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【米貿易赤字:国別で中国ダントツだが・・・】米保護主義台頭:ますます逆風の円安輸出振興①

2017-01-25 00:03:29 | 日本

 そもそも、経済浮揚のため対米輸出に多くを期待する、なんて無茶だった、ということですね・・・

 20日、ドナルド・トランプ氏がアメリカ45代大統領に就任しました。すでにあちこちで報じられている、このお方の「保護主義」観のあふれた(?)演説内容等を見聞きして個人的に第一に感じたことは、冒頭のとおりです。これ、以前書いたように「円安輸出攻勢はアメリカ様が許さない」ということに他なりません。まさにこれをハッキリ口にする人がとうとう米大統領になってしまった、という感じがします。

 「われわれは、中国、日本、メキシコとの貿易で、毎年数千億ドルものロスを被っている」(We have hundreds of billions of dollars of losses on a yearly basis, hundreds of billions with China on trade and trade imbalance, with Japan, with Mexico…)「もうこれ以上、良い取引なんてしない」(We don’t make good deals anymore.11日の会見でトランプ氏はこのように、中国やメキシコばかりではなく、わが国との間の貿易不均衡について強い不満感とその是正への思いを明らかにしました。これを受け、麻生財務相は13日の閣議後会見で「日本側の対米投資や日本企業による雇用創出などの数字が耳に入るようにしないといけない」と、日本の対米貢献度を訴求する必要性を指摘する一方、「アメリカの貿易赤字は中国が一番で、全体の半分を占めている」と、中国の存在を強調することで、わが国のアメリカにとっての対日貿易赤字が中国などよりもずっと少ないことをアピールしてみせました。

 上記の発言を冷静に比較すると、少なくとも現状の日本に関してはトランプ大統領にはかなりの誤解があり、他方で麻生財務相は実態を正しく語っているように思えます。それはこちらの記事でご紹介したデータでも裏付けられるところです。おそらくトランプ氏は198090年代の日米貿易摩擦が激しかった時代の日本をいまだにイメージしているのでしょう。現在そんな批判の矢面に立つべきは、麻生氏が指摘するように、そして上の記事のとおり、日本ではなく中国ですからね。そのあたり、米新大統領には認識を早急にあらためていただかないと・・・

 ・・・だからといって―――トランプ氏が日本側の説明を受けて上記現状を正しく把握したからといって―――トランプ米新政権が、わが国の対米通商スタイルにあれこれ注文を付けなくなる、なんてことはないでしょう。中国(3430億ドル!:2014年)などよりはずっと少ないとはいえ、現時点でも日本の対米貿易黒字額は相当の額(672億ドル:同)に達しているわけです。しかも、いまの日本は「アベノミクス」つまり「円安誘導による外需狙い」に基づいて上述「輸出攻勢」に国家経済の浮沈をかけているといっても過言ではありませんから・・・(?)

続く

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2 コメント

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Unknown (釣り人)
2017-01-26 09:52:48
トランプがメキシコの壁建設の大統領令ですが
作業員はメキシコ人が担いそうですね。
アメリカに限らず3K労働は低賃金重労働のために
本国の人間には人気がなく、移民に頼っている現状
どうするんでしょうかね。
私の住んでいる地域でも東アジア系の人はいますが
最近は中東、東南アジア系も見るようになりました。
移民をシャットアウトしてもコスト上昇か機械化していくだけで、トランプ支持層には恩恵がないどころか格差が広がっていくだけな気がします。
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Unknown (コメントありがとうございます)
2017-02-22 23:13:24
(コメントへの返信が遅れ気味です。ご了承ください)
 ご指摘のとおりと思います。いずれにしても移民の是非はどの国にとってもなかなか結論の出せない、悩ましいテーマだと考えています。なのでトランプ氏の対移民労働者政策がアメリカにとって良いことなのかどうか、正直よく分かりません・・・

 多くの移民たちは、移住先国民よりもずっと低賃金で働かされ、得た所得の多くを母国に送金した後の残りのわずかなおカネで、母国よりもはるかに高い生活費の支払いに追われながら暮らしていくわけです。しかも彼らの大半には年金や保険といったセイフティーネットも提供されません。ということは・・・こうした移民が多くなればなるほど、移民受け入れ国の社会環境や治安が悪化するリスクが高まることも考えられます。

 だからといって移民たちに自国労働者と同程度の賃金や福利厚生を与えたら、それだけ彼らを雇うコストが上がってしまい、移民労働力の「安さ」という魅力が減ってしまうわけで・・・

 以上から、たとえば日本は、「低賃金の単純作業は移民労働力で!」みたいな発想で移民を大量に受け入れることはせず、保険料等の社会コストを差し引いてもプラスをもたらしてくれる外国人を少しずつ受け入れていく、といった移民政策を取るべきと考えます。もちろん彼らには(英語力ではなく)一定水準以上の日本語の能力も求めたいですね・・・
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