命を賭けて徴兵に抗う「安らぎの刻・道」
殺すことも殺されることも拒否して根來家の3男三平は毒をあおって死ぬ。
こんな道しかなかった70年前の日本。韓国たたきをして安倍右翼政権に同調している場合じゃない。
そして心を許し合った相手、しののお腹には三平の子供が。弟の公平がしのと子供を引き受ける展開になるようだが・・・。
実は戦死した兄の残した家族を引き受けた弟達の存在が戦後の日本を支えた。
私の生まれ育った農村にもそんな例がいくつもある。
兄嫁だから年上、それもまだ徴兵を受けなかった弟だから7、8才離れている場合が殆ど。
この運命を父母や甥・姪のためにひきうけたのである。この当時は結婚は親が決めるものだから現代程抵抗はなかったかもしれないが。
何より兄の子供達を路頭に迷わせるわけいにはいかない。特に農村では田畑が何より大事。占領軍が入って来て農地解放をしたから小作から解放されたわけで、労働力として父母を助けていた兄嫁を離縁するなどと言うことはあり得ない。子供がいなければ兄嫁にも別の人生を歩む方法はあるだろうけど。都会では子連れで再婚する人もいたようだけど。
うまくいかない場合もある。この時出ていくのは兄嫁ではなく弟の方だ。両親が許さない。
戦争体験者はみな口をそろえて「戦争は嫌だ」という。しかしあらゆる「戦争の芽」を芽の内に摘み取らなければいけない。「戦争は嫌だ」と言いながら韓国や朝鮮をたたくことに同調しているようではまた戦争になる。しかし今度そんなことになったら核もある無人攻撃機もある誰も生き延びれないのだ。
被害を与えた側、加害側が心しなければならないのに今の日本はそういう人が少数派で特に与党の政治家にその見識がない。憂うべき状態だ。
日本の愚かな指導者達が引き起こした侵略戦争にほんろうされたのは「大正世代」である。その大正世代も末期に生まれた人も90を超えている。