忘却への扉

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信用を失った教訓を生かさず

2015-03-04 | 共に
 《 汚染水の外洋流出 》 【 何より東電の隠蔽体質改善を 】 2015/2/28 地方紙「社説」より
 [東京電力の隠蔽体質はいったい、いつになれば改まるのだろうか。
 福島第1原発2号機の原子炉建屋屋上に高濃度の汚染水がたまっており、一部が排水路を通じて外洋に直接流出していた。東電は昨年5月に異常を把握しながら、10カ月近く測定データを公表せず、海洋流出を防ぐ対策も講じていなかった。
 「汚染源を特定できなかったため」という言い訳は全く通用しない。地元漁業者の気持ちを踏みにじる行為であり、その鈍感さにはあきれるほかない。
 東電と国は第1原発の汚染水対策として、建屋周辺の井戸(サブドレン)などからくみ上げた地下水を浄化して海に流す方針で、漁業者らに了解を求めていた。交渉は大詰めを迎えていたが、今回の問題発覚で、漁業者からは「信頼関係が崩れた」 「サブドレンどころではない」との怒りの声が上がっている。汚染水対策がさらに遅れるのは確実な情勢だ。
 東電のデータ隠しは今回が初めてではない。過去にも、放射性物質の分析結果や流出を示すデータを公表せず、批判を招いていた。信用を失った教訓が全く生かされていない。
 30~40年かかるとされる廃炉作業には、膨大な費用がかかる。国費の投入には国民の理解が不可欠で、情報公開はその第一歩のはずだ。東電には猛省を促したい。
 政府の対応も不可思議だ。菅義偉官房長官は「港湾外の(放射性物質の)濃度は十分に低い数値だ。汚染水の影響は完全にブロックされ、状況はコントロールされている」と言い切った。地元漁業者らの猛烈な反発を受けてなお、1年前、東京五輪誘致演説で安倍晋三首相が使ったフレーズを繰り返す姿勢に疑問を抱く。
 原子力規制委員会の田中俊一委員長は、東電の発表遅れを批判しながらも「(降雨の影響は)コントロールできないところもある」と理解を示した。砂漠の国ならいざ知らず、この日本でで雨の影響を考慮しない安全対策などありえない。福島第1原発の敷地内から出る全ての水がきちんと処理されて、初めて「コントロール」というべきだった。
 汚水処理は廃炉作業のスタートにすぎない。サブドレン以外にも、地上タンクに保管している高濃度汚染水を処理する多核種除去設備(ALPS)がうまく稼働せず、全量浄化の完了が2015年度後半まで大幅に遅れる見込みになっている。
 見通しの甘さはもちろんだが、東電の稚拙な対応が遅れに拍車をかけている。不都合な事実を隠そうとする体質では、信用を得られるわけがない。]

肩をたたかれ

2015-03-04 | 追憶
 肩を叩かれたといっても会社勤めの首切り退職勧奨ではなく、自営農家で怖いのは安倍政権による肩叩き。米国に押し付けられたTPP推進批判力つぶしの全農解体や各JAグループを含む農業組織の弱体化と、企業用への農地横取りのたくらみ。人材は非正規雇用労働者や国防軍の海外派兵時に役立てる算段か。
 だが、先日会った私への肩叩きはそのどちらでもない。野外で地域の仕事仲間が集まった小人数の場で、私が口にした軽い冗談に即反応した年配女性の笑顔の行動だと、ちょっと驚き振り向いてから気づく。周囲には同様の笑顔があった。
 忘れ去られようとしているが、この村や近隣の村々には落語や川柳を小話にしたかのような面白く笑えるホラ話など昔話が数多く語り継がれていた。
 そんな環境もあってか、私も子どものころから大人たちの笑い話を聞いて育った。軍国主義大日本帝国の侵略戦争が大敗し、その反省を込めた平和憲法を国民は得た。みんなが貧しい暮らしをしていたはずなのに、人々の明るさと楽しさは今よりもぞっと多かったと思う。
 20歳前後になると地域の人々や職場の先輩たちとの冗談仲間に加わった。特に戦中戦後を生きている人となぜか気が合い話をよくした。お互いの笑い話が通じる関係、ときに私は肩を叩かれるだけでなく、背中も叩かれ、頭も叩かれたがそれもその人のうれしい心意気を感じさせてくれた。
 本当の笑いや笑顔が減ってきていると思う。「住みにくい世の中になってきたなぁ」との言葉をいろいろなところからよく聞く。肩をたたかれ、この国の大多数を占める庶民に笑顔が戻ってくればとあらためて願う。