ここ2,3日暖かい。
椿は終わり、梅も盛りを過ぎて桜が咲き始めた。サンシュユは実に花もちがいい。黄色い花を保っている。
NHKBSの敗戦後の満洲での感染症爆発の悲惨さのドキュメンタリーを見た。
私達は敗戦後の満洲からの引き揚げと言うと満蒙開拓団のソ連兵の攻撃を逃れての逃避行を思い浮かべるが、戦前の満洲では開拓団とは別に満洲での鉱山や工場や商売に携わった人たちがいた。
何と言っても悲惨なのは開拓団の逃避行の人達だったが、粗末で不衛生な収容所で蔓延したのがコレラ、腸チフス、赤痢等。日本への引き揚げ船が出るのを待つ間に命を落した人が大勢いた。
知らなかったのだが、戦前の満洲には「満洲医科大」という医学生養成の大学があって、日本人だけでなく中国人も学んでいた。
戦後「砂の女」など不条理な世界を描くことに定評のあった作家安倍公房は当時ここの医学生。父が教授を務めていて、安倍も感染症対策の一人として活動した。
今のコロナと同じで医療従事者でも活動している間に感染して命を落す者もいた。コロナと違ってコレラもチフスもワクチンはあって、それを当時の国民党軍に決死で受け取りにいくという事実もあった。
着の身着のままの開拓団とその他の住民、敗戦国民と言う点では同じでもそこには明らかに差別と格差があった。
戦争も軍隊も一般国民は助けない。国民を蹂躙するものである。
当時の支配者達が守りたかったのは天皇を頂点とした天皇制支配体制である。全てを犠牲にして守りたかったのはこれである。今も天皇制は残っている。支配者たちはこれを巧みに利用しているのだと思う。
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