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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

全身浮腫

2020年12月23日 | Weblog

 昨日の内科新患を全身浮腫の91歳男性が受診した。担当していた内科の若い先生から相談された。

 神経内科外来に脳梗塞後遺症で通院していた。血液検査でHb9g/dl程度の貧血が続いていて、MCVは110台だった。白血球数は正常上限で推移している。血小板増加があり、50万台から100万を越えたこともあった。

 鉄剤・ビタミンB12 ・葉酸が処方されていたが、それぞれが減少していたわけではなく、反応して貧血が改善していたわけでもない。貧血があるが、原因がわからなかったのだろう。一見すると骨髄疾患を疑う経過だった。

 すでにある程度検査していた。浮腫の原因としてはまず心・腎・肝・甲状腺だが、心不全・腎不全・肝不全でもなく、甲状腺機能も正常だった。

 血清総蛋白が6.2g/dl・血清アルブミンが2.9g/dlと低下していて、これまでの経過からみて急激にではないが低下している。尿蛋白(2+)で、定量を追加してもらうと4.06g/gCrだった。ネフローゼ症候群になっているのだろうか。

 腎機能は正常でCRP0.1と炎症反応も陰性なので、急速進行性糸球体腎炎やANCA関連ではないようだ。骨髄腫の有無を診るために、血清と尿の免疫電気泳動を追加してもらうことにした。

 患者さん自身はもともと体格がよく、食欲良好で元気だった。利尿薬を処方して、次回予約を入れて経過をみてもらうことにした。

 年末にかかるこの時期なので12月28日に再受診してもらおうと思ったが、家族はできれば年明けにしてほしいという。処方は2週間出すが、浮腫が悪化する時は28日に受診するよう伝えた。

 貧血について、もう少し前に相談されていたら、血液内科紹介をお勧めしていた。

 

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