世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

善戦する国産みかん「身土不二」

2012-04-13 00:02:58 | 日本

 冬から早春にかけての代表的な果物は「みかん」ですが、春本番を迎え、スーパーの果物コーナーに多く見られた国産のみかんは徐々に姿を消しています。代わって外国産のオレンジやグレープフルーツが並ぶようになりました。

 これら外国産のオレンジ類は、国産の果物の端境期に店頭に並ぶことが多いようです。価格も国産のみかんと比べると少し安いし、色つやもよく、一見、とてもおいしそうに見えます。

 ところが意外(?)なことに、これらのオレンジ類はいつも山盛り状態。となりに置いてある国産のイチゴなどと比べても、どうもそれほど売れ行きはよくない様子です。閉店間際のスーパーでは、他の果物がほとんど売り切れている中で、売れ残っているオレンジ色のコーナーがやけに目立っている印象です。

 おそらくその原因は「防かび剤使用(このオレンジにはかび防止剤○○が使用されています)」の立て札でしょう。これが消費者の警戒心を喚起し、外国産のオレンジ類を敬遠させているものと思われます。

 わが国の消費者は(おそらく世界一)「安全安心」にこだわります。安くても「食の安全」が保障されない商品はなかなか選ばれません。だから多少値段が高い場合でも安全な国産のみかん類が選ばれるのでしょう。もっとも、みかん類に限れば価格差はそれほど感じませんが。

 1991年のオレンジ類輸入自由化の開始以来、みかん栽培農家の皆さんのご苦労にはたいへんなものがあったと思います。為替の円高もあってオレンジ類の輸入が急増し、みかん栽培は危機に陥りましたが、各産地では生産調整、品質の向上、価格が高い種への切り替え等で対応されてきたそうです。

 また多くの品種が開発され、市場に投入されてきました。温州みかんや甘夏といった以前からの品種に加え、最近ではデコポン(上の写真)、はるみ、清見オレンジなどが店先に並び、多彩な味のバリエーションがわたしたち消費者を楽しませてくれます。近年では輸出拡大も試みられており、安全で味の良い日本のみかん類としてシンガポールや台湾などで人気を集めているそうです。
 
 こうしてみると、とても厳しい状況のなかで、わが国のみかん栽培はたいへん健闘していることが分かります。価格面ばかりでなく、安全面や品質面の要求が高いわが国の消費者ニーズにも上手に対応していると思います。

 今後、TPP加入などを通じて農産物のさらなる輸入自由化が進められる可能性がありますが、上記のみかんをめぐる状況をみても、生産者や農業関連産業等の創意工夫や消費者の賢明な判断があれば、わが国の農業はこれからも付加価値の高い産業であり続けると信じています。個人的にも、安全でおいしいわが国の農産物を優先して選んでいきたいと思っています。

 「身土不二」という考え方があります。もともとは仏典の言葉ですが、明治以降はおもに有機農業の分野で「地元の食品が体によい」という意味で使われているそうです(最近では「地産地消」と同義で使われることも多いそうです)。またスピリチュアルな世界にも、自分の住む土地で採れた農産物は自分の身体と波動が合うので心身の健康によい、という解釈があるようです。

 この「身土不二」に共感する多くの消費者に国産の農作物が選択されることで、わが国の農業がますます発展し、わが国の「食の安全」が維持・強化されることを期待したいですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする