山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

まぼろしの芋焼酎

2009-07-26 21:29:17 | 川飯.B級グルメ
先日のこと、学生時代の旧友から嬉しいサプライズがありました。
旧友直筆の毛筆を添えて、まぼろしの芋焼酎『赤霧島ゴ-ルドラベル』が届けられたのです。

学生時代の彼はと言うと、弁舌はすこぶる達者なのに文字は呆れるほどヘタでありました。
それが何と驚くほどに達筆になっていて『これは絶対にカアちゃんの代筆であるぞ』
などと疑いたくなるほどに上達しているのでありました。

実は以前から『黒霧島』の大ファンでずっと愛飲しているのですが
『赤霧島』は恥ずかしながら初めて知るところとなった次第です。

『赤霧島』がなぜ幻なのかといいますとね
この芋焼酎はムラサキマサリという紫芋を原料にしているのですが
そのムラサキマサリの生産量が極めて少ないために『幻の紫芋』と言われているそうなのです。

まぼろしの紫芋から造られる芋焼酎なのですから必然的に『まぼろし』になってしまう訳なんですね。
しかも美味しいと評判で飲みたくてもなかなか入手困難な代物というのですから益々欲しくなるのは人の常と言う訳でして、、、、。

おまけに天地人を記念して造られた山形の吟醸酒『香梅』までも、嬉しいったらありゃしません。

僕としてはすぐにでも頂きたいのは山々だったのでありますが
何か特別の日のために大切に取って置こうと決意した訳なのでありますが。

『まだ飲まないの?』と僕よりも遙かに酒好きのカミさんから度々催促されるものですから
『よ~し、じゃあ空けるか!』と言うことになったという次第でありまして、、、、。






前置きがちょっと長くなってしまいましたが
せっかく『まぼろしの赤霧島』を頂くわけですから兎に角美味しく頂かなければ勿体ないわけでして、、、、。

と言うわけで、釣りでもして少し良い汗をかいてシャワ-でも浴びて
ゆっくりじっくり舐めるように味わおうと、、、、わかりますよね?

ここは神の川支流の矢駄沢、ちょうど1年ぶりの溪です。
本流も日陰沢も釣り人の姿が多いのでちょっと歩いてこの岩魚の溪に入ることにしました。






当然ここも先行者がいる訳でして、丹念に辛抱強く探っていきますと、、、、綺麗な岩魚が出てくれました。
ブルックトラウトのように見えますがこれは光の加減でしょうか、正真正銘の岩魚です。






オレンジのお腹も嬉しいですねえ!






第1堰堤手前の大場所、淵尻真ん中の石の手前から、、、、。






8寸の岩魚、この沢にしては良型で鋭角の尾びれが中々でしょ?






第二堰堤
右側の藪の下に潜んでいました






これは8寸弱
先行者がいても本気になれば岩魚なら出てくれますね、どん欲なんでしょうか?






第三堰堤の上でも小学生サイズを二つ追加し第四堰堤で脱溪






ちょうど2時間、いやあ良い汗かきました。赤霧島がウメエど~!


シャワ-を浴びてさっそくいただきました。
紫芋の個性がしっかり表現された味と香りは芳醇そのもも
名にたがわぬ美味しさに至福の時間を過ごさせて頂きました。






ハタハタの一夜干し
土光敏夫さんの晩年の夕飯はイワシの丸干しでしたが
僕の年になるとやはりこういうものが何よりです。





今日はモモの初めての月命日でした。
特別の日、赤霧島を味わい、二人でモモのビデオを観ながら思い出話をしたりウルウルしたり。

良い一日となりました。
コメント (16)
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南アルプス天泊釣行

2009-07-20 21:53:53 | フライフィッシング
正直に申しますとね、実はここ、南アルプスではないのです。

なんてったって何十年ぶりかの南アルプス釣行ですもの、ザックを背負って勇躍出かけてみたんですがね
あふれかえる山屋さんの熱気に気圧されて炙り出されてしまったと言うわけでして。

北沢峠へのバスに乗るために芦安の市営駐車場に到着したのは午前2時のことでした。
余裕をかましていたのに12箇所ある駐車場はすでに満杯で僕の入る隙間はどこにもありませんでした。

車両通行規制のない時代しか知らない僕はこの状況に初っ端から驚愕いたしまして。
今度来るときはもっと早く来なければと決意し敢えなく入り口で敗退となった訳でございます。



今回の釣行は、8月に計画している4~5日間の天泊釣行の予行演習も兼ねている訳でして。
テントの機能や居住性、食糧、スリ-ピングシステム、パッキングなどのテストのためには
場所は何処でも良い訳で、来々週に予定していた中央アルプスも雨が降り続いているようだし
結局は慣れ親しんだ瑞牆山へと踵を返したという次第でございます(泣)


このテン場は塩川の支流『不動沢』に沿って走る林道脇。
そぼ降る雨の中でのセッティングは2分で完了、ツェルトのセッティングを遙かに凌ぐ早さで風雨を想定すれば200点満点ですね。







居住性はと言うと、広さも天井高も充分であり雨の中でもしっかりとテンションを保持し、しかも蒸れのない快適さは申し分ありません。一人用のワンショットに比べて140グラムプラスの1.18㎏なら迷わず二人用のこのハイライトで決まりです。

それにつけても山道具の進化には目を見張ります。
35年間使い続けているド-ムテントの半分以下の軽さと仕舞い寸法ですからね。

フロアレスのワンポ-ルシェルタ-も捨てがたいものがありますがトレッキングポ-ルやペグを併せた重量は殆ど変わらず
ツェルト派の僕としてもこの居住性と快適さには脱帽と言ったところです。

パッキングは2泊3日を想定して30リットルのザックにちょうど収まって9.8㎏。
快適に眠るためにはスリ-ピングシステムとドリンキングシステムは手抜きせず、食糧は簡素にが大原則ですかね。

UL派の軽量化にはとても敵いませんが体力が落ちてきた僕としてはザックだけはULザックはあきまへん。







大の字に寝そべって天井を仰ぐと、どでかいショッカ-の狐目が僕を見つめているではありませんか。
ショッカ-の目、実はこれベンチレ-タ-の蚊帳なんですねえ。
しかもベンチレ-タ-用のしっかりしたテンションの屋根が付いていて雨の吹き込みもなく快適そのものでした。







ベンチレ-タ-を全開するとこんな感じ。
外が眺められるし明り取りにもなり虫の侵入もなく、室内には心地よいそよ風も入ってこれまた快適そのものでした。

昨夜から一睡もしていなかった僕は昼まで爆睡と相成った次第でございます。












さて、ぐっすり眠って腹ごしらえも終わったところで、天鳥川の中流域に入ります。
塩川支流のこの溪、上流は勾配のきつい険しさがありますが中流域は樹間を流れるいい雰囲気なのでございます。







ちび岩魚が呆れるほどに出てくれちゃいます。







いい雰囲気じゃありませんか?
これで大岩魚が居てくれれば言うことないのにねえ。







アタックしてくるのは皆こんなサイズ。
ツ抜けどころじゃありません、しかもお腹は鮮やかなオレンジ色ばかりです。







数え切れないほど釣ったのに、、、、何故か腕はちっとも疲れませんでした(悲)

夕闇迫る頃、沢から上がってテン場に戻ります。







夕食のメニュ-はアルファ米、梅しそわかめのふりかけ、魚肉ソ-セ-ジ、そしてキュウリの梅しそ和えとビ-ル。
キュウリとビ-ルは途中のコンビニで仕入れたもので、もちろん南アルプスでは省略してウイスキ-のみですね。

ソ-セ-ジは炒めて醤油で。食料軽量化のため毎日このメニュ-ですが
南アルプスでは岩魚の刺身と岩魚汁、づけ丼、皮せんべいなどが毎日メニュ-に上がる予定です。






いつしか眠りに落ちて翌朝五時過ぎでしょうか。
不動滝経由で瑞籬山に登る登山者の幾つもの足音と話し声で目を覚ましました。
外は小雨が降っていますがテントの中は蒸れも湿気もなくて快適そのものです。






雨だもの、二度寝を楽しんで起きたのが9時半。
雨はすっかり上がって釣り日和です。

昨夜の残りご飯をおかゆにして遅い朝食をすませて、さあ出撃です。
今日は本谷の上流の枇杷窪沢に入ります。


これは熊の仕業ではなくて鹿、、、、ですよね?
ここみずがきの森では昼間でも度々鹿に出会います。






用心に越したことはありません。
カウンタ-アソ-ルトをいつでも噴射できるように腰にセットして出撃です。






ここが入溪点ですが、アスファルトの林道に沿っているため何処からでも入れます。






まったチビ岩魚の猛攻ですわな。






いい流れ、いい雰囲気が続きます。







サイズは小ぶりですが逞しい尾びれの綺麗な岩魚ばかりです。






惚れ惚れする流れです。
右奥のエグレ、白泡の消える当たりからガバッと、、、、。






この岩魚はお腹がポッコリ、カエルでも食べたんでしょうね。
尾びれの立派な岩魚が数え切れないほど、もう食傷気味で脱溪となりました。






午後5時過ぎ
芝生公園のキャンプ場で飲料水を調達して、ちょっと離れた誰もいない東屋で夕食です。

今日もまた同じメニュ-、8月は5日間このメニュ-が続きます。
今日は特別に黒霧島と氷を調達して来ました。






ほろ酔い加減で暮れなずむキャンプ場を横目にテン場へと急ぎました。





熟睡して午前1時半、尿意を催してテントの外に出てみると、、、、。

何ということでしょう!
雲が晴れた天空には満天の星が煌めいているではありませんか!

急いで芝生公園に車を飛ばし芝生の上に寝ころんで空を仰ぎました。

まさに壮大な天体ショ-の始まりなのでした。
刷毛で掃いたようなミルキ-ウェイがひときわ鮮やかに南北に流れ
その東側では幾つもの流れ星が東の空へと長い尾を引いて一瞬のうちに消えていくのでした。

僕は込み上げてくる感情を抑えることができませんでした。
見事な天体ショ-に感動したからではありません。
星になったモモをあの天空の星の中に探していたのです。

シュラフカバ-に潜り込んだ僕は、それからまたミルキ-ウェイと流れ星をうっとりと眺めながら
空が白み始めるまでモモを探し続けていたのでした。

やはり僕はテントよりも露天の野宿の方が性に合っているように思います○





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ノスタルジ-

2009-07-08 23:40:26 | 独り言
母が召されて早や7年の歳月が過ぎました。

ふる里への愛着は今でも変わることはありません。
事あるごとにお墓に参り、ふる里の山を歩き、小川でヤマメと戯れています。

でも、何かが足りないのです。
ふる里の家で迎えてくれる父と母のぬくもりが無いのです。

実家に帰って一人ぽつねんと炬燵に胡座をかいて煙草をくゆらす
母の手料理が並んだ卓上に、あの懐かしい味が無いのです。

思い切って実家を取り壊すことにしました。
今日は一日かけて家財の整理をしてきました。

頼みもしないのに隣近所の人たちが手伝いに来てくれたり
10時と3時のお茶を用意してくれたり、昼食に呼んでくれたり。
たった25軒の集落は今でもみな親戚のような関係が続いています。


母が大切に残してくれた写真が何百枚も出てきました。
懐かしくてしばらく手を止めてノスタルジ-に浸ってしまいました。

花壇の前で母の膝に抱かれている子供の頃のものや
動物好きだった父と芝生の上で愛犬や愛猫と戯れているもの

今が一番いいと思っていたのに、今日ほどあの日に帰りたいと思ったことはありません。



一番輝いていた学生時代。
懐かしい面々が並んでいます。

授業など受けることもなく日がな一日、哲研の部室に屯して書を読み議論を交わしたものでした。
この写真の中にいない約10名は、授業を真面目に受けていた大馬鹿者だと言っておきましょう。





これが毎日お世話になった学食
我らメンバ-は50円のうどんか70円のカレ-ライスしか喰った覚えがありません。
これは多分、後輩(野沢温泉の旅館の息子)の罰当たりメニュ-です。

今のおしゃれで豪華な学食と比べると隔世の感がありますねえ。





学部長室を占拠して学部長を吊し上げたり大衆団交に打って出たり。
今から思えば他愛も無いことなのにと恥ずかしくなるようなことを真面目に真剣に取り組んでいた訳なんですねえ。





あの頃は、純粋で青臭かったんだなあ。
でも、あの頃の熱き想いがあったからこそ今でも同じように政治を語れるのかもしれません。
そして旧友との絆も切れることなく続いているのかもしれません。


35年前、あの頃はみな若かった!
コメント (12)
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