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「リーダー不在」でも「一隅を照らす」精神で輝く日本

2012-04-29 00:00:02 | 日本

 混迷を深めるこの時代、困難を打開する強いリーダーが必要だ、というような意見をあちらこちらで見かけます。

 欧米人の学者や評論家に「日本にはリーダーがいない」と嘆かれたりすることもよくあります。頻繁に交代する首相や、不祥事やトラブルなどでオロオロする企業経営者を例に挙げながら、言葉の裏にわが国のことを揶揄する意識が感じられたりします。

 では、そんな「リーダー不在」の国が、どうして戦後直後の焼け野原から奇跡的な復興をとげ、世界一の純債権国となり、あらゆる産業や文化をリードし続けているのでしょう。

 その最大の原動力となったのが、「プロジェクトX」でいくつも紹介されたような、高い理想を掲げ、私利私欲に走ることなく、さまざまな困難を乗り越えて偉大な業績を残してきた多くの名も無き人々の存在でしょう。

 最澄法師が開いた天台宗の教えに「一隅を照らす」というものがあります。「社会のどこにあっても、自分が置かれたそれぞれの持ち場で全力を尽くす。そうした仕事ぶりを通じて社会に貢献するような生き方をしよう」といったような意味です。

 わが国にはこの「一隅を照らす」の精神がいまも脈々と息づいていると感じます。

 アップル社の共同創始者S・ジョブズ氏のような超カリスマリーダーはいないかもしれないけれど、そんな必要がないくらい、ごく普通の人々が自分の領分でその人なりの能力やリーダーシップを精一杯発揮し、それらが結集して大きなエネルギーとなり、この国を豊かに発展させてきたと思っています。

 人間には誰にも欠点や短所があります。間違いを犯さない人間もいません。そんな人間が特別な存在に祭り上げられている社会や組織は、下手をすると独裁に陥る危険をはらんでいます。

 その点、わが国は幸いなことに(?)「リーダー不在」。民主党の野田佳彦氏が首相になったとき、海外メディアが「Noda? Who?(ノダって誰よ?)」と報じたように、(失礼な言い方でたいへん恐縮ですが、)各界のトップは印象も薄いし何となく頼りなげ(!?)。

 でもそれでいいと思っています。突出したリーダーがいないからこそ、多くの国民がこれからも一隅を照らし続けるでしょうから・・・。

 この5月、東京スカイツリーが開業します。このスカイツリーも、わが国にあまた存在する「一隅を照らす」精神の輝く結晶のひとつです。

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