木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

チリ落盤事故のリーダーに政治家の資質

2010年10月18日 | Weblog

チリ鉱山落盤事故全員救出ではリーダー格のルイス・ウルスアさんのリーダーシップが讃えられた。
限られた食料の配給制度を確立し、政府との連絡調整にあたり、作業員同士の融和にも努めたと新聞記事は伝えている。
このウルスアさんが発揮したリーダーシップこそ、一国の政治のリーダーがやらなければならないことだと思った。
現在の日本ならば、経済が縮小している時に、一部の大企業が望んでいる「消費税上げと法人税下げ」を進めるのではなく、ウルスアさんが断行したように、「分かち合いの経済」を考えるべきだし、アメリカや中国とも、日本国民の立場に立って、交渉することは粘り強く交渉するという対外的調整をし、いきなり何の説明もなく、消費税上げや
自ら身を切ると称して、衆議員の比例部分の定数削減を叫んだりするのでなく、国民によくわかるように説得し、ウルスアさんのように国民の信頼を勝ち取らなくてはならない。
チリというと、学校の教科書では硝石だの何だの鉱物資源の豊かな国と記述されていたが、わたし的には1970年代の民主連合政府「アジェンデ政権」が思い起こされる。
その政府が、CIAの陰謀によって、転覆される時、国民に向かって「私は辞任しない」というメッセージを放送局から演説し、その直後、ピノチェト一派に銃殺されたという、アジェンデの悲劇は今も鮮明だ。

「天安門事件」幻の映像。
今年のノーベル平和賞は中国の民主化活動家劉暁波に与えられたが、劉氏は、「天安門事件」の際に、現場で、興奮、激高する学生達に、軍隊と衝突して自爆するのではなく、一旦ここを退去するように説得したという。
この新聞記事を読んだ時、私はNHKスペシャルだったと思うが、ある映像を思い出した。
それは天安門前広場に集結して、政府に民主化を求める学生達が、軍隊の出動を前に議論し合って、結局その場を去ることになって、犠牲が免れたというドキュメンタリー映像だった。
しかし実際には小平はこの民主化要求を軍を出動させ、戦車で若者達をひき潰して弾圧した、中国現代史の汚点とも言うべき事態が起こったわけだが、私にはただ一回見たこの映像が妙に引っかかっている。
確かにアジテーターの役割をになった学生達は軍隊出動の前に現場を立ち去っていたが、あの映像はそれを追ったものではなかった。
その後、このドキュメンタリー映像を見ることはなかったし、話題にも上らなかったように思う。
劉氏の平和賞受賞で、もしかしたら、あの映像は劉氏が関わった場面のものだったかもしれないなという気がした。

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