なにゆえ医師を目指す?
「頭をやわらかく」という趣旨のNHK番組を見た。
有名進学校で知られる神戸の灘中・高校の自身で課題を見つける勉強法を取材していた。いわゆる私達がイメージするがり勉で受験勉強ばかりしている学校の雰囲気ではなかった。
その学校の生徒達が将来の職業として「医者」、「医者」と言っていた生徒が多いのにちょっと鼻白んだ。
おそらく阪神間の最先端の医療を担う病院や研究機関の医師を親に持つ生徒が多いのだろう。
『医学部』(文春新書)の著者の鳥集徹氏は有名進学校で医学部を目ざす生徒が増えていると書いているがその動機は「医師は食いっぱぐれがないから」と言うのが親子共々の傾向だという。しかし医師に求められている資質は「偏差値の高さより苦しむ患者に寄り添う共感力」だと指摘している。
灘校でユニークな教育を受けても同じような環境で生活していてはそういう医師になれるのかと危惧する。
僻地や離島、あるいはアフガンで犠牲になった中村哲氏のような医師になっていけるのかいうとはなはだ疑問ではある。