改憲策謀のきわみ
現時点はそう言えるだろう。96条の発議のハードルを下げ、9条改定に持っていく。それだけでなく反時代的な「自民党憲法草案」を国民に押し付けてくる。
改悪側はそうできる「千載一遇」のチャンスだと思っているはずで、これを逃したらおそらく永久に権力側に都合のいい「憲法改定」の機会は巡ってこない。
2000年4月30日の信濃毎日新聞に「危険な改憲ムード」と題して、憲法学者の奥平康弘氏の寄稿が掲載されている。
この2000年という年はすでに衆議院選挙で「小選挙区比例代表制」が実施されてから2、3年経っていた頃で、社共などの護憲政党を始めとした「護憲勢力」の退潮がはっきりしていた。
2大政党制の旗を振った政治学者達は「小選挙区制度」が、こうした改憲の陰謀の道具になってしまうことを予見しなかったのか。
「理念無き2大政党制」など何の意味もない。
奥平氏は「ある方向へ向かわせる政治ムードはひとたび勢いをつけると、その内容がものすごく不合理な内容であっても、それが既成事実となって人々を支配し始める」と述べ、
「憲法九条があってさえ、支配政治勢力は世界有数の自衛隊という軍隊を築くことに成功した。その同じ政治勢力が今度は戦力不保持規定がなくなり、自衛隊が普通の国の軍隊並みに昇格した暁にはどんな法的な制限をつけてもやっぱりこれを無視することになるのではなかろうか」と書き、
「防衛庁が防衛省に、いや陸海空の三省に成長し、多額の軍事予算を要求し、兵器産業と結託して悪事を働いても軍事機密の名でカバーされるといった図式の展開となるのも自然の勢いというものである」としている。
10年前のこの警告が今現実のものとなり、防衛庁は防衛省になってしまった。そして自衛隊ではなく、国防軍にすると、安倍のバカは、何も考えないまままるで原稿を読むように言う。
安倍をはじめとして、自民党・維新などの性質の悪い連中の頭の中はどうなっているのだろう。
彼等のボスであるアメリカの軍や政治や経済を支配している連中にとって、これら日本の政権を支配している者達はカーストで言うと一軍の下位に相当するのだろう。この位置にいるものこそ、そこから転落したくなくて、どんな理不尽なことも受け入れる人間に成り下がる。
その冒頭での内橋氏の発言。
「いま、真実から遠い言い方で憲法が足蹴にされています。国会で「戦争の勝利者が敗戦国を統治するための即製基本法」と言ったのは、ご存知の石原慎太郎氏。それに「一週間ちょっとでつくったのが現憲法の原案だ」と安倍首相が呼応する。国会の場で歴史的事実をスリ替える発言が公然と行われ、誤った憲法観が国民に刷り込まれていく。」
また、壊憲論は近隣地域住民の中にも幅広く存在しています。大日本帝国の実在を日々感じています。
デマに乗ってしまう心理状況が今国民の一定程度の人々の中にある。
マスコミ、特にNHKの報道をどうしてみんなこんなに信じるのか。「大本営発表」を垂れ流した張本人なのに。
話は変わりますが、河出書房新社の元編集長長田洋二氏が言っていましたが、「世界」の固定個人購読者数は500部ぐらいだそうです。
これを特に少ないとは言えないと言っていました。