花好き・旅好き80代の北国女性の日記(ブログ開設18年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だったが、新型コロナ禍と膝の不調、円安が重なり外国は見合わせている。

《11》 忘れられないトイレ事情

2007年03月02日 | 海外旅行 色々
 この30年近い旅行体験で、未だに忘れられないトイレ事情と子どもの頃の切ない思い出を書いてみます。

 まず、当時はトイレットペーパーが設置されているトイレはとても少なかったです。当時日本では、第一次オイルショックが納まり、すでにどこの家庭でも、真っ白くて柔らかいトイレットペーパーを使っていましたが、そんな日本がその頃はまだ特殊な国で、外国で見たトイレットペーパーは、どれも薄くて硬く、幅も狭く、茶色をした再生紙が多かったです。パリのエアーフランス本社に設置されていたトイレットペーパーも、まるでハトロン紙の様でした。

 ソ連ではもっと厚くて硬い、丁度、今のハンドペーパーの様な感触の茶色い紙が使われていました。
 モスクワ郊外の「黄金の環」地域に観光に行った時のレストランのトイレは、隣との仕切は辛うじてあるけれど、入り口にはドアに変わるカーテンの様な物も何もないので正に丸見えでした。本当に驚きました。

 中国の西安から70km離れた興平市にある楊貴妃の墓に行った時、その傍にあったトイレにも仰天しました。穴を掘って作ったトイレなのですが、ここでは隣との仕切は申し訳程度の物で、高さは50~60cmしかなく、女性がしゃがんでも隣同士顔を見ながら会話ができるというトイレでした。
 ガイドブックには、「中国人にとっては、排泄行為というのは全ての人間の必然的な行為だから、恥ずかしいなどという考え方はしないのだ」と、書いてありました。でも、文化の違う私達は、恥ずかしくて使うのをためらわずにはいられませんでした。

 インドやトルコのホテル、レストランのトイレは、ほとんど立派な水洗式でしたが、決まって内部の後ろか横に低い水道があり、傍に小さな水入れが置いてありました。使った後は水を汲んで流すという昔ながらの使い方が、今も受け継がれているようでした。

 オランダに行った時、レストランのトイレを使ったツアー仲間の男性は、トイレの座面が高すぎて座り難いし、男性の小用トイレには届かないので困ったと言っていました。私は見なかったので確かめませんでしたが、確かに女性用も結構な高さがありました。それはオランダ人が世界一の身長の人達で、当時の平均身長も、女性で165cm、男性で175cmあったという所から来ているのでしょう。
 私は特に洗面台が高すぎて困りました。顔を洗おうとすると水が腕を伝って下がって来てしまうのです。
 (酪農家で会った小学校低学年の女児は、二人とも私より大きかったです。町を歩いていると、日本人はまるでこどもの様に見えました)

 

  このトイレは、ローマのテルミノ駅傍の私達が泊まった古いホテルの物です。しっかりした陶器製で作られていました。
 四角っぽい形も良いですが、私が一番気に入ったのは、トイレットペーパーと洗浄ブラシがコンパクトなセットになっていて、持ち運びや移動ができる事でした。日本でもこの様なデザインの物があると良いと思いました。

 水洗トイレの水の流し方も色々ありますね。足下のボタンを踏むもの、背中側の壁にボタンがある物、上からぶら下がっている紐を引っ張るものなどです。トイレに入ったらいつも、そこはどのような仕掛けになっているトイレなのか、興味が湧きます。

 (水洗トイレの紀元は、日本でも外国でも、その昔、小さな小川に板を渡して用を足した「川屋」の様です。やがてそこに囲い を作ったり、家の中に水を引き込んでトイレにしたりと発達したのですね。アテネやトルコの紀元前の遺跡にも見られますから。
 また、中国などでは、家畜小屋の隣に厠を作り、排泄物は家畜小屋に流れていく仕掛けにしてあったらしいです。ブリューゲルの絵にも、魚を人間の排泄物の餌で飼う池が描かれています。そうやって育てた家畜や魚を家族は食べたのでしょうか。それとも、それを知らない遠くの村に売りに行ったのかも知れませんね。

 思い出すと、私が子どもの頃は、日本の農家にも畑に排泄物を溜めておく大きな穴がありました。
 今になれば笑い話ですが、実は私が子どもの頃、その中に一度落ちた事があり、見つけた叔父が潅漑溝に連れて行って洗ってくれました。化学肥料が使われ出してからは人糞は使われなくなったのですが、別の問題が起きて来ましたね。

 明治時代に絵柄が付けられたトイレがあったという記事を読みました。きん隠しの外側に立派な花の絵が描いてあるのですが、使用した人はどうやって全体を鑑賞したのかなと不思議に思いました。)




 今し方、上の記事を読んだある人から、アドバイスのメールが来ましたので、早速、下に掲載させていただきます。有り難うございました。

  『ところで、トイレの話ですが、インドやトルコでトイレ内に水道やコップが置いてあるのは、水を汲んで流すためではなく、おし尻を洗うためです。だから、水洗トイレでも別に水道が付いています。
 彼らは紙は使いません。便をした後は、水で洗います。紙を使うのは野蛮な外国人で、水で洗う方がきれいだと信じています。 インドの場合、その時に使うのは左手で、左手は不浄の手。そして、食事に使うのは右手。スプーンやフォークを使うのは、野蛮な外国人で、手で食べるのが正式です。手でも味わって食べると、なお美味しいそうです。
 日本のきんかくしが無い形のトイレ(インデァン式)だと、便器に向かう時、日本と逆方向(穴のある方にお尻を向ける)になるのも興味深いですね。』

コメント
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