中国の仕事先でのこと。
中国語通訳のシューさんの車で昼食を取りに、街中のレストランまで行くことになった。
シューさんは女性で、免許歴8ヶ月。
片道20分強の道のり、車の数は比較的少なく、走りやすいといえば走りやすい道路状況だったが
シューさん、何せ免許取りたて、日本で言えば初心者。
オドオド慎重運転かと思いきやゼンゼン・・・。
飛ばす飛ばす、もうビュンビュン!
前に車がいて詰まった時以外、抜けるスキあらばサッサッと加速。
歩行者が出てくればハンドルでかわす、必要なら減速。
1台も追い越されずにレストラン到着。
こう書くと、さぞや危なっかしい運転だったと想像できる・・・いや、それ以外にない。
で、私は後ろの席で固まっていた・・・かと言えばそうでもない。
前方視界に対して判断に迷いがなく、あるリズムの中で操作していて危うさが感じられなかったのだ。
大きな要因は、減速開始のタイミングと踏力一定ブレーキ。
ついでに言えば、踏力立ち上げのいさぎよい事。
踏力一定なのはもちろん、ブレーキ強さの種類も必要に応じて使い分けているし
制動の距離感が、すでに身についているところだ。
常に積極動作で自分のリズムを崩さず前へ前へ。
本人に言わせると誰にも運転は教わらず、100%我流、今運転を日々学んでいる所、との事。
「でも私、車庫入れニガテ!バックはキライ!」
レストランからバックして道路に出る運転は、まぎれもない初心者だった。
皆さん、キレのあるブレーキングを心掛けていますか~?
誰にも教わらなくても正しい操作に行き着く人がいるんですよ~。
教わった人は言い訳なんてないですよね~。
と、彼女の出すキレの良いマイナスGを感じながら思った。
踏力一定のブレーキなんて、知らない人のほうが多いでしょうし。
TVゲームの世界か現実か、笑ってしまうような信じられない車の動きです。
ほとんどルールなしと思える流れの中を安全に走り抜けるには、まずいつでも減速態勢のキレの良いブレーキが必須です。
独自の環境が必要な運転技術を要求しているのかもしれません。
こういった運転のせいか、軽度の接触事故は多発しています。
2週間の滞在中、通勤路で事故を目撃しなかったのは最終日一日だけでした。
今の現代の日本のドライバーは、運転技術の向上なんて頭にない人がほとんどじゃないでしょうか。
運転技術はクルマが動かせればそれでいい・・・と考えてるかのような人が大半な気がします。
昔はそうじゃなかったですけどね。
運転が上手になりたいってみんな思って練習してました。
少なくとも私たちの世代は。(45歳です)
簡単に運転できちゃうようになったのも原因の一つかもしれません。
昔のクルマは運転が難しかったですから。