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【アベノミクス「マイナス金利」政策の先に待つ社会は・・・】米シティバンク日本撤退が意味すること⑥

2014-09-05 00:02:30 | 日本

(前回からの続き)

 米銀大手シティグループの日本法人がわが国における個人向け銀行事業からの撤退を決定したというニュースについて、主要通貨でもっとも高い「」の実質利回りに関連付けて、日本人の資産運用のスタイル(円預金偏重)とその合理性などについて思うところを綴ってきました。

 アベノミクス」はこのスタイルとそれを支えてきたシステムを根底から覆そうとしているように見受けられます。こちらの記事に書いたとおり、黒田日銀の「異次元緩和」による円安誘導で輸入インフレが起こり、昨年から現在にかけてわが国の消費者物価は3%超も上がりました。一方で日銀による国債の大量買いにより、もとより低かった金利はいっそう下がったため、差し引きの実質金利は年3%程度ものマイナスに・・・。つまりたった1年ほどで日本人のすべての円預貯金はそれだけ目減りしたことになります。前回述べた、円預金が万人に薄く広く成長の配当を与えてきたという構造があっという間に雲散霧消してしまいました(!?)。

 安倍首相・黒田日銀総裁ともに、これによりジャパンマネーが円預金(日本国債)から株などにシフトすることを期待しているのでしょう。たしかにこの先、ずっと「マイナス金利」状態が続いたら、資産の目減りを回避するために多くの国民が内外の株投資に乗り出そうとするようになるかもしれません。

 しかしここで気を付けなければならない当たり前の事実があります。それは、100%の投資家が大なり小なり元本を増やすことのできる円預金とは異なり、株をはじめとするリスク資産投資では「損」(元本割れ)をしてしまう人が必ず出てくるということ。株の売買はしょせんゼロサムゲーム。誰かが儲かるためには誰かが損をしなければならない。そしてその損得の確率は50:50・・・。まさに「丁か半か」の博打に似ています。

 いや、実際には50:50ということはあり得ないでしょう、とりわけ個人投資家にとっては・・・。世界のどの株式市場も建前上はすべての投資家が等しく開示された情報に基づいて公平公正に株式を売買できるところと位置付けられていますが、その実態は・・・アメリカで話題となったマイケル・ルイス氏の著書「フラッシュ・ボーイズ」が指弾するように、インサイダーまがいの取引や株価操作を意図した高速高頻度取引ができる、つまり秘密情報の収集力や資金力のある欧米ヘッジファンドばかりが勝利を収める賭場になっているとはいえないでしょうか。そして泣きをみるのは、「安倍政府が熱心に勧めるから」という理由でNISA(少額投資非課税制度)で株を始めた小鳥のような日本の個人投資家たち・・・。

 かくしてアベノミクスの政策的なマイナス金利誘導は、円預金を実質的に無意味化し、多くの人々の資産をリスク資産投資で失わせ、結果としてわが国を貧富差の大きな社会に変貌させることでしょう・・・(!?)。

(続く)

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