北九州市美術館分館にて開催中の、「やなせたかしの世界展」に行ってきた。もちろん40男が一人で行くはずはない。うちのルーク・スカイウォーカー(9歳児)とレイア姫(7歳児)、それに配偶者アミダラMと行ってきた。写真は、入り口に飾られた巨大なぬいぐるみ。ルークが幼稚園の頃、僕はビデオ店にあった過去6年分くらいのアニメ「それいけ!アンパンマン」を見尽くした。さらにバンダイの「あつまれ!アンパンマン」をコレクションし、年甲斐もなく「アンパンマン大百科」を所有する僕だけに、子供以上にわくわくしていた。
でも、実はそれ以上にやなせたかし氏に僕は憧れがある。ワイマール憲法が制定された1919年生まれだから、今年御年90歳!。2000年代に入っても歌手としてCDデビューを果たし、千葉大学で教授を務める活躍ぶり。何よりも、少年の心を忘れない爺さんであることに何よりも憧れる。僕はああいう爺さんになりたい。マジでだ。
絵本「アンパンマン」の原画や大型のイラストが展示され、目を引く。アンパンマンの誕生の裏に、自身が戦争で正義というものの脆さと飢餓を経験したことがある。飢えた人を救うのが本当の英雄。疲れている人には、甘いものが力を与えてくれる。そして自分の顔を削って与える行為は、まさに自己犠牲。献身の心が正義だと考えるやなせたかし氏の信念が反映されているのだ。それをあらためて知ることになる今回の展示。直筆で綴られた「アンパンマンのマーチ」の歌詞が心に突き刺さる。
なんのためにうまれて/なにをしていきるのか
こたえられないなんて/そんなのはいやだ
詩人でもあるやなせ氏。「手のひらを太陽に」はその代表作だが、この展示では他の作品も見ることができた。僕はかたつむりが描かれたある額絵をしばらく眺めていた。
しあわせよ/あんまり早くくるな
しあわせよ/あわてるな
カタツムリにのって/あくびしながらやってこい
遅咲きだったやなせ氏だから、この言葉には重みがあるように思う。そして、「バイキン小唄」の詩。宇宙から見れば地球はなつみかん、人間なんてバイキンだ・・・そんな内容のもの。これもなーんか勇気づけてくれるよなぁ。
「アンパンマン」シリーズは登場する者が死なない。だけどやなせ作品の中でも異色作の「チリンの鈴」には心打たれた。今回の展示ではその貴重な原画を見ることができた。
チリンは羊の子。ある日おおかみのウォーに群れが襲われ、母親は自分をかばって死んでしまう。生き残ったチリンは、ウォーのように強くなりたい・・とウォーに弟子入りすることに。数年経って、チリンは強いけだものになっていく。そして、ある日、チリンは母親の復讐を遂げようとするが・・・。読み終わって、心にぽっかり穴があくような無常観と悲しみ、むなしさに彩られた大傑作。生きていくことの厳しさを感じる。ルークと僕は、その展示をひとつひとつ時間をかけて読みながら、ジーンとしてしまった。ルークは売店で再び読みなおしていた。
改めてやなせたかし氏の偉大さを感じられる展示であった。正義、平和についてのやなせ氏のスピリットはきっと多くの子供たちに引き継がれることだろう。やなせ氏の自伝を読んでみたいなぁ。
おまけ:僕が以前書いたアンパンマン論 こちら
でも、実はそれ以上にやなせたかし氏に僕は憧れがある。ワイマール憲法が制定された1919年生まれだから、今年御年90歳!。2000年代に入っても歌手としてCDデビューを果たし、千葉大学で教授を務める活躍ぶり。何よりも、少年の心を忘れない爺さんであることに何よりも憧れる。僕はああいう爺さんになりたい。マジでだ。
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絵本「アンパンマン」の原画や大型のイラストが展示され、目を引く。アンパンマンの誕生の裏に、自身が戦争で正義というものの脆さと飢餓を経験したことがある。飢えた人を救うのが本当の英雄。疲れている人には、甘いものが力を与えてくれる。そして自分の顔を削って与える行為は、まさに自己犠牲。献身の心が正義だと考えるやなせたかし氏の信念が反映されているのだ。それをあらためて知ることになる今回の展示。直筆で綴られた「アンパンマンのマーチ」の歌詞が心に突き刺さる。
なんのためにうまれて/なにをしていきるのか
こたえられないなんて/そんなのはいやだ
詩人でもあるやなせ氏。「手のひらを太陽に」はその代表作だが、この展示では他の作品も見ることができた。僕はかたつむりが描かれたある額絵をしばらく眺めていた。
しあわせよ/あんまり早くくるな
しあわせよ/あわてるな
カタツムリにのって/あくびしながらやってこい
遅咲きだったやなせ氏だから、この言葉には重みがあるように思う。そして、「バイキン小唄」の詩。宇宙から見れば地球はなつみかん、人間なんてバイキンだ・・・そんな内容のもの。これもなーんか勇気づけてくれるよなぁ。
「アンパンマン」シリーズは登場する者が死なない。だけどやなせ作品の中でも異色作の「チリンの鈴」には心打たれた。今回の展示ではその貴重な原画を見ることができた。
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チリンは羊の子。ある日おおかみのウォーに群れが襲われ、母親は自分をかばって死んでしまう。生き残ったチリンは、ウォーのように強くなりたい・・とウォーに弟子入りすることに。数年経って、チリンは強いけだものになっていく。そして、ある日、チリンは母親の復讐を遂げようとするが・・・。読み終わって、心にぽっかり穴があくような無常観と悲しみ、むなしさに彩られた大傑作。生きていくことの厳しさを感じる。ルークと僕は、その展示をひとつひとつ時間をかけて読みながら、ジーンとしてしまった。ルークは売店で再び読みなおしていた。
改めてやなせたかし氏の偉大さを感じられる展示であった。正義、平和についてのやなせ氏のスピリットはきっと多くの子供たちに引き継がれることだろう。やなせ氏の自伝を読んでみたいなぁ。
おまけ:僕が以前書いたアンパンマン論 こちら