1週間前の月曜日に、食欲不振の98歳女性が内科クリニックから紹介されて受診した。ケアハウスに入所している方だった。内科の若い先生が診察して、腹部CTで盲腸に腫瘤影があり、肝内に多発性に転移巣を認めた。
腫瘍マーカーは最初振り切れていて測定できなかったが(>と表示された)、後日希釈して結果を出していた。CEAが2321・CA19-9が34455と出た。
通常ならば大腸内視鏡を行って生検で診断を確定するが、この場合はなしでいいと思われた。手術も抗癌剤治療もできないので、緩和ケアだけになる。
家族にお話して、入院で経過をみるが、病状悪化時はDNARの方針となった。まず末梢静脈からの500ml×2本と、胆道感染疑いで抗菌薬が開始された。受診時に発熱があったが、1週間の投与で解熱している。
予後が1~3か月で半年持たせるのは難しいと予想される。ステロイドの適応だが、糖尿病があるので使用し難い(感染症併発だとさらに)。
いったん抗菌薬は中止して、点滴で年明けまで経過をみることになった。少しでも経口摂取できるといいが、数口程度だった。大腸腫瘍の増大から腸閉塞にならないといいが。