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「執行猶予2年」税率引き上げの時期が重要な消費税増税

2012-04-11 00:02:08 | 日本

 3月30日、消費税増税関連法案が閣議決定されました。

 それによれば、現行5%の消費税率を2014年4月に8%、2015年10月に10%に引き上げることになっています。一方、経済状況の激変に柔軟に対応するため、引き上げ前に経済成長率や物価動向などの経済指標を総合的に判断したうえで、増税を停止できる条項(附則第18条)も盛り込まれています

 消費税増税については賛成・反対それぞれの立場で議論百出ですが、私は個人的に、この消費税率アップのタイミングが決定的に重要と考えています。

 というのも、これまでもここに書いてきたように、近いうちに、わが国(そして世界)はまさにその「経済状況の激変」に直面する可能性が高いとみているからです。つまり、ドルやユーロなどのマネー過剰散布がもたらす激しいインフレ、欧米諸国(および新興国)の金融不安や世界的なリセッション、それらを受けた一段の外貨安/円高といった事態に、近々、わが国は最優先の対処を余儀なくされるだろうから、消費税増税の開始時期には十分な配慮が必要だ、ということです。

 このような情勢下では、世界経済が「恐慌」に近い状態に陥るとともに円高が進むと想定されるため、わが国経済としては外需に期待をよせることが難しくなります。かわって大きな頼りとなるのが、震災復興需要を含む内需でしょう。

 ところが、こうしたタイミングで消費税率が上がる(あるいは、上がっていた)となると、内需の根幹を占める「消費」に冷や水を浴びせてしまいます。結局、外需に加えて内需も落ち込んでしまい、諸外国と同様、わが国も厳しい景気後退に見舞われることになるでしょう。こうじた状況は何としても避けなければなりません

 ところで、この法案によれば、税率の引き上げは2014年4月です。消費者の立場で前向きに見ればあと2年も先です(個人的には3年、つまりFRBのゼロ金利政策が継続される予定の2014年終盤くらいまで税率を現行の5%に据え置いてほしいと思っていますが・・・)。この2年のうちに(早ければ今年2012年のうちに)、かなり高い確率で上記のような世界的リセッション(ほとんど世界恐慌!?)という「激変」が起こるでしょう。そうなれば、幸か不幸か、消費税アップの時期が先送りされることになるかもしれません。

 しかし、わが国は、このような激変に対応するため、消費税率引き上げを停止して消費減退を防ぐとともに、公共事業の積み増しなどの内需振興策を積極的に実行すれば、深刻なリセッション入りは避けることができると予想しています。

 そして消費税増税はそうした政策等で景気が持ち直してからでよいだろうと考えています。まずは「激変」への適切な対処が第一で消費税増税はその後、ということです。

 ある意味で、この消費税率引き上げの「執行猶予2年」はたいへん微妙です。この2~3年間は、リセッションに苦しむ世界経済が、わが国の内需に数少ない希望を見出す期間になりそうな予感がしています。

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