山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

早春の野草を味わう

2015-03-23 00:24:31 | 自然薯 山菜
早朝の空気に当りながら、ふる里の小川の畔をゆっくりと歩きました。
朝露に濡れた野草たちと戯れていると疲れ切った心身に少しずつ生気が蘇ってきます。





この朝は8種類の野草を摘みました。
さあ山へ向かおうと準備をしていると、なんだか靴に違和感を感じます。
8年間も中低山を一緒に歩いてくれたイグザムガイドの靴底が踵から中央にかけてパックリと剥がれていました。





昨秋の黒部の帰りにSIMMSの靴底が剥がれてしまい
この2足を買い替えるとなると5万円を越えてしまいます。
懐も痛いけれど、足に馴染んだ靴と別れるのはことさら寂しさが募ります。





という訳で、岐阜蝶を眺めながらの山飯は諦めて、ふる里の小川に下りました。
最上流のこの辺りはとても穏やかで、優しい雰囲気に包まれて一日を過ごせます。





野草についた泥を丹念に洗い流し、野蒜や藪甘草の薄皮を取り除くと、真っ白な肌の何と艶やかなことでしょう。
アザミ、ヨメナ、藪甘草、野蒜、ヨモギ、フキノトウ、ユキノシタ、、、、セリも少しだけ摘みました。





春菊に良く似た味と香りのヨメナは鰹節をかけてポン酢で
甘くてシャキッとした食感の藪甘草は酢味噌で
野蒜の球根はお味噌をつけて生で頂きます、日本酒が欲しいなあ。





天ぷらのネタはこの5種類にしました。





カラっと揚がった天ぷらは、それぞれに独特の風味があって美味しいのですが
とりわけニンニクの茎の風味に似た野蒜がイチオシかな、ビ-ルも進みます。





さっと湯通ししたセリの若芽と鰹節をご飯に混ぜて塩と出汁醤油で軽く味付けると
セリの香りと鰹節の香ばしい風味とが相まって、アルファ米でも充分に美味しいセリご飯になりました。





野草の下ごしらえをして、野草を味わいながらビ-ルをやって
ほろ酔い加減でお昼寝して、かれこれ5時間もこの小川の畔でのんびりしてリハビリ完了です。




ふる里って、いいものですね。

リハビリも出来たし、さあそろそろ始動しなくちゃね!
コメント (26)
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ちょっとそこまで蕎麦を手繰りに

2015-03-08 23:12:18 | 蕎麦、うどん、ラーメン
毎年この季節は不眠不休の体力勝負を強いられる。
今年もこのひと月の間は一日も休みなく仕事に明け暮れていた。
もう限界だ~とぶち切れた瞬間、ふと幼馴染のオ-ちゃんの顔が浮かんで電話を入れた。

あのさ~、深大寺までママチャリ漕いで蕎麦喰いに行かね?
鮎の解禁前でヒマしてる蕎麦好きのオ-ちゃんがいともたやすく餌に喰いついてきた、Fi~sh!!

粉糠雨にそぼ濡れた桜の蕾のナント可憐なこと!
もう春なんだね~と、ロマンチストの僕たちは思わずホロリとさせられてしまう。





10時40分、先ずは『湧水』さんの暖簾を右手で払う。
10時半開店だというのに、もうあらかた席は埋まっていた、さすが一番人気のお店ですわねえ。





とにかく今日は寒い、蕎麦前は小松菜の辛し和えと蕗の薹の天ぷらをアテにヤケドしそうなほどの熱燗を頂いた。
焼き塩で頬張る蕗の薹の天ぷらのほろ苦さ、あぁホントにもう春なんだよねえ、春が、春が、、、もう来ているんだよねえ!





お蕎麦は10割でも8割でもなく9割蕎麦を頂く。





一口手繰るれば極細の細打ち麺の小気味よい食感と喉越しに酔いしれる、あぁなんという幸せ!





熱燗にほろ酔い、体もほかほかに温まって『湧水』さんを後にする。
この水車の先を左に折れて、、、、





この突き当りを右に折れると





また、お蕎麦屋さんが軒を連ねる通りになる。





2件目はオ-ちゃんが選んだ鰹出汁が評判の『一休庵』さん。
僕は鴨のロ-ス焼きと鴨汁蕎麦の『大師茶屋』さんなのだけれど、ここはオ-ちゃんに従うことにした。





お店に入ると若旦那なのだろうか、絶え間なく蕎麦を打ち蕎麦を裁っている、その手さばきの実に見事なこと。
これを見たオ-ちゃんが俺も蕎麦を打ってみようかなあと言い出した、ついにKちゃんのライバル出現の瞬間である。





先ずは蕎麦前、芋がらの油炒めとお新香をアテにぬる燗で頂くことにする。
ごま油の風味の効いた昔なつかしい芋がらの味に、ぬる燗がすすむこと、すすむこと!





お蕎麦は、そば粉8割の二八蕎麦をお願いした。
丁度よい太さの江戸打ちは歯ごたえの心地よさもさることながら鰹出汁の効いたツユの美味しさも際立ってついつい飲み干してしまった。





またまたほろ酔って気持ちよくお店を後にして深大寺の山門をくぐる。





神社仏閣を巡る旅が実に退屈でつまらないことと思っていたのは10年ほど前までのことだろうか。
それが今では往時を偲び、開祖の不屈の精神を垣間見、宮大工の技術と芸術性の高さに驚愕し、
それを育んだ権力と莫大な資金力に畏怖の念を抱いている。







山門を彩る枝垂れの紅梅、今が盛りであろうか?





温泉に向かう道すがら、鬼太郎の茶店があった。





4分ほど坂を登り、2分ほど坂を下れば『湯守りの里』に辿りつく。
黒褐色の薬草の湯が気に入って1時間も浸かったりあがったりと温泉を楽しみ3時間たっぷり午睡を楽しんだ。





人間という生き物は、息抜きしないと生きてはいけないんですね。
温泉と酒とお蕎麦、いやぁ日本人として生まれた幸せをしみじみ感じる一日でございました。

さあ、あと1週間がんばろう!
コメント (26)
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