(前回からの続き)
前述のように、世界最大の総合スポーツイベントであるオリンピックには、日本勢を含む多くの企業がスポンサーとして参画しているわけですが、その理念などとの関係から会場のスクリーン等を通じた各企業名の露出とか製品の宣伝等は厳しく制限されているので、いったいどんな企業がスポンサーとなっているのか、などについては気が付きにくいもの。そうした中、アスリートたちが身に着けているユニフォームのサプライヤーは数少ない例外で、(おおむね)右胸のロゴマークから、そのユニフォームをどこの国のどの企業が提供しているのかが分かりますし、それが当該企業と製品のPRにもなっています。
で、そのあたり、オリンピアンたちは国のプライドを背負って戦っている、という面があるわけです。であれば、彼ら彼女らの「戦闘服」であるユニフォームは、ともに戦う、という意味で、やはり選手と同じ国の企業が提供するのが望ましい・・・と個人的には思うものです。もっとも、最近のスポーツウェア等は、ハイテク技術が取り入られていることもあって、実際にこれを作ることができるのは、日本や欧米諸国等の企業に限られるのでしょうが・・・
で、わたしたちがオリンピックのTV中継からもっとも多く目にする日本選手のユニフォームですが・・・日本代表選手団のオフィシャルスポーツウェアは、「東京2020ゴールドパートナー」である本邦企業の「アシックス」が担当しています。これ、とくに表彰式で、晴れてメダリストとなった本邦アスリートの栄誉をいっそう際立たせる「サンライズレッド」のカラーリングがとても鮮やかで、ホスト国の選手が身にまとうユニフォームとしてとてもふさわしいものだと感じています。
もちろん、上記のアシックスを含め、いくつもの日本企業がユニフォーム等を提供しているわけですが、この点でもう一つ着目するべきは、本邦各社が国外の選手団等のサプライヤーにもなっていること。個人的に気が付いた範囲ですが、たとえば、アシックスはオーストラリアのオリンピックチームの公式スポンサーになっているほか、柔道等ではミズノが、卓球やバドミントン等ではヨネックスが、それぞれ高いシェアを占め、そして先日、なでしこジャパンを破って準決勝に進出したスウェーデン女子サッカーチームのウェアのサプライヤーはユニクロ(ファーストリテイリング)、などなど、となっています。
上記のように、オリンピアンのユニフォームは、祖国のプライドとともにあるもの、ということで、異国の選手たちが、数ある中から上記ジャパン・ブランドをパートナーとして選んでくれたことは喜ばしいことだし、だからこそ外国勢同士の勝負なら、個人的には、「日本」と一緒に戦っている方を応援したくなる、というものです・・・