アベノミクスの経済政策で、株価が上昇したことは事実だが、それは、富裕層や大企業の経営陣など、株価上昇による恩恵を受ける人達だけが資産増加に浴しただけである。
8割以上の勤労者は、2013年の「賃金構造基本統計調査」(厚生労働省2月20日発表)によれば、給料の金額は殆どが減少となっている。
フルタイムタイムで働く正社員の平均基本給は、月額29万5700円で、前年より0.7%減少した。
また、正社員だけのデータは、31万4700円で0.7%減。非正規労働者は19万5300円で、0.6%減となっている。
2013年は物価下落から上昇に転じているので、勤労者の大部分の人は生活水準を落とさなければ暮らしていけない。
特に短時間勤務をするアルバイトや契約社員の時給で見ると、一番、生活費がかさむ年代の35~39歳では、平均時給が1167円で2.9%減少し、40~44歳では1191円で3.6%の減少である。
安倍政権が発足後の経済政策では、中間層にも厳しく、特に低所得者層は全く報われない給料に甘んじていたのである。
その一方で、2014年度からは消費税増税をはじめとして、厚生年金保険料の増加など、負担増加が目白押しに控えている。
年収400万円の世帯の負担増加は、6万2千円(1.5%)増加で、給料の減少0.7%分と家計負担1.5%増加分で、2.2%の生活水準ダウンを強いられる。
平均的な正社員ですら、この様な実質収入減にさらされ、非正規雇用の臨時雇用者は、35~44歳の年代で4.4~5.1%モノ実質収入の減少に脅かされる。
安倍自民党政権の実績は、全くない状態であり、有効な政策を打ち出さなければ、確実に消費購買力の減少で、経済は低迷するのは間違いない。
ところが、政府の2014年度の経済成長の見通しでは、1.4%成長を目論み、甘い期待だけが先行している。
民間の調査機関13社が2014年度の見通しを、平均では0.8%成長と下方修正している。
企業業績の回復や収入増による消費の伸びは、大企業や富裕層に偏ってお金が流れ、その恩恵は勤労者層には回ってこない構造は明らかになっている。
安倍政権の経済政策に期待する空気が作られるのは、メディアのねつ造である。