アダム・スミスの夕食を作ったのはだれか?
少し前になりますが、信毎の新刊紹介にありました。著者はスエーデン出身、英国在住のジャーナリストのカトリーン・マルサル。高橋璃子・訳
功なり名を遂げた人の多くは家事や育児を一手に引き受けてくれる妻がいて、事業や研究に専念できた。
女性の場合は、例えば歌人の与謝野晶子は10人ほどの子供がいましたが、家には子守や家事をしてくれるばあやとかねえやと呼ばれる存在があったと思います。夫の与謝野鉄幹が家事をしたとは思えない。
しかし現代はそんな便利な存在はないことがほとんど。家事代行という存在はありますが、晶子の時代よりはるかにお金がかかります。
こうした生きていくうえで必要不可欠な家事は経済学では今まで無視されてきました。
しかしこれらこそ生きていくうえで不可欠な仕事です。これを無視して経済を語るなかれです。
ようやく最近になって家事を無視しては事は始まらないということが理解され始めました。だがまだそのことが分かっていない男達は多いですね。60代以上ですかね。
若くてもママが何でもやってくれたお金持ちで受験戦争を勝ち抜いた男子、女子もかは事の重大さを理解していません。官僚や政治家、特に自民党の政治家はだめですね。
アダム・スミスの夕食を作っていたのは母親だった。「見えざる手」が無視していたところに光を当てたと紹介者の松村由利子は結んでいる。