木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

小保方さんはとんだ「食わせ者」なのでしょうか。

2014年03月15日 | Weblog

割ぽう着のリケジョ失速。
STAP細胞という夢の再生細胞実験に成功したと、華々しく登場したのに一ヶ月ちょっとで、その研究者として実力と倫理を疑われることになってしまった。
私達が女性の研究者に抱く固定観念を覆した感じの人だったが・・・。
まだ三十才という若さ、髪形もメイクも今時の若い女性らしく整えていて、白衣ではなく、おばあさんに贈られたという割ぽう着を身につけて、研究・実験室を自分の好きなユーミンのキャラクターで飾ってと、だけど誰よりも熱心に実験に取り組み、妥協をしない、そんなワイドショー好みの物語でマスコミをにぎわしたのだけれど。
その論文はかなりずさんで、STAP細胞という万能細胞を作り出せたのは彼女だけで、他の人には再現できなかったという。
そのような論文を出せば、注目される研究だけに不備を指摘されるのは目に見えているではないかと、私などは思うけど、小保方さんと理研のチームはそう考えなかったらしいのだ。
小保方さんは早稲田大学の出身だが、その早稲田大学で博士論文として提出したものを使いまわししたのだという。
どうもそういうことがまかり通っていて、小保方さんもそれがそんなにいけないことだと思っていなかったらしいのだ。
日本の、日本だけではないかもしれないが、科学研究というのはその程度のレベルで、政治・経済と同様、学問の世界にも「倫理崩壊」がまかり通っている。
理研は民間研究機関だが、公的資金がかなり入っていて、安倍政権が推進する「技術立国日本」の柱として、独立行政法人として豊富な税金投入が約束されるという矢先のこれは事件だった。
私はかつて個人冊子「木洩れ日」で、ロックフェラー研究所の研究員だった野口英世が、研究所の名声を高めるため、昼夜敢行で細菌の新発見やそのワクチン作りに奮闘した姿を追ったが、その姿と理研の研究員が重なる。
野口英世も手技がとても上手で、だれもその追試ができず、そこから野口への疑念が学界で持ち上がってくる。
昔も今も功名を目ざし、誰よりも先にという研究世界の競争がある。
実用化されれば、企業に莫大な利益をもたらす世界だけに、その狂騒に巻き込まれると、稚拙な道に走ってしまう。
佐村河内守事件にも通じるお粗末な騒動だったようだ。
それにしても高齢の部類に入って来た私からすると、小保方さんの論文提出に至るノーテンキさは理解できない。すぐバレルでしょう。そんなことになれば研究者としてこれから信用してもらえないでしょうと考えるけど。
それとも可愛くふるまえば、あるいは泣き叫べば、みんな許してくれる、とでも考えているのだろうか。

コメント (2)
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