田代がいねえけどハブられたか」
と、今季から来季にマークすべき
名前を心のノートに認める。

そんなこんなの
目に見える暴力よりも
目にみえない駆け引きが、
多感な中学生の昂揚感を
作っていたのだ、と今は思う。

言うまでもなく。僕は屋上組
……じゃなく教室組で、かつ
「プリントが一枚足りません」
ってゆ~大義名分を持って
職員室に入り込み、
情報収集に努める「イージス艦」
的な役回りもしてたなぁ……。

自習のプリントはコピーで済んだ。
けど、国防の為の配備には
随分お金が掛かりそう…。
せめて「実のある訓練」にして欲しい。

コメント
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