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【デフォルトへのカウントダウン、始まる!?】ウクライナ:債務不履行か?③

2014-03-17 00:01:27 | ヨーロッパ

(前回からの続き)

 クリミア自治共和国ではちょうどいまごろ(日本時間3月17日零時過ぎ)住民投票が行われている真っ最中です。で、その結果は見えています。人口の6割を占めるロシア系住民の賛成多数によってクリミアはロシアへの編入を決定するのでしょう。でも、いくら多くの民意が得られたからといって、ウクライナの一地域に過ぎないクリミアが勝手に同国から別れてロシアと一緒になろうというのは明らかな違法行為のはず。そんなことができるなんて規定はウクライナの法律にはないそうですから・・・。

 ということで、先月の政変に端を発したウクライナの混迷は、ウクライナ暫定政府+欧米諸国 vs. 前大統領派+ロシア という対立の構図をいっそう鮮明にしつつ、このクリミアの住民投票を経てあらたな緊張の局面へと入っていきそうな気配が濃厚です。今後近いうちに欧米諸国はロシアに対して経済制裁を発動するとしています。これにロシアが反発するのは必至でしょう・・・。

 ・・・といった両者の反目よりもはるかに重大な問題としてウクライナの資金繰りがクローズアップされてきそうです。おそらく今回のクリミアの出来事を受け、同国の通貨や国債はさらに売られ、外資の流出は続き、ただでさえ少ない外貨準備が同国暫定政府の当初の目論見よりもずっと早く底をついてしまいそうです。

 それにしてもウクライナ暫定政府は厳しい状況に追い詰められてしまいました。先述のとおり、同国のいまの債務危機を防ぐにはロシアからの資金援助が不可欠なのに、クリミアをめぐる上記の対立激化でロシアの態度が硬化するとみられるからです。もしロシアが同国に対する支援を停止するなんて言い出したら、ウクライナは万事休す―――デフォルトしてしまうでしょう。そのときはロシアの企業等もダメージは免れないでしょうが、それ以上の痛手を被るのは同国、そして同国暫定政府を支持する欧米諸国の金融機関となるような気がします。ただでさえ財務に不安があるのにウクライナで傷がついたら、せっかく「リスク・オン」モードで高まっていた手持ちの資産価値が一気に下がり、経営が揺らぐような銀行も出てくるのではないでしょうか。

 このあたりが欧米諸国の弱いところです。ロシアに対して経済制裁などの強硬措置を打てば・・・ウクライナはロシアからの支援を得られなくなってしまう。だからといってIMFの同国向け融資だけでは不十分だし、ウクライナがその受け入れ条件を満たす可能性は低い。その結果、ウクライナがデフォルトになったら、自分たちの「仲間」の金融機関の一部が危うくなる―――やはりロシアにウクライナを支えてもらいたい・・・そのへんが本音ということです。

 ウクライナ暫定政府もそんな現実に気づく必要がありそうです。欧米諸国にもIMFにも自分たちを支える余裕がないことを。そして、ガスなどのライフラインはもちろん、経済活動にもっとも必要なお金の面でも自分たちはロシアに依存しているということを・・・。だからウクライナは一刻も早くロシアと和解するべきだし、欧米諸国もそのための仲介をするべきだ、と考えているのですが・・・。

 ・・・もはやときすでに遅し(!?)―――ウクライナのデフォルトに向けたカウントダウンが始まってしまったように思えてなりません。

(「ウクライナ:債務不履行か?」おわり)


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