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【豪ドル、対円で目下、人民元以上に値下がり中!】オーストラリア経済、中国よりもピンチか①

2016-01-15 00:01:23 | その他の地域

 年初来の世界的な「リスクオフ」モードの現時点の根源は「中国」(・・・でも中国は「三の丸」に過ぎない?)ですが、その陰に隠れて目立たない(?)けれど、じつはもっとマズい事態に落ち込みつつある国がいくつも見受けられます。その代表格が「オーストラリア」。

 以下のグラフは年明け第一週(1/41/8)のに対する為替レートの推移をみたものです(1/4の円に対するドル、ユーロ、人民元、豪ドルの値下がり率の推移)。これをみると・・・まあ、あれだけ騒がれている人民元が円はもちろんドル・ユーロに対しても値下がりしているのは理解できるとして、豪ドルの対円減価率がその人民元を上回り、わずか5日間で5%超にも達したことが目を引きます。それだけ豪ドルつまりオーストラリア経済の現状および今後に投資家が中国以上にネガティブになっているようすが窺われるわけです。

 で、そのオーストラリアに悲観的にならざるを得ない理由ですが・・・まずは交易面での懸念が指摘できるでしょう。そのなかでも最大の貿易相手国・中国の経済不安が同国に与える悪影響が心配されます。オーストラリアは輸出・輸入ともに中国に大きく依存しています。とくに輸出では全輸出額のうち3割超が中国向け(2番目が日本で15%ほど、3番目が韓国で7%ほど)ということで、中国経済が動揺するとオーストラリアの輸出振興はままならないわけです。

 そのつぎは、オーストラリアの主要輸出品である鉱物資源価格の低下です。同国の輸出品は金額の大きい順に第一位:鉄鉱石(全輸出額に占める割合は22.6[2013/14年度])、第二位:石炭(同16.6%)、第三位:金(非貨幣用)、などとなっており、石油・天然ガスを含めた鉱物・燃料の輸出額が全体の6割を大きく超えています。これらは最近、価格が大きく下がっているわけですが、同国にとっては上記トップ2の価格ダウンがとくに痛いところ。実際、鉄鉱石の直近価格(2015/12月間平均)はトン当たり39.6ドル、石炭56.0ドル(同)と、前年同月比でそれぞれ42%、16%も下がっています(ピーク時[2011/2]の価格からはそれぞれ79%、60%もの大幅ダウン!)・・・

 もっともオーストラリアの貿易収支ですが、上記のような「逆風」―――中国経済の変調や資源価格の下落等―――があるなかでも、それほど悪化した気配はみられません。まあ、鉄鉱石・石炭の価格が上述のようにいっそう下がった昨年(2015年)から今年以降はどんな結果が出るかは分かりませんが、少なくとも2013,14の両年、同国は貿易黒字を記録していますから(2014年は40億ドルあまりの黒字)・・・

 それよりも―――貿易収支よりも―――オーストラリア経済がこの先、厳しい局面に向かわざるを得ないだろうと予想させる根拠が、同国の対外債務額の多さです。

(続く)

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