なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

悪性リンパ腫

2024年02月22日 | 血液疾患

 11月3日に記載した悪性リンパ腫疑いの86歳女性のその後。

 今月の始めにがんセンター血液内科の先生から、連絡が入った。悪性リンパ腫で治療している患者さんで、化学療法後の白血球減少に使用するG-CSF製剤の注射を当院で行ってほしいという。

 感染管理でがんセンターにお邪魔した時にお会いする先生だった。グラン注は院内にあるので、お引き受けした。診療情報提供書が送られてきて、昨年10月末に紹介した患者さんだとわかった。3か月経過して、すっかり忘れていた。

 

 11月6日にがんセンターを受診して、PET-CTで頸部・腋窩・縦隔・小腸間膜・傍大動脈~腸骨~鼠径部にリンパ節腫大があり、後頭部皮下や上腕骨・肋骨・脊椎・腸骨にも集積があって骨髄浸潤の所見と判断されていた。

 生検については部位の記載がなかったが(たぶん頸部か腋窩リンパ節)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)と診断された。11月末からRCHOP療法が開始されている。

 RCHOP療法はリツキシマブ(R、商品名リツキサン)にシクロフォスファミド(C、商品名エンドキサン)・ハイドロキシダウノルビシン(H、商品名アドリアシン)・オンコビン(O、一般名ビンクリスチン)・プレドニゾロン(P)になる。(商品名と一般名がごっちゃになってのRCHOP)

 注射薬は第1日に、プレドニゾロンは内服で第1~4日に投与される。第6日~21日は休薬。1サイクル21日で、6または8サイクル行う。随分前、当院に腫瘍内科医がいたころに行っていたが、ただただ「教科書通りのことが行われている」、と感心してみていた。

 

 2月19日、20日とグラン注を行うようにという指示で、19日に患者さんがやってきた。紹介した時と同様にハキハキした物言いで元気だった。

 「(悪性リンパ腫は)治んないんでしょ」といっていた。ステージⅣ相当でも5年生存率は固形癌よりはいいはずだとは思うが、見当がつかない。

 

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