■「エクスペンダブルズ/The Expendables」(2010年・アメリカ)
監督=シルベスター・スタローン
主演=シルベスター・スタローン ジェイソン・ステイサム ジェット・リー エリック・ロバーツ
ハリウッド大作を避けがちな僕でも、80年代はアクション映画やらカンフー映画も観て育ったし、スタローン映画は「ロッキー」も「ランボー」もリアルタイム世代。だからまずはこの新旧アクションスタアだらけのキャストを目にして嬉しかった。彼らが自らを”消耗品”と名乗る傭兵部隊だなんて、旬が短いと思われがちなアクションスタアらしいシャレが効いている。ミッキー・ローク、ドルフ・ラングレンまで出てきて素直にすげぇ・・・と思う。アーノルド・シュワツルツェネガー、ブルース・ウィリスとスタローンが並ぶ教会の場面は、三人の全盛期をちゃんと観てきたからこそ感じる幸福感。「ヤツの目的は何だ?」「大統領だろ」ってセリフに思わずニヤリ。スティーブン・セガールとジャン・クロード・ヴァンダムが欲しいところ・・・と思ったが、昨年公開された第2作ではそのヴァンダムが悪役!。嬉しいね。
スタローン率いるスゴ腕の仲間が南米にある軍事独裁政権の転覆に駆り出される。状況を探りに島に乗り込んだスタローン、リー、ステイサムの3人。一時は手を引いたものの、政府に反旗を掲げる娘が頭から離れないスタローンは再び島に向かうことを決意する。お話自体は都合がいい・・と思えるところもあるけれど、そんなことよりもド派手なアクションを理屈抜きに楽しむのが吉。80年代と違うのは、やっつけ方が容赦なくなってるところ。使ってる銃がやたら強力になってるから撃たれる敵兵の肉片は飛び散るし、ジェット・リーのヒールキックで首がポキッ・・・ってな場面の連続。R-15は当然だけど、そこまでやっても大人が楽しめる映画を撮りたいという心意気が伝わってくる。
キャストが多い分だけ、それぞれの個性をどう表現するかが問題だが、特に扱いがヒドいと思えることはなかった。ドルフ・ラングレンなんて、「ロッキー4」のサイボーグのようなイメージとは似ても似つかぬワイルドなキャラで好感。ジェイソン・ステイサムが愛する女性を守るカッコよさ、ミッキー・ロークが彼らを見守るいい役柄。あの頃があるから、この映画がある。それを本当に感じられるのは僕ら世代だからこそ。そう思うととっても特別な魅力があるよね。