【 地 軸 】 2015/3/21 地方紙1面下段記事より
[昔は学校に現金を持っていく機会が多かった。口座振替ではなかったころの話。給食費や教材費のほかに「子ども郵便局」があり、小遣いの一部を貯金するよう勧められた。
▲預け払いの実務を体験することで正しい金銭感覚を養い、貯蓄の大切さを学ぶという名目。ピーク時だった1960年代の加入者は250万人を超えた。
▲子どもの小遣いを貯金させる発想は古く、1900年にさかのぼる。小額切手を少し筒専用の台紙に張り、いっぱいになると郵便局に預ける「切手貯金」。太平洋戦争時には戦費に充てるために、文字通りの「弾丸切手」が発行された。
▲来年創設される子ども版の少額投資非課税制度(NISA)で、そんな話を思い出した。名義は20歳未満だが、実際に投資するのはおそらく親や祖父母。株式市場の活性化と、若年層の投資への関心を高めるのが狙いとか。
▲そのNISA本体。昨年1月に華々しくスタートしたものの、開設した口座のうち昨年末までに使われたのは約45%。少額とはいえ実際の投資には腰が引ける人が多かったようだ。
▲日本の家計金融資産が1694兆円と過去最高になった。ただし、株式などへの投資は1割未満。麻生太郎金融担当相がいくら「世界的に見ても異常」と投資をあおっても、国民の貯金志向は長年の教育の「立派な」成果といえる。投資は貯金とは違う。子どもを「だし」にした資金集めならいただけない。]
[昔は学校に現金を持っていく機会が多かった。口座振替ではなかったころの話。給食費や教材費のほかに「子ども郵便局」があり、小遣いの一部を貯金するよう勧められた。
▲預け払いの実務を体験することで正しい金銭感覚を養い、貯蓄の大切さを学ぶという名目。ピーク時だった1960年代の加入者は250万人を超えた。
▲子どもの小遣いを貯金させる発想は古く、1900年にさかのぼる。小額切手を少し筒専用の台紙に張り、いっぱいになると郵便局に預ける「切手貯金」。太平洋戦争時には戦費に充てるために、文字通りの「弾丸切手」が発行された。
▲来年創設される子ども版の少額投資非課税制度(NISA)で、そんな話を思い出した。名義は20歳未満だが、実際に投資するのはおそらく親や祖父母。株式市場の活性化と、若年層の投資への関心を高めるのが狙いとか。
▲そのNISA本体。昨年1月に華々しくスタートしたものの、開設した口座のうち昨年末までに使われたのは約45%。少額とはいえ実際の投資には腰が引ける人が多かったようだ。
▲日本の家計金融資産が1694兆円と過去最高になった。ただし、株式などへの投資は1割未満。麻生太郎金融担当相がいくら「世界的に見ても異常」と投資をあおっても、国民の貯金志向は長年の教育の「立派な」成果といえる。投資は貯金とは違う。子どもを「だし」にした資金集めならいただけない。]