クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

アベンシスの場合 その5

2017-04-04 22:07:06 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
ショックアブソーバを伸ばしたり縮めたりした時に発生する抵抗力を数値化したものが
減衰値と呼ばれるもので、いわば体力測定値。
硬さの目安と言えるものです。
それをクルマに取り付けるとどんな印象になるのかは走らせて確認します。
クルマが話しかけてくる揺れ、振動、応答を「感覚」で捉えて減衰値を盛りつけたり減らしたりしていきます。
この場面では「数値」で追いかけることはしません。
イメージしたカタチに荒削りから徐々に仕上げていく彫刻の過程に似ています。
大きく違うのは目で捉えられる彫刻に対して、クルマは「体感」⋯⋯何も見えません。

カラダを物差しにしてチューニングを進めていくのです。
ショックアブソーバーテスターはチューニング作業を進めていく上での補助の役目しかしません。

普段乗りで支障をきたさないギリギリ(少なめの減衰値)のところで乗り心地と、安定性のバランスを見極めつつ減衰値を決めるのですが、
あちらを立てればこちらが立たずのようなことが起きたり、対策しようとしているのに原因が掴めずなかなか進まないなんてことがあります。

今回のアベンシスがどれに当たるかはなんともですが、ある人にとって気になる乗り心地があったわけです。
しかもそれがほんのわずか⋯