2月9日(金)に腎臓内科の先生にパーキンソン病の治療について相談された。相談というよりも自分の判断を確認するために訊いてみたということのようだ。
患者さんはパーキンソン病で当院の脳神経内科外来(大学病院からの応援医師担当)に通院していた。処方はパーキンソン病の処方がほぼフルで入っている。認知症もあり、認知症薬と抗精神薬も出ていた。
1月14日(日)に肺炎で救急要請して、地域の基幹病院に搬入されていた。酸素10L/分でも酸素飽和度が90%未満で、たぶん最初に当院に依頼が来たはずだが、対応困難ということで断ったのかもしれない。
両側肺、特に右肺の浸潤影が広範に広がっていた(誤嚥性肺炎)。気管挿管・人工呼吸ではなく、NPPVで対応していた。2週間の抗菌薬投与でしだいに軽快して、ネーザルハイフローを経由して、酸素量が漸減されて、酸素吸入から離脱できたとある。
経口摂取は困難で、経鼻胃管による経管栄養が行われていた。その状態で当院に2月7日転院してきた。リハビリ・療養転院は内科系医師が順番に受けている。
聴覚言語療法士による嚥下評価から始まったが、喀痰が多く、頻回の吸引を要していた。2月9日に担当医が診察した後に、痰が詰まったらしく、呼吸停止状態になった。
すぐに気管挿管・人工呼吸が開始された。自発呼吸はあるが、抜管するとまた痰が詰まる可能性があり、連休明けの気管切開を考慮しているという。
訊かれたのは、パーキンソン病の治療(点滴静注への変更)だったが、実際は先方の病院での対応が記載されていた。レボドパ製剤の点滴静注(ドパストン注)と ドパミンアゴニストの貼付剤が使用されていた、とある。
点滴は末梢からだが、CVカテーテルを挿入して高カロリー輸液に切り替えていくという。経鼻胃管はそのままにして、薬剤投与だけ行うようだ。すでに関節拘縮があり、はたしてこの病状で大量のパーキンソン薬の投与はどれほど効果があるのだろう、と思ったらしい。
急性期病棟はかなりの入院数のところに、COVID-19の患者さんと人工呼吸の患者さんをみるので、週末は大変だった。(地域の基幹病院は、当院なりの集中治療しているような患者さんばかりでなので、職員数は多いとしてもさらに大変なのだろう)