クルマのサスペンションと長いお付き合い

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工作の時間 エアーチャック開発

2018-11-23 09:44:49 | なんでもレポート
レーシングカーはタイヤの空気圧管理を厳しく問われます。

その日の路面コンディション、外気温、天気を読んで、狙いの空気圧で走れるように調整します。

そのタイヤ内圧調整の時、タイヤバルブにエアーチェックを押し当てた時と離す時に「ブシュ」と二度音がします。

エアーゲージで見た値よりも、微量とは言え「ブシュ」の一撃で内圧は少し下がった値になっているはずです。

エアー調整作業を手際よくやって、その漏れを少なくするのがベテランらしさ⋯みたいなところがあるのですが。
繰り返し測定すると誰がやっても内圧は下がる一方です。

そんな仔細なことをと思われるかもしれませんが、エアーボリュームのあるタイヤはともかく、
ダンパーなどのガス室容積の小さい場合では、ガス充填作業での「ブシュ」は命取り。

なのでダンパー作業では、ねじ込み式のエアーチャック(口金)使います。
外ネジを締めこんで口金を装着、次に真ん中のネジを締めこんでバルブを押し開き、ガスを充填。
規定圧がかかったところで、真ん中のネジを緩め、その後に口金を外して作業終了。

漏らさずに作業できますが、エアーチェック作業には不向きです。

そこで「ガス充填」も「エアーチェック」もワンタッチで作業できて漏れないエアーチャックを⋯ということで開発しました。

今度はエアーゲージの値と内圧が一致します。

ダンパーへのガス充填も一瞬にして終わらせることができます。しかも正確に。

ゆっくり作業でもブシュ音がしません。

エアーチャックの先端構造が現在のデザインになって70年超。

音のしない静かなエアーチャックが加わります。

今年5月のスーパーフォーミュラレースから全チームに支給、採用されています。











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2 コメント

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アナログからデジタル (じゃけー)
2018-12-25 17:32:09
デジタルのゲージに変わったとき、何回「ブシュ」とやれば数値が落ちるか確認した覚えがあります。
デジタルで読み取りやすくなったのは良いんですが、変わった途端ドライバーの要求が細かくなったのには苦労しました。
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書き込みありがとうございます (くにまさ)
2018-12-27 12:29:01
タイヤ内圧の表記がbar、スプリングの表記がN。
アナログからデジタル表示。
音のしないエアーチャックで正確に数値をおさえられるようになってきたのですが⋯
トップフォーミュラで、これ以上は低くしないで警告を無視して、黒髭危機一髪ゲームをやるチームが続出。
鈴鹿のストレートでタイヤバースト。富士でも。
呆れます。

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