なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

CTでコロナと診断

2024年02月14日 | 糖尿病

 2月13日の午後に地域包括ケア病棟の看護師長さんから、入院している86歳男性がコロナ(COVID-19)を発症した、と報告が来た。

 別の内科の先生が1月9日から入院治療をしていて、すでに1か月以上入院している。13日にリハビリ病棟でコロナ罹患と判明した患者さんはずっと家族の面会がないが、こちらの患者さんは時々家族が面会に来ていた。

 

 1月9日は尿路感染症として入院した。抗菌薬投与(セフトリアキソン)で解熱軽快して、炎症反応も軽快していた。明らかな肺炎像がなく、胆道感染症なども否定的で、除外診断としての尿路感染症だった。

 CRPが入院時の26.4が、10前後に低下したが、その後横ばいとなったのを気にしていたようだ。尿培養はコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNS)が検出されている。多分コンタミで起炎菌とはし難いが、疑心暗鬼的になり、バンコマイシン投与を開始していた。

 平熱~微熱で推移して、改めて感染症の有無を検索しようとして、2月13日に胸腹部CTを行っていた。すると、胸膜直下に散在する、いかにもコロナ(COVID-19)という陰影が描出された。

 SARS-CoV-2の迅速PCR検査を提出すると陽性だった。食欲低下もあり、抗ウイルス薬はレムデシビル点滴静注を開始した。

 右肺に胸水貯留があり、無気肺像を伴っている。心不全というよりは感染症(肺炎・胸膜炎)が疑われる。炎症反応がくすぶっていたのは、これが原因だったのかもしれない。こちらは誤嚥性肺炎に準じた抗菌薬投与となる。

 

 別な病棟で関連はない。それぞれの病棟スタッフで発熱など症状がある人はいない。無症状感染者は検査をしないと把握できない。(厳密には全員検査になってしまう)

 2か所の病棟でCOVID-19の患者さんが出ると、入院が制限されて困ったことになる。

 

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