東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

100年以上前製造の超古い自動織機を搬入

2018年02月14日 | 綿栽培,糸つむぎ,織り,染色

 100年以上前に製造された自動織機を郷土館に搬入しました。私のお小遣いで鉄くず代として購入しました。いずれ郷土館に寄託か寄贈しようと思っています。この超古い機械はとっくの昔に廃棄されているはずで、残っていたのが不思議なくらいです。最新型の自動織機は横糸を圧縮空気で通しますが、この織機は機械が木製のシャトルを左右に飛ばします。

         人の動きを真似て自動化した約100年前の自動織機


 この機械ができるまでは、織子と呼ばれる専門の職人が座って布を織っていました。柳井市で復活した柳井縞は、この座って織るスタイルを復活したものです。人の手でシャトルを左右に綜絖を上下に動かして織ります。この自動織機は人の動きをそのまま自動化したものです。ほぼ同じものがトヨタ産業技術記念館の繊維機械館に展示されており、今でも動作披露されています。

  複雑に入り組んでいるメカニズム     機械全体を動かすモーター(100V) 

 この機械を観察すると、あちこちで錆が出ていたり、板がひわっています。1ヶ月位雨露に当たっていたようです。シャトルを左から右へ打つ板が無くなっていました。また、綜絖も2枚しかなくやや機械が小さ目ですので小巾織り専用かも知れません。単純な構造ですので、タオルか手ぬぐいを織るための機械だったのかも知れません。直すことができれば、布幅を狭くした柳井縞を織れるかも知れません。

     綜絖も2枚しかなくやや機械が小さ目のため小巾織り専用織機かも


 この自動織機のような古い機械が日本にあまり残っていない理由があると聞きました。織機はとても高価なため、一斉に新しい織機に更新するには相当な資金が必要でした。そのため、国策の補助金制度があったそうです。ただし、その補助金を受け取るためには古い織機の廃棄証明が必要だったそうです。つまり、古い織機を積極的に壊さないと補助金がもらえなかったのです。

         シャトルを飛ばす箇所と筬(おさ)を固定する箇所


 試しに手で歯車などを回してみました。すると、やや抵抗がありますが回りました。また、モーターが正常に回るかどうかベルトを外して100V電源を繋いでみました。すると元気よく回り始めました。ただ、コードが醜く傷んでいますので新しいコードに変えようと思います。なお、私がたまたま持っていた糸巻きが、なんとこの織機のシャトルに収まりました。織れるようになるまで修理に1~2年程度かかるかも知れません。気長に直してみようと思います。自動的に布を織れるようになれば、もしかして郷土館の名物になるかも知れません。

シャトルに収まる糸巻き   Vベルトプーリーを外す    元気よく回るモーター
  

コメント (2)
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