なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

いわゆる中毒疹

2024年05月12日 | 皮膚疾患

 5月8日に皮膚科医に全身に皮疹のある患者さんのことで相談された。相談されても、あまり参考になる意見も出ない。

 患者さんは51歳女性で、夫といっしょに受診していた(中国出身らしい)。全身に紅斑があり、一部は紅皮症様になっている。

 3日前に焼肉を食べて、嘔吐・下痢があったそうだが、それは受診時には治まっていた。翌日から紅斑が出始めて、受診日には全身に及んでいた。38℃の発熱があり、倦怠感を訴えていた。発熱以外のバイタルは問題ない。見るとけっこうびっくりするが、皮膚科としては粘膜疹がないので、重症とは思っていないようだ。

 白血球7000・CRP10.2と炎症反応が上昇していた(4年前産婦人科受診時には白血球4500なので、少し上昇)。AST 29・ALT 55と若干肝機能が上昇しているが、たぶん脂肪肝だろう。

 咽頭痛というか、のどの違和感を訴えたが、口腔内は所見がない。念のため耳鼻咽喉科でも診てもらったが、咽頭喉頭は問題なかった。内科というか内臓疾患に関連したものとは言い難い。

 ツツガムシ病としては刺されるような活動はなく、皮膚科医が診ても刺し口はなかった。そもそも皮疹が違うらしい。特に薬も使用もなく薬疹ではない。嘔吐・下痢したことと関連しているのかもしれない。

 内科としては念のため血液培養を提出しておくくらいでしょうか、とお伝えした。(血管が見づらく、提出はされなかった)

 食欲が低下しているので、痒みがあるので抗アレルギー薬は出すが、あとは点滴をするくらいで経過をみるそうだ。診断名は全身性中毒疹となっていた。

 中毒疹というのは、内因外因さまざまな原因(薬疹、細菌・ウイルス感染、食物その他)で誘発される反応性の皮疹の総称ということだ。正式な病名ではないそうだが、便利なのだろう。

 入院したが、翌々日には解熱して食事摂取も良好となり、退院となっていた。

 

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