なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血糖コントロール係

2024年02月06日 | 糖尿病

 当院には糖尿病専門医はいない。当地域(当地の医師会)にもいない。院内では内科で分担して診ている。

 整形外科で血糖コントロールの悪い手術予定の患者さんがいて、病棟看護師さんに内科の誰に頼めばいいか訊いたところ、当方がいいと言われたそうだ。そこから整形外科に入院する患者さんの血糖コントロール係になっている。

 内科で一番古いので、糖尿病の血糖コントロールで入院する患者さんを診てきた。古い看護師さんはそれを知っているので、当方を推薦したらしい。

 

 前の小規模病院にいた時に、消化器の特別な検査治療もしなくなり、生活習慣病を診るだけになっていた。一般医の勉強にちょうどいい「糖尿病の進歩」によく行っていたこともあり、糖尿病学会に入ることにした。

 糖尿病学会は入会時に評議員の推薦状が要る。糖尿病外来に来てもらっている先生は評議員ではなかった。大学病院にいた時にサブでついていた先生が評議員だったので、依頼して推薦状を書いてもらった。(ビール券だけ送った)

 その先生はその後、他大学の大学教授になられた。昨年入会している学会を整理することにして、資格に関係ない学会は辞めた。糖尿病学会は推薦状を書いてもらった手前、退会するとわかるので、そのまま継続としている。

 

 整形外科に大腿骨頸部骨折で入院した82歳女性は、隣りの隣の町の内科医院(糖尿病専門医)に通院していた。処方はDPP4阻害薬(リナグリプチン=トラゼンタ5mg1錠分1)・メトグルコ1500mg分3・グリニド(レパグリニド=シュアポスト0.25mg3錠分3)。HbA1cが9.0%だった。

 骨折の影響もあるのだろう、食後血糖が300mg/dl台になっていた。インスリン強化療法を開始して、血糖を良くするのに最大量(超速効型+持効型)が50単位にもなった。

 無事手術が終わって、血中Cペプチドは十分出ていたので、インスリン量を漸減した。入院して強制的に食事量が守られることもあり、順調に減らせた。それぞれのインスリンが4単位ずつになったところで、まず超速効型を中止して、その後持効型も中止できた。

 グリニドの代わりにSU薬少量(グリクラジド20mg/日使用、可能なら10mg/日)にした。術後に尿カテーテルがなかなか抜去できず、やっと抜去した。残尿が多そうで尿路感染症が危惧されて、SGLT2阻害薬は避けた。

 患者さんは認知力低下で、到底これまでの一人暮らしは継続できない。回復期リハビリ病棟で施設入所待ちだった。少量でもSU薬よりは持効型インスリン(多分少量で賄える)の方が好ましいが、施設だとインスリンができないところもあるので、できるだけ経口血糖降下薬だけの方がいい。

 高齢者はできるだけDPP4阻害薬だけにしたいが、HbA1cが8%台でもうちょっと下げたい時に、グリクラジド10mg/日(HA錠の半錠)を追加したりしている。(下限値HbA1c7.0%)SGLT2阻害薬が尿路感染症になりやすくて使用し難い時に使用する。やり方が古い気はするが。

 

コメント
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