山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

遠きに在りて、、、、

2010-12-24 00:45:24 | 独り言
                年の瀬はまんざらでもないですよね。
                一抹の寂しさもあるにはあるけれど新たな希望も綯い交ぜになっているから。
                
                そして、
                真綿にくるんでずっとずっと大切にしまっておきたいような懐かしい友の顔
                や友と過ごしたあの頃の思い出が蘇るほんのりとした季節でもあるのです。

                
                今年もまた『ゆず湯に使ってくれ』と、ふる里のKOちゃんから沢山のゆず
                が届きました。もうかれこれ55年、だって3歳の頃から野山で遊んだ幼な
                じみですからね。泣かしたり泣かされたり、若き日に共に源流を攻めた信頼
                のおける仲でもありました。爽やかな柚子の香りに満たされたお風呂で今夜
                の僕はほっかほかのいい気持ちです。そして湯上りには、あの頃いつも食べ
                ていた柚子の砂糖づけが欲しくなるのです。


                
                
 

             

                学生時代、ずっと行動を共にしていたKSから山形の冬の香りが届きました。
                哲研の部室に入り浸ってあまり講義にも出なかった僕は、彼のお蔭で卒業で
                きたようなものでした。そんな彼には足を向けては眠ることなどできる筈も
                ないのですが、北枕を嫌う僕は相変わらず北国に住む彼にシッカリと足を向
                けて爆睡しておると言う訳なんですね。     
                米沢藩校出身の気骨ある彼は大学院を出て迷わず県庁に入職し役人らしか
                らぬ役人として職務を全うしています。一箱のリンゴは来年の春まで味わえ
                ます。                                              


                




                広島と言ったら牡蠣ですわね。送ってくれたのは勿論KNさんです。          
                まるで神隠しにでもあったかのように忽然と姿を消したNさんは何と
                広島へとさらわれていっておりました。僕の山釣りの最強の相棒とし
                て岩を這い藪を漕ぎ野宿を共にした日々を想うとやるせないほどに恋
                しくなってしまうのです。生ガキ、香草焼き、カキフライ、やっぱり
                牡蠣は旨いっすね。食事制限中の僕は一度にこれしか食べられません


                
                
                





                
                YSは毎年必ず、正月を祝うお酒を送ってくれるのです。
                大学の哲研の1年後輩なのだけれど、我ら先輩を遥かに凌ぐ読書量を
                誇り、議論をすればいつの間にかアイツのペ-スに嵌り、酒を呑めば
                俺たちのサイフの紐をほどくのは必ずアイツだったという憎めない
                後輩で、会社員などという真っ当な仕事になんぞ絶対に就けるはずが
                ないと思っていたら案の定、栃木の実家で商いの店を開いていました。
                この大吟醸は新年最初の一口のために大事にとっておきます。


                



                

                こうして年に何度か贈り物をいただく時、古き友や懐かしい記憶が蘇
                ります。ともに過ごした一時期が、濃密であればあるほど蘇る想い出
                にも切なさが募ります。決してあの頃に戻れないという絶望的な切な
                さとでもいうのでしょうか?

                でも、それはせんないこと。          

                僕の人生の中で彼らを始めすべての方々との出会いが運命的な
                出会いであったということ
                ささやかな僕の歴史の証人であってくれるということ
                このことを心に刻みつつ更に絆を深めていきたいと思いを強くして
                いる次第です。
              




                
コメント (22)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10円の価値?

2010-12-21 01:40:28 | 独り言
              近所に小さな古本屋さんがありましてね
              初めて入ったときにはちょっとビックリしたんですよね。
              
              だって文庫本が1冊10円だなんて信じられませんでしたから
              てっきり100円だと思って4冊選んで400円渡したら40円ですよって
              1冊100円で売れたらいいんだけれどねえってオバチャンが            
              
              僕は未だにアナログ人間なものだから
              ケイタイメ-ルもよう打てませんし勿論ゲ-ムもワンセグも、、、
              電車ではもっぱら読書、だから本代がバカにならなくてね。


              
              



              『食堂かたつむり』(小川 糸著、ポプラ文庫)
              
              同棲していた恋人にすべてを持ち去られた衝撃で倫子は声を失ってしまいます。
              山間のふる里に戻った傷心の倫子は手造りで改築した小さな食堂を始めます。
   
              そこは一日一組だけのお客様をもてなすメニュ-のない小さな食堂 
              前もってお客様の要望を聞き、その土地の野菜や果物、キノコや魚介類で
              時には優しい、時にはあたたかく、時にはメリハリの効いた心のこもった料理を

              その料理は高校生の恋を芽生えさせ、閉ざしてしまった未亡人の心をほぐし
              施設に送られる老人と家族との絆を深め、拒食症の孤独なウサギを蘇らせる



              心をこめた料理にはホントにこんなチカラがあるのかもしれませんね。
              
              僕ももう少し極めなくちゃな !


              一行一行をとても繊細にあたたかな筆致で描かれた一冊に出逢えて
              ちょっと嬉しいひと時、なんと価値ある10円ではありませんか。

              
            

                            
              優しい気持ちを感じたいとき、お勧めしたい一冊でした。




コメント (18)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

UFOに出遭った夜!

2010-12-12 23:41:50 | 川飯.B級グルメ
人みな寝静まる深夜、白光を発するUFOは確かに僕の目の前に飛来したのです。

そしてその夜、僕の超能力は確かに開眼したのです。
酒を呑んだからといって誰でもがUFOに出会えるものではありません。
遭うべくして遭えた、これはまさに僕の人徳というべきことなのかもしれませんね。







この中空に描かれた宇宙文字はUFOから僕に発したテレパシ-です。
『素晴らしき川原乞食の皆さんに出逢えて光栄に思います。
 遥か3億光年先の私の星に帰ったらぜひ皆さんのように焚火を囲んで眠りたいと思います』

そう僕にテレパシ-で語りかけて飛び去って行きました。
僕も彼らにテレパシ-で語りかけていました。
『今度はぜひ一緒に焚火を囲んでイッパイやりましょう!』


去りゆく彼らに僕はいつまでもいつまでも手を振り続けていました。











その夜、僕と熊さんは初対面の釣友を夜の川原に迎えました。
疲れた男たちを癒すのに焚火とお酒は欠かすことができません。
決して人生に疲れているという訳ではなく、ただただ遊び疲れているだけなのかもしれません。








しっとりと、とろけるような馬刺しのフィレは絶品なのです。
熊さんが釣り上げたイカで作ったワタ焼きも絶品でした。








熊さんが用意してくれた大量の薪で夜通し焚火を続けます。








相模の釣師さんが釣り上げたイカ刺しも絶品ならば
熊さん掘りたての自然薯も絶品でしてボキャブラリ-の乏しい僕にはもう絶品という言葉しか浮かばず
つまりは旨いものを喰らうと人間というものは言葉を失ってしまうということが良~く理解できた瞬間なのでした。








焚火を囲む男たちの心はなぜこんなに穏やかになれるのでしょうか?









キノコのホイル焼き








実はメインの筈だったキムチ鍋
でもね、この頃すでに泥酔していた僕は、ちょうど良い味加減のス-プに追い打ちをかけるように
濃厚なキムチ鍋の素を更にもう1本ドボドボと注ぎ込んでいたという訳でして、、、、、
それでも鍋が空っぽになっていたということは多分、彼らも泥酔して味の感覚を失っていたんでしょうな。








熊さんが完全にイッチャッテます。












シュラフにもぐりこんだのは午前1時を回っていたでしょうか?
焚火の傍で眠るのは本当に安らげるのです。
これこそが冬野宿の醍醐味なのかもしれませんね。









午前8時、のこのこと起きだした男たちは、とりとめもなく語り合いながらコ-ヒ-をすすります。

左から海も渓も山菜も自然薯もやる僕の相棒熊さん
神の川の某沢で42センチのイワナを釣り上げて今年のフィナ-レを飾った相模の釣師さん
山も渓も鮎もやるヒロキチさん
世附川に通いつめ、神の川にもデビュ-を果たしたLure-kさん
3人とも30才台の好青年です。
ここにボブさんの姿がないのがとても残念です、次回は是非お会いしましょうね。

こうして出会えて友達が増えていくことで人生はより豊かになっていくのですね。
それが同好の士ならば年の差や仕事の違いなんてことはまったく気にせずにお付き合いできるから不思議です。








朝飯は、キムチ鍋のス-プにご飯とチ-ズを放り込んだリゾットもどきとごった煮ラ-メン。
猫飯であろうと犬飯であろうと川飯ならば何でも美味しく感じるのです。








再開を約束して解散です。
皆さん、これでバッチリ面が割れましたからね、悪いことはできませんよ!







新たな友との出会いに心から感謝したい一日でした。


今年もあと僅かです。
仕事も遊びもめいっぱい楽しみましょうね!











コメント (26)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

わたし脱いだらスゴイんです!

2010-12-07 00:31:26 | 川飯.B級グルメ
僕の大切なスタッフのご両親から鮭をいただきました。

新潟名産の『塩引き鮭』です。
風にさらして仕込まれたこの鮭はまるで燻製のようで噛むほどに深い風合いが味わえるのです。

さっそく今日は、頭と中骨を根菜類と煮込んでス-プにしていただきました。
皮も軟骨も中骨についた肉も実に美味しいのですが、かぶりついてしゃぶる頭の骨が実は絶品なんですね。
こんなとき、新潟の地酒『〆はり鶴』があれば言うことありませんな。

東京に住んでいれば何でも手に入るようで実はそうではないのですね。










さてさて、新潟といえばあの夏のことをいやでも思い出してしまうのです。

恋の岐川を釣行しての帰り道、奥只見湖畔のお蕎麦屋さんに立ち寄りましてね。
ウェ-ディングシュ-ズとネオプレ-ンソックスを脱いで座敷の一番奥に陣取りましてビ-ルと少しの酒肴とお蕎麦を。

ビ-ルが来るまでの間、恋の岐の話に花が咲きかけたときのことでした。
KちゃんもOちゃんもSちゃんも、そわそわしながら部屋のあちこちをキョロキョロ見回してる。

うむむっ、ナニか臭うぞ、いやいやこれはかなり臭い、部屋中に強烈な悪臭が充満し始めたではないですか。

あの花瓶の水、ドロドロに腐ってるんでないかい?
誰かウ○コもらしたんじゃね?
あの押入れの奥に腐乱した人間の死体があるんでねえのか?
天井裏に毒餌を喰わされたネズミの屍が累々と転がってるのかも?


ひととおり見回して首が疲れてうつむいた時のことです。
なんとまあ胡坐をかいた辺りらか悪臭が立ち上っている訳で、、、、ちょっと顔を近づけてみると

『クゥゥ、なんじゃこりゃ~!』
『臭っさ~~~、強烈~!』
『自分の足が、、、信じられん!』
『犯人は俺たちだったのか~、自己嫌悪じゃあ!』
4人の男どもはそれぞれにあらぬ方に顔を背けておりました。


と、かすりの作務衣を着た若いお姉さんがビ-ルを運んで参りまして。
僕たちは悪臭を悟られまいと自分の足にタオルを巻いて誤魔化そうしたのですが
悪臭はゾンビのようにムクムクと湧きあがってきてお姉さんを鼻腔を直撃して突き抜けてしまったようで、、、、
お姉さんの軽蔑するような歪んだ作り笑いが今でも脳裏に焼き付いて恥ずかしくて笑ってしまうのです。


しかし人間とは素晴らしいものではありませんか。
強烈な悪臭も自分の足ならば快感に変わってしまうものでして、、、
イワナの刺身に舌鼓を打ちながら自分の足の臭いに酔いしれ
ウドの塩漬けの油いためを頬張リながらビ-ルに酔いしれる。
大盛り蕎麦はお変わりまでしちゃったりして、、、、。


それからというもの
僕は釣行のあとは必ずネオプレ-ンソックスを水洗いして洗濯機に放り込むことにしています。
でも学習能力に欠ける彼らは未だに足の臭さをひけらかすバカタレのままで生き延びているのです。

『わたし、脱いだらスゴイんです!』
こんな言葉を男がはくときにはロクなことがないと言うバカバカしいお話しでございました。



コメント (24)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする