『雨のち晴れ、ところにより虹』(吉野万理子著 新潮社)は、湘南を舞台にした物語がいくつか。
どの話にも、実在するロケーションや、ちょっと知られたエピソードが登場する。
しかも、その一つ一つが詳しく描写されているので、絵が見えてくる。音が聞こえてくる。というか、いつの間にかその場にいるように思えてくる。
読むたびに、路地に迷い込むよう。
知らない人であれば行ってみたくなる、ガイドブック的な要素も。
「行ってから読むか、読んでから行くか」
女性らしい筆致も軽やかで心地よい。やわらかな風にふわりとスカートが揺れる感じ。
ただ、まだ読み始めたばかりで、僕はいま第三話。鳩サブレーでおなじみの豊島屋の店内にいる。
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