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「世界長者番付」であまり目立たない日本の幸せ①

2012-04-19 00:00:40 | 日本

 先月、ビジネス誌フォーブズが2012年の世界長者番付「The World’s Billionaires」を発表しました。それによると、全世界で該当者は1,226人、全員の資産を合計すると4.6兆ドル、国別では、アメリカ425人、ロシア96人、中国95人、ドイツ55人、イギリス37人などとなっています。ちなみにわが国は台湾と同じく24人。番付第1位はメキシコの企業家、第2位はマイクロソフト創設者のビル・ゲイツ氏、第3位は著名な投資家のウォーレン・バッフェト氏などとなっていて、日本人トップはユニクロの柳井社長で全体の88位とのことでした。

 これを見る限り、名目GDP世界第3位(ついこのあいだまでは第2位)の経済大国である割に、わが国の地位には地味(?)な印象があります。わが国には長者番付にランクインする人が少ないし、1人で一国の国家予算並みの資産を持つような飛びぬけた資産家もいないという結果になっています。これをどう見るか。アメリカほどとは言わないけれど、GDPが同等の中国と同数くらいのスーパーリッチがいてもいいかな、とか、長者ランキングのベスト10に1~2人くらいは入ってこないと、といった感想もあるかもしれません。

 個人的には、わが国はこれでいい、と思っています。世界長者番付に登場する人数も、上位にランクされる人数も多い方ではないのにGDP世界第3位ということは、アメリカや中国などと比較すると、わが国は国民の資産配分がより広く緩やかになっているということだと思われるからです。

 アメリカでは上位1%の富裕層がアメリカ全体の約42%もの金融資産を持っているそうです(2007年時点)。また中国も上位1%の家庭が中国全体の41%あまりの資産を保有しているそうです(2010年時点)。資本主義の総本山アメリカと共産党一党独裁が続く中国の上位1%富裕層による資産占有率がたいへん近くて非常に興味深いところです(さらにいうと、中国の資産家の半数は将来はアメリカに移住したいと希望しているそうです。中国の「愛国教育」はうまくいっていないみたいですね)。

 これらに対して、わが国の資産分布(2008年)は最上位8%が25%の資産を、中位44%が52%の資産を、中下位48%が22%の資産をそれぞれ保有するかたちとなっており、アメリカ・中国の両国と比べると資産格差が穏やかになっていることが分かります。ウォール街占拠運動のようなデモ活動や暴動等がアメリカやイギリス、中国などで多発する中で、わが国ではこうした動きが少ないのは、社会不安を招くほどの大きな資産・所得の格差がそれほどみられないためということもできるかもしれません。

(続く)

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