羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

暗いトンネル

2005年07月07日 | Weblog
メールの内容は、少し前にわたしが出したメールへの返信で、
いつものようにA独特の理論展開になっていました。
『いつまでも待っているよ』とか『もう、一緒に暮らそうか』といった
文がちりばめられていると思って読んだ夫は拍子抜けしたそうです。

急いで読んだし意味もよくわからなかった、と言っていました。

『別れるから』と言いながら、きちんとした態度を誰にもとらなかった自分。
本当はどうしたいのかが、見えなかった自分。
Aも夫もわたしを必要としてくれているのに、どちらも愛してはいないように感じ、
その欠如を、空洞のように胸に抱えながら、
『すべては自分が悪いのだ』と責めて、苦しんでいました。

失われた信頼が復活するのは困難に思えたし、原因はわたしにあるのです。

「お母さん、元気ないね」、次女のこの一言にわたしはハッとしました。
そうだった、家庭外で誰かと何かがあってもそれを持ちこんではいけない。
どんなことでも受けとめる、と決心したことを思い出しました。

信用し、安心して甘えられる相手は、
もうどこにもいませんでした。
わたしは泣くこともなく、暗いトンネルの中にいるような気分を味わっていました。
子供たちには笑顔で、仕事もミスをしないように・・・。

他愛のないメールで気を紛らわせてくれるボーイフレンドもいたし、
ランチや美術館に誘ってくれるひとも、映画に連れて行ってくれるひとも
いました。わたしは自分のことはあまり話さなかったし、
友達は優しくて、けして強引に近づいてくるようなことはしませんでした。

そんなふうなときがあって、わたしの暗い日々にも時折そよ風は吹いていたのだと
今になって思うのです。
Aにはその後、1、2回会って、別れました。