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【IMFはウクライナを救えるか?】ウクライナ:債務不履行か?②

2014-03-15 00:00:30 | ヨーロッパ

(前回からの続き)

 現時点でウクライナ暫定政府がもっとも頼りにしている欧州(EU)ですが、EUは何よりも身内の巨大金融リスクに備えなければなりません。近い将来に高い確率で発生が予想される銀行危機への財政的準備を最優先にせざるを得ないということです。だからEUにはウクライナのようなEU圏外の国に多額の資金援助をする余裕なんて本当はないはずです。事実、前回書いたとおり、EUはすぐに実行可能は同国向けの支援額をわずか6億ユーロに抑えています。

 そのあたりの事情はアメリカも同じ。QE(量的緩和策)という実質的な「中央銀行による国債の直接引き受け」で財政のやりくりをしているいまの米政府にウクライナを満足させる額の資金を供与できるゆとりはないでしょう。先日発表された同国向け支援額10億ドル(ウクライナが発行する10億ドルの国債の保証:米議会承認待ち)くらいが目いっぱいなのではないでしょうか。一部の関係者は「この支援が他のドナーからの資金提供の呼び水になる」と語ったそうですが、これは現状のアメリカがお金の面でウクライナに対して「呼び水」程度の援助しかできないことを打ち明けた発言だと思っています。まあアメリカの本心は、自分からは極力お金を出さない代わりにEUあたりに融資させたいといったところでしょう。

 こうみてくると、資金繰りに苦しむウクライナは、どうやら欧州もアメリカも当てにできない感じがします。となると同国は、厳しい条件を呑んだうえでIMFの支援を仰ぐか、それともロシアマネーにすがりつくか、という究極の(?)選択を迫られそうですが・・・。

 で、ウクライナはどちらを選ぶかといえば・・・やはりまずは前者なのでしょう。あれだけロシアと対立している現・暫定政府には後者の選択は現時点ではナシ、でしょう。となれば同国が大口の融資を申し込める相手はおのずとIMFになります。それにIMFにしたって本音ではウクライナをデフォルトさせたくないはず。その理由は、同国経済・社会の破綻を心配しているからではなく、それによってウクライナ国債等に多額の投資をしている欧米金融機関に悪影響が及ぶことをおそれているから・・・でしょう。きっと表向きはウクライナに厳しい条件を付けたように装いつつ、実質的には同国が当面の借金を返済できるだけの資金を供与するのだろうな、などと予想しています。これってモラルハザードに近い感じですね・・・。

 とはいえ、先述のようにウクライナの債務は膨大です。いくらIMFが支援しても、それでも資金ショートは免れないでしょう。結局、同国は後者を選択する、つまりにっくき(?)ロシアに救いの手を求めるしかなくなるだろう、とみています。

(続く)


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