木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

悩ましいチベットと中国の人権抑圧問題

2008年04月22日 | Weblog

北京オリンピック聖火リレー、チベット問題で混乱。
中国も国際社会で認められようと思えば、国内の人権抑圧問題なと衝かれるのは仕方ない。
チベットまでの高速鉄道が開通して、それを追うNHKのスペシャル番組を見たが、秘境と思っていたチベットも、高速鉄道とともに自由主義経済の波が押し寄せてきていて、純朴だったチベットの人達が、商売慣れした漢民族に翻弄され始めている様子が感じられた。
ホテルなどの中国人経営者は、秘境を求めてやってくる各国の観光客目当てに、チベットの田舎の民芸具などを、チベット人の従業員に案内させて、買い集めていた。
チベットの心ある人達が「チベット文化」が失われてしまうと危機感を持つのもわかる。
世界に名だたる「華僑」の伝統を持つ中国商人にかかったら、チベットらしさなど、あっという間に駆逐されてしまう。
中国は、鉄道を通して、チベットの生活水準を上げて、いいことをしてると思っているのに、肝心のチベットの人達には反発され、世界からは「人権侵害」だと叩かれ、「心外」だろうが、漢民族が第一位、チベット族は二位以下、という考えだろうから、そこが反発の根っこなのだろう。
話はそれるが、今回の騒動で、中国政府の見解を報道陣に発表する報道官、日本で言えば官房長官のようなものなのか、この女性報道官は一目見ただけで「傲慢そうなイヤな奴」という印象の人だ。
欧米人にはわからないかもしれないが、似たような顔立ちのアジア人にはすぐわかる。
こんな報道官が出てきただけで、理屈抜きに「反中」になってしまう。
多分、成績はものすごく良くて、背景も親族に共産党の有力幹部がいて、それでこの地位にいるのだと思うが、いかにも人を見下した雰囲気は中国のためにならないと思うけど。
以前にもやはり嫌味な女性報道官がいた。
胡錦壽氏など、最高幹部の見た目の印象は悪くないが、こうした中間位置にある人に碌でもない人物がいそうだ。
「自分より下だと思っている人間に威張るのが仕事」と考え違いしてる役人。日本にもいそうだけど。
NHKは「激流・中国」という特番をシリーズで放映しているが、そこでは、中国内陸部に、「文化大革命時代」の下放よろしく、沿岸部の豊かな家庭の学生が、臨時の教師になっていく姿や、近頃頻発するようになった、土地の収用をめぐっての行政当局と人民との争いに人民側に立って問題解決に当たる弁護士を登場させ、大発展中の「中国の光と影」を映し出している。
かなり踏み込んで、さまざまな矛盾を追っているように私には感じられ、中国当局が、よくこうした取材を許可したなあという感想を持つ。
「人権侵害」と「言論弾圧・けん制」というと、すぐ中国が槍玉にあがるが、それだけではない底流もある、と感じさせる番組だ。
フランスやイギリスでの聖火リレー妨害行動には「やりすぎじゃない?」という印象も正直持ったが、また「国境なき記者団」なる組織には、アメリカCIAから資金が提供されているらしいとのことで、この世界におこっていることは「絶対正義」、「絶対不正義」と簡単には分けられないようだ。



政局を語る小泉を持ち上げるのは、堕落したマスコミ人だけ。
小泉元総理が「解散風が吹いてきた」などと語り、何やら怪しげな動きを始めたことに対して、テレビ朝日、朝のワイドショーのスーパモーニングで、ゲストコメンテーターのコント山口君という芸人が、「今、小泉さんに語ってもらうべきは、自分が総理だった時に決めた後期高齢者医療制度に附いてどう思うのか、違憲判決の出た、空自のイラク派遣について、自分の下した判断はどうだったのかとか、そういうことでしょ」と、まっとうな怒りの発言をした。
これに対して、三田園という政府自民党の太鼓もち記者は、山口君の発言に正面から向き合うことなく、話をそらし、あくまで政局話だけをおしゃべりしていた。
今や、こうした大手マスコミの記者達は、永田町界隈をうろついて、そんな政局話にばかり気を取られているのだろう。
そして国民の側の気持や怒りに目を向けようともしない。
こんな人種は信用してはいけない。
常にお客さん、特に庶民に向き合っている芸人の言うことのほうに真実がある。



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