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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

新型コロナの肺炎像(軽度)

2020年12月24日 | Weblog

 現在、新型コロナウイルス感染症の30歳代女性2名が入院している。いずれも胸部CTで軽度の肺炎像を認めるが、特に治療しないで(ウイルス薬、ステロイド)、対称的に経過をみるだけにしている。

 

 38歳女性は12月15日に頭痛・呼吸困難感(あくまで「感」)で発症して、翌日に嗅覚・味覚障害が出現した。受診した病院で新型コロナウイルスの抗原検査を受けて陽性となった。発熱はなかった。頭痛の訴えがあったが、もともと頭痛持ちでもある。

 県の入院優先度判断スコアではまったく入院の適応には該当しない。ホテル療養相当になるはずだが(東京なら自宅療養だろう)、当地域は発症者が少ないので?、保健所から入院依頼がきた。

 精神遅滞のある人たちのデイケア施設に勤務しているので、濃厚接触者の健診を2日に分けて行ったが、陽性者は幸い出なかった。患者さん自身の感染経路は不明だった。

 胸部CTで左下葉に淡いすりガラス陰影を認めた。特徴をあえていうならば、「胸膜直下の陰影ではない」になる。白血球3700・CRP0.1と、白血球減少を認めるが炎症反応は陰性。「発症後10日経過・症状軽快後3日経過」で退院予定だ。

 

 35歳女性は12月19日に咽頭痛で発症した。22日に発熱・頭痛・咳があり、受診した病院で新型コロナウイルスの抗原検査を受けて陽性と判明した。その日のうちに保健所から入院依頼がきた。歯科医院で歯科助手をしているが、居酒屋でバイトもしているそうだ。

 胸部CTで右肺の胸膜直下に陰影を認め、左肺の3か所にも同様の陰影がごく軽度に認めた。特徴は、「浸潤影様の陰影」になる。白血球3700・リンパ球12.5%・CRP0.1と、白血球減少・リンパ球減少を認めるが、炎症反応陰性だった。陰影からは通常の肺炎も鑑別に上がるが、炎症反応からみてコロナの陰影でいいのだろう。

 入院した日の夕方に39℃の高熱となり、看護師さんはびっくりしたようだが、炎症反応の結果を知っていたのでアセトアミノフェンだけで経過をみた。翌日には解熱していた。

 

 Yahooニュースで忽那賢志先生が新型コロナウイルス感染症の情報を提供している。感染症の専門家の先生方が多数マスコミに出ているが、信頼できる情報としてはやはり忽那先生になる。いつのまにか、かわいいイラストが付いていた。

 

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