「核密約」認める。
今日の大きなニュースはこれ。
非核3原則の内、「持ち込ませず」が暗黙の了解で秘かに認められていた。
核兵器が搭載された米軍の艦船が日本の港に立ち寄っていることは、殆ど「常識」と言っていい事柄ではあった。
核兵器が搭載された艦船でもし事故が起きて、放射能が漏れたりしたら誰が一番被害を受けるか。
それはまず艦船の乗組員であろうし、寄港された日本の港を中心にした地域と人々だ。
核兵器を搭載した艦船で世界の海を航海し、同盟国とする日本に寄港するということを決定しているアメリカの政府や軍の関係者は、とりあえず被害の外だ。
戦争で一番痛めつけられるのは、実働の兵士と戦場にされた場の民間人であるのとこの「核持込」は同じ構図だ。
軍事評論家の田岡氏は冷戦が終わった90年代以降「核搭載」した米軍の艦船は航行しない方向に変わっていると言っていた。
それで一番ホッとしているのは艦船の乗組員自身だとも。
そんな危ないものを積んだ船に乗るのはアメリカ兵もイヤだし、緊張を強いられることだ。
そういう実態があるので、アメリカでも「核持込」に関する公文書が公開されたのだろうと思う。
アメリカ政府は、日本の政府が「唯一の被爆国」であるがゆえに、アメリカの要求と国民感情の間に立って、「密約は存在しない」などという苦しい、見え透いたウソをつかなければならない事情などは斟酌しない。
今回有識者委員会の見解として「核密約」の存在を渋々認めたのだが、そうせざるを得ない大きな原動力になったのが、歴代の政治家と共に、そういうアメリカ側とのやり取りに立ち会ったかつての外務官僚が、このことを著書やインタビューで明らかにしたことがあると思われる。
しかし、気骨の元外務官僚天木直人氏は、これらの外務官僚OBの目的は、日本の平和のために「非核3原則」の厳守を改めて政府に訴えることではなく、むしろ
「密約があった時代にも特に問題なく?やって来れたのだから、これからは3原則を2・5原則ぐらいのレベルにするということを国民にも認めてもらって、日米同盟をより深化させるべき」というところにあると言っている。
「どこまでもアメリカについて行きたい」が、外務省に染み付いた体質だと言う。
やはり外務省という役所は一度解体しないと、国民のためにならない。