なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

カンピロバクター腸炎

2015年11月27日 | Weblog

 23日の日直の時に、下痢(水様便)・腹痛・嘔吐・発熱で49歳男性と30歳男性が(別個に)受診した。外来で点滴をしていたが、症状が続き、短期入院となった。水様便なので便培養はでないかもしれない(特に前者は前日に当番医からクラビット処方あり)と思ったが、3日後に両者ともカンピロバクターが検出された。翌日に49歳男性の息子さん(16歳)が同症状で入院した(内科の若い先生担当)。こちらもカンピロバクターが検出された。原因となった食品は不明だった。

 49歳男性はCTで上行結腸から横行結腸口側までの腸管壁が腫脹していた。30歳男性はCTでは所見なしで、人によって違うものだと思った。16歳の息子さんの回復が一番早く、今日退院になった。父親はまだ下痢が少しあり、時々腹痛があった。入院期間はどうしますが、と聞いたら、退院は自信がなさそうだった。食事摂取は5~8割ある。点滴もやめてホスミシンとミヤBMの内服をしているだけなので、入院していても自宅静養でも同じですと伝えると、息子さんと一緒にきょう退院するという。会社に提出する診断書を記載した。

 30歳男性は軽快したものの、まだ下痢があり、食事摂取が進まなかった。一昨日に点滴をやめていたが、もう少し点滴してほしいという。入院期間をどうするか訊いたところ、来週の月曜まで入院希望だった。

 両者とも入院後は点滴(500ml4本)とホスミシン点滴静注で開始して、翌日には解熱した。カンピロバクターは検査室で感受性試験ができないのでどの抗菌薬が効くのかわからないが、臨床的にはホスミシンが効いているようだ。菌種が判明してからジスロマックに変更すべきなのだろうか。

 毎月のICT会議で、月3~4名の患者さんでカンピロバクターが検出されたという報告が出る。細菌性腸炎ではやはり一番多いのだった。

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